ユニコーンSはラニ負かしているゴールドドリームで揺るがない/トレセン発秘話
◆東京マイルに戻る今回はきっちり決める
オーナーの厚意によりラニが出走した米3冠最終戦ベルモントSを見学に、現地に渡った橋口調教師。米国競馬を視察し「いろいろ勉強になりました」と満足そうだったが、レース前には管理する松永幹調教師に間違われ、ラニを応援する現地のファンに何度も激励を受けるという“珍事件”もあったとか。
「いろんな人に“頑張れよ”って感じで何度も肩を叩かれました。パドックとかまでついて行ったので、たぶん(松永幹調教師と)勘違いしたんだと思います(笑い)」
それでも異国の地で挑戦する日本馬を応援する現地ファンが多かったことにうれしさを感じ、そして見せ場たっぷりのレース内容に、興奮を禁じえなかったのだとか。
「今回は出走する調教師の気持ちも少し味わえましたし(笑い)。いつか自分の管理馬を出走させてみたいですね」
UAEダービーを制覇し、米3冠競走全てに出走。そして、いずれのレースでも存在感を見せつける…なかなかできるものではなかろうが、ラニのローテに今後の3歳ダート馬の新たな道が示されたという声もある。
「この時期の3歳ダート戦はオープンまで上がると、そこからなかなか使うレースがない。今回のラニみたいに海外に出て行って、大きな舞台に挑戦するというのはひとつの手段になるだろう」(某調教師)
クラシック路線がメーンに組まれ、ダートのオープン競走が冷遇される3歳春。これからもラニのように海を渡るチャレンジをする馬が出てくるかもしれない。
今週のユニコーンSも3歳ダート路線の強豪が揃い、なかなかのメンバーになったが、坂路野郎の◎はヒヤシンスSでラニを破っているゴールドドリームで揺るぎない。担当の木下キュウ務員によれば「右回りは稽古でもコーナリングがぎこちない」とのことで、右回りで、なおかつコーナー6回の前走(兵庫CS2着)はそれが影響した可能性も…。東京マイルに戻る今回はきっちり決めてくれるはずだ。(栗東の坂路野郎・高岡功)