前走の敗因は明確
芝と比べると、レースの流れに左右される部分が少ないダート戦は、「実力通り」の結果が多いことになっている。しだいにレベルが上がってきた2007年以降に限ると、勝ち馬はすべて3番人気以内の有力馬だけである。もちろん、展開やペースは重要な要素だが、ダート戦で負けて「流れてくれなかった」などと、マト外れな敗因を持ち出す陣営はめったにいない。スロー過ぎるというなら、ダートなんだから「自分で動いて出ればこと足りるだろう」と反論されてしまうからである。
2月の「ヒヤシンスS」東京ダート1600mを、1分35秒4で快勝している
ゴールドドリーム(父ゴールドアリュール)に期待する。時計が速いのは、締まった重馬場と、レース全体の前後半「46秒7-48秒7」=1分35秒4の前傾バランスだったから。それが中位から差したゴールドドリームに味方したのは確かだが、自身の前後半は推定「47秒6-47秒8」であり、流れに恵まれたというより、速いペースを追走することにより、現時点での総合力が発揮されたと考えたい。
2着
ストロングバローズ(父マインシャフト)は、2番手で先行していたから、自分の前後半バランスは、推定「46秒9ー48秒8」=1分35秒7となる。前半1000m通過は推定「59秒7」であり、確かにハイペースに巻き込まれたことを示しているが、まくって3コーナー過ぎからスパート開始のゴールドドリームの1000m通過もそうは差がない「59秒9」である。
ストロングバローズが3歳春にしては厳しいラップを踏んでしまったことは事実だが、勝ったゴールドドリームも後方から展開を利して届いたわけではない。4コーナーではラニ(父タピット)とともに進出して、もうストロングバローズの直後に迫っている。
ヒヤシンスSでの流れ不利が強調されるのと、ゴールドドリームがそのあと、園田でケイティブレイブ(ヒヤシンスSは1分35秒8で4着)に1秒2も差をつけられた2着に沈んでいることから、今回はストロングバローズの方が人気になりそうだが、いやいや、東京のダート1600mなら、ゴールドドリームの方が一枚上ではないかと考えたい。
園田の敗因は、脚が長く映る体型が示すように、大跳びのストライドが持ち味のゴールドドリームには、小回りのコースが合わなかったことと、勝ったケイティブレイブでさえ1870m「2分00秒2」も要した公営園田の深いダート向きではないからだろう。
今回の動きは上々。ストロングバローズも素晴らしく良かったが、東京に戻ったゴールドドリームから入りたい。ストロングバローズ、青竜Sを勝った
グレンツェントの評価は落とせないが、デキの良さが光る
ダノンフェイス、
クインズサターンが特注馬。