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58kgでもホワイトフーガが抜けている/スパーキングレディーC

  • 2016年07月05日(火) 18時00分


◆息の入る流れなら58kgも克服可能

 選定されていたアンズチャンが回避となって中央馬は3頭。距離不安はあるものの能力的に見劣りはなく、馬券的な妙味はアンズチャンだろうと思い、わりと重い印をつけようと思っていたのだが、日曜日に発表された枠順を見て、その名がないのでちょっと、いや、かなりがっかり。出走してきた中央3頭ともに川崎コースでの実績あり。対して地元南関東勢はB級でも苦戦というメンバーが多く、グレード実績があるのはブルーチッパーだけ。印をつけるのは中央3頭+ブルーチッパーの4頭で、馬券は直前までオッズを見て、どう絞るかということになるだろう。

 ホワイトフーガは初めて背負う58kgがどうか。ヴィータアレグリアとは2kg、ブルーチッパーとは3kg、3歳のタイニーダンサーとは4kg差。どの馬にもチャンスがありそうな、微妙な別定重量だ。ペースが速くなったり、瞬発力勝負だったりすると58kgは明らかに堪えるが、4コーナーのポケットからスタートして1コーナーまで十分に距離のある川崎のマイル戦はゆったりしたペースになることがほとんど。逃げるのはおそらくブルーチッパーで、競りかける馬もなく、息の入る流れなら58kgも克服可能と見る。さらに、以下で触れる他の有力馬のマイナス要因もあって中心視した。

 ヴィータアレグリアは4戦連続連対中と好調。とはいえ、エンプレス杯では勝ったアムールブリエ以外の中央馬はほとんど重賞の実績がないメンバーで、マリーンCではブチコの除外に加えて重賞実績のある馬がまったく力を発揮できずと、2戦ともにかなり相手関係や相手の自滅に恵まれた感がある。まだこの馬の評価は微妙なところで、2kg差でも本命を打つには疑問があり2番手評価まで。

 タイニーダンサーは中央入り後の2戦で結果が出なかったのは、一頓挫があって牧場に戻っての休み明けだったり、展開的なことだったりで評価の対象外。関東オークスでようやく実力を発揮した。とはいえ関東オークスが中央との交流になって以降、もっとも遅い勝ちタイムで、そもそも今年の3歳ダート路線全体のレベルがイマイチと見ている。過去に関東オークスからスーパーキングレディーCを連勝した馬には、2003年のレマーズガール、2009年のラヴェリータがいて、両馬ともその後にダートグレードをいくつも勝った。タイニーダンサーはそのレベルまで行けるかどうか。

 ブルーチッパーは、いずれ牝馬同士ならダートグレードを勝つ器と見ていたのだが、大井に移籍して地方重賞で2勝したのみ。マリーンCは千載一遇のチャンスと思ったが、ヴィータアレグリアに惜しくも競り負けた。そのときがヴィータアレグリアと同斤量で、今回は1kg差がついて有利になった。とはいえ前走川崎マイラーズのレースぶりからはあまり積極的な評価はできない。ただ、単騎で楽なペースの逃げに持ち込めれば上位に粘る可能性はある。

◎ホワイトフーガ
◯ヴィータアレグリア
▲タイニーダンサー
△ブルーチッパー

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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