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内〜中から先行できる馬を徹底的にマーク!/七夕賞

  • 2016年07月06日(水) 21時30分

■七夕賞(G3・福島芝2000m)フルゲート16頭/登録18頭


【コース総論】福島芝2000m Aコース使用

・コースの要所!

★人気サイドも相応に強いが、バリューゾーンは10〜12人気などの人気薄。
★内枠有利というよりも外枠不利。外枠を引いた馬は割り引く必要アリか。
★徹底的に先行有利。中団からの差しでも1着まで来るのはかなり難しい。






 ホームストレッチ側の引き込み線からスタートする、福島の芝2000m。芝1800mとはスタート位置が違うだけだが、傾向はけっこう異なっている。1番人気を筆頭に上位人気はそれなりに信頼度が高く、16頭立てにおける平均配当も、単勝1101円、馬連6010円、3連複2万6136円と、芝1800mに比べると低めの水準である。

 ただし、4〜6番人気あたりは信頼度イマイチで、ここを狙うくらいならば、7〜9番人気や10〜12番人気を狙ったほうが面白いはず。もっとも期待値が高いバリューゾーンは10〜12番人気で、買い材料のある馬であれば積極的に拾っていきたい。上位人気からこのゾーンに流す馬券などは、かなり効率がいいと思われる。

 枠番別成績では、外枠である馬番13〜16番の不振が目立つ。勝率、連対率、複勝率のいずれも低く、さらに回収率や枠番値も低空飛行という、外枠不利と断言できる内容。内枠と中枠ではそれほど成績差が見受けられないので、「外枠だけを嫌う」というスタンスが正解となるはずだ。たとえ人気馬でも、外枠は割り引いて考えたい。

 脚質別成績は、完全に先行勢有利だ。逃げ馬の複勝率42.9%、複勝回収率226%という成績は特筆に値するもので、4コーナーを5番手以内で回った馬と、6番手以下で回った馬との成績差は歴然。4コーナー11番手以下から勝った馬は、期間内に1頭もいない。上がり上位馬も2〜3着に取りこぼすケースが目立っており、末脚のキレよりも前々で粘れる持久力のほうが重要。早め先頭から押し切れるような馬を、馬券の中心に据えるべきだ。

【レース総論】七夕賞(G3) 福島過去10年(9回)

・レースの要所!

★7番人気以下[3-4-3-79]と人気薄の好走率が高いレース。超大穴も要警戒。
★東の重賞ながら関西馬が[8-5-6-49]と圧倒。外枠はやはり割引が必要か。
★逃げた馬の半数以上が馬券絡み。もう前に行けないと話にならないレベル。
★ハンデを「背負っている」組が強い。56.5キロ以上馬はそれだけで買い。









 平均配当は、単勝1494円、馬連8914円、3連複5万5840円と、波乱傾向はコースデータよりもかなり強め。3番人気以内馬は[4-3-7-13]で複勝率51.9%と健闘しているのだが、対照的に4〜6番人気の信頼度はかなり低い。当然ながら2〜3着に人気薄が食い込むケースが非常に多く、それが平均配当を押し上げている。13番人気以下が3回も馬券に絡んでいるという、超大穴に対する警戒も怠れない一戦である。

 目立っているのが、関東馬の不振だ。出走数は関西馬よりも多いにもかかわらず、勝ったのは2014年のマイネルラクリマだけで、トータル[1-4-4-66]と関西馬に大きく水をあけられている。回収率の面でも見るべきものはなく、完全に西高東低だ。そして枠番だが、こちらはコースデータよりもさらに外枠不利で、枠番値がプラス0.9と高い馬番1〜4番や、回収率の高い馬番5〜8番など、「真ん中よりも内」の馬が狙い目といえる。

 脚質面も、コースデータ以上に先行勢有利。馬券に絡んだ馬の過半数を、4コーナーを5番手以内で回った馬が占めている。いくら末脚がキレる馬でも、このコース&レースで直線一気を決めるのは至難の業。最後方から追い込んだ2010年のドモナラズのような例もあるにはあるが、前に行けないと話にならないといっても過言ではない。

 年齢別で目立っているのは高齢馬の不振で、6歳以下であれば問題なし。そして気になるハンデについては、56.5キロ以上を背負う「ハンデが重い組」のほうが、明らかに好成績である。ハンデ56キロ以下馬と比較すると、連対率はなんと3倍以上。1着軸や連軸に関しては、ハンデを背負っている組から選ぶようにすべきだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Aコース継続。先週は開幕週にしては差せる、フラットな馬場だった印象。

・天候予測
 土曜日に降雨がありそうだが日曜日には回復。良馬場前提で大丈夫そう。

・注目血統
 ◎ハーツクライ産駒、○ゼンノロブロイ産駒、▲メイショウサムソン産駒、△チーフベアハート産駒

 先週の福島芝は、土曜日は逃げ馬など前がよく残っていたが、日曜日になってかなり差せる馬場に。良馬場発表とはいえ降雨もあり、それなりに含水量の多い馬場だったはずなのだが、それが先行勢にプラスには働かなかった印象だ。あまり偏りのないフラットな馬場であり、おそらく今週もそれが継続すると思われる。

 血統面でもっとも目立つのが、ディープインパクト産駒の「取りこぼしの多さ」である。先週のラジオNIKKEI賞もゼーヴィントが快勝と、芝1800mでは鬼のように強いのだが、芝2000mでは[4-16-10-84]で勝率たった3.5%。優秀な成績ではあるのだが、持ち前の鋭い決め脚が発揮しきれていないのは明白だ。1着付けの馬券で狙うのは、けっこう危なっかしい面がある。

 プラスに評価したのは4種牡馬。チーフベアハート産駒の強さ=マイネルラクリマの強さでもあるのだが、実際に当コースは得意中の得意なのだから問題ない。侮れないのがメイショウサムソン産駒で、期間内1勝と勝ち星こそ少ないが、複勝率や複勝回収率の高さはトップクラスだ。

★出走登録馬・総論×各論

 夏の名物重賞である七夕賞。「福島芝のハンデ戦」というだけで波乱の気配が漂う上に、どの馬がどの程度の人気を集めるのかすらサッパリ読めない、きわめて難解なメンバーが登録してきた。アルバートドック、ダコールの2頭が人気を集めそうだが、netkeiba.comでの予想オッズは現在のところ、ヤマニンボワラクテが4.6倍で1番人気。もうこの時点で、順当に決まる気がしない。

 当データ分析のトップ評価は、アルバートドックだ。「前走から斤量増でハンデ57キロを背負う4歳の関西馬」であり、鞍上が乗り替わり予定であることや、前走が芝1800m戦であることなどもプラス。ディープインパクト産駒というのが懸念材料だが、買い材料の多さはこの馬が抜けている。信頼に値する人気馬とみて、高く評価したい。

 二番手評価はマーティンボロ。こちらは人気薄となりそうだが、斤量増でのハンデ57キロを背負う関西馬であることやディープインパクト産駒であることなど、アルバートドックと共通するポイントが多い。7歳馬であるのが割引材料も、今年の登録馬は全体的に高齢馬が多く、それほど大きな減点にはならないと思われる。

 三番手評価に、同じく人気薄となりそうなマジェスティハーツ。ハンデ56キロは強調できないが、それ以外のファクターについては、プラス評価がズラリと並んだ。鞍上が想定段階では未定のようだが、おそらく乗り替わりであり、人気薄の馬についてはこれもプラスに働く。暑い時期になって本調子を取り戻してきそうなのも、好材料といえる。

 四番手評価に、高齢もその先行力が侮れないメイショウナルト。五番手評価は、もっとも勢いのあるルミナスウォリアーだ。ここまでが「一応は」上位評価組で、以下はシャイニープリンス、ダコール、マイネルラクリマ、クリールカイザー、ヤマニンボワラクテという評価の序列である。

 なぜ「一応は」と付けたかといえば、先週のラジオNIKKEI賞よりも、枠番による影響が大きいレース&コースだから。混戦であればあるほど、外枠である馬番13〜16番を引いた馬は、大きく割り引きたい。現時点の上位評価組でも、枠番次第では無印まで評価を下げる可能性アリだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




福島11レース ラジオNIKKEI賞(G3)
1着 01ゼーヴィント
2着 06ダイワドレッサー
3着 15アーバンキッド

我ながら相変わらず詰めが甘い(#^ω^)
実際「ウマい馬券」の予想では、06ダイワドレッサーを▲に推して的中しているワケで。予想方法が違うから仕方がないとはいえ、こっちの馬券でも穴候補として拾っておけばよかったデスヨ。せめて、アップクォークが3着に来てくれていたらなあ(愚痴)。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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