スマートフォン版へ

七夕賞は「ヒモ荒れの派手な形が望める」レース!

  • 2016年07月08日(金) 18時00分


前走から斤量増になる馬は信頼度が高い

 七夕賞は、1,2番人気馬がそれなりに複勝圏内に入ってはいるのだが、全馬ベースの回収率は高い。つまり、ヒモ荒れの派手な形が望めるレースである。脚質的には位置のとれるタイプが好走してきたが、最近は福島に限らず馬場の傾向が変わりつつあるので、こだわりすぎないようにはしたい。

 また、七夕賞はハンデ戦なので斤量にファンも敏感になりがちだが、背負う立場で、かつ人気になる馬というのはけっこう強い。前走から斤量増になる馬は信頼度が高いので、今年でいうとアルバートドックは前走からの斤量増を承知で買う価値はある。この馬の場合、問題は斤量ではなく展開と捌き。テン乗りの戸崎騎手がどう乗るか楽しみだ。

 マーティンボロも斤量増組。一昨年の勢いはなくなってしまったが、近走も着差的にはそれなりのところへ来ている。脚質的に、アルバートドックとは組みやすい馬。アルバートドックから入るという人はヒモに一考してもよいだろう。

 先行タイプ有利という線でいくならヤマニンボワラクテ。天皇賞春では大タレしたが、それ以外は安定したレースを続けている。ここで馬券圏内に来るようならば、中距離GIIIの安定勢力として向こう1〜2年期待できそうだ。

 シャイニープリンスは斤量据え置きで、このタイプの好走は実は少ない。ただ前々走に同じコースでオープン特別を快勝している。当時と同じイメージで競馬をすれば、コース形態が味方してくれる可能性は十分にある。

 ルミナスウォリアーはオープン入り緒戦なのにある程度人気になりそうで、馬券的においしくはない。ただ、相手なりに走るタイプなのでヒモには意識しなくてはならない。また捲りも打てるタイプなので、中盤がスローに落ちると面白い存在になってくると思う。

 ダコールはこのレースで2回掲示板に載っており、同じコースのオープン特別で好走経験もある。ただ、年齢的にパフォーマンスが上がっていくことは考えづらく、買い目点数を減らすためにぎりぎり頑張って消しか……というのが個人的な見解だ。

 マジェスティハーツは久々に横山典騎手とのコンビ。ハマる時はハマるジョッキーなのだし、脚質的にはアルバートドックとセットになりやすいので、そちらのシナリオを選ぶ人にとっては気になる1頭となる。

 個人的に関心があるのは先行系の馬たち。マイネルラクリマは長期休養後にGIとGIIばかりを使われてきたので、近走の着順は仕方ない面がある。走るとしたら相性の良いこのレースだろう。もう1頭、同じ系列のウインリバティも面白い。前走から斤量減という馬は思い切った穴としてなら狙う価値があるし、この馬は確実に前へ行ってくれる。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング