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巴賞→函館記念の難しさ

  • 2016年07月12日(火) 12時00分


問題は買うべき馬をどのようにしてピックアップするか

 函館記念で毎年悩むのが、巴賞組の扱いである。同じ競馬場で距離も1ハロン違いなのに、両者は結びつくとは限らない。かといって、双方で好走する馬がいないわけでもない。このグループについてはどのように扱っていけばよいのだろうか。

 函館で行われた函館記念の過去10回(09年は札幌施行だったので、それを除き05年以降)を振り返ると、巴賞組の函館記念における成績は[4-5-2-40]。ちなみにこの期間は、すべて両レースが中1週で行われている(過去には中2週だった時代もあった)。

 これらの馬を前走着順別にすると、以下のようになる。

前走着順 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
前走1着
[1-1-0-7] 11.1% 22.2% 160 57

前走2着
[1-1-0-2] 25.0% 50.0% 82 80

前走3着
[0-0-0-6]0.0% 0.0% 0 0

前走4着
[1-0-0-3] 25.0% 25.0% 172 62

前走5着
[0-1-0-5] 0.0% 16.7% 0 100

前走6〜9着
[0-2-2-13] 0.0% 23.5% 0 117

前走10着〜
[1-0-0-4] 20.0% 20.0% 502 168

前走1〜5着組は複勝率20.7%で複勝回収率58%、6着以下組は複勝率22.7%で複勝回収率128%。ならば大敗組で一発穴を狙った方がよい。

 問題は、大敗組から買うべき馬をどのようにしてピックアップするかだ。分かりやすい基準は人気だろう。前走6着以下組のうち、前走時1〜5番人気だった馬は[0-2-2-6]、6番人気以下は[1-0-0-11]。後者で唯一馬券に絡んだ馬も6番人気馬だ。

 要するに、前走人気だったが大敗した馬が巻き返す、しかも人気落ちしているという形を狙うのがよさそうというわけである。複穴前提だし、打率を期待されると困るが……。

 ただ、今年は巴賞組が7頭も登録しているのに、きれいに該当する馬がいない。着順側をゆるめて4番人気3着のツクバアズマオーか、人気側を緩めて7番人気6着のケイティープライドか。条件を完全に満たすわけではないので軸にとは言えないが、ヒモ穴としてはこのあたりが候補となる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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