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アルゼンチンの名牝から誕生したサトノシャーク

  • 2016年07月13日(水) 12時00分
サトノシャーク(牡 栗東・池江泰寿 父ディープインパクト、母オジャグワ)
 母オジャグワはアルゼンチンで通算22戦12勝。エストレジャス大賞ディスタフ(亜G1)2連覇、ヒルベルトレレナ大賞(亜G1)など5つのG1を含めて重賞を10勝した名牝。母の父Pure Prizeは名種牡馬Storm Catと米3歳牝馬チャンピオンのHeavenly Prizeとの間に誕生した良血馬で、アメリカとアルゼンチンの双方で何頭かのG1馬を送り出している。アルゼンチン産の繁殖牝馬とディープインパクトとの交配から誕生した馬といえばサトノダイヤモンド(16年きさらぎ賞-GIII)の名が浮かぶ。同馬を破って日本ダービーを制覇したマカヒキも、2代母がアルゼンチンから輸入した牝馬だった。母の父の父Storm Catは父ディープインパクトと相性が抜群で、母の父Pure Prizeはマジックストーム(ラキシスとサトノアラジンの姉弟の母)と同じく、「Storm Cat×Mr.Prospector系×Nijinsky」でStorm Bird≒Nijinsky 2×3という配合構成。芝中距離で期待できる。

ザウォルドルフ(牡 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母ウィーミスフランキー)
 母ウィーミスフランキーは北米で5戦3勝。デルマーデビュータントS(米G1・AW7f)、オークリーフS(米G1・ダ8.5f)を制し、2歳牝馬ナンバーワン決定戦のブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5f)では3着と健闘した。ダートとオールウェザーの双方でG1を制した能力の高さは魅力的。ノーザンファームで繁殖入りし、本馬が初仔となる。母の父はSunriverハリウッドターフC(米G1・芝12f)、ピーターパンS(米G2・ダ9f)、ボウリンググリーンH(米G2・芝11f)などを制した。芝・ダートを問わず高い能力を発揮し、12fまでカバーするスタミナもセールスポイントだった。母の父の父Saint Balladoは2005年北米リーディングサイアーで、Glorious Song(加年度代表馬、米最優秀古馬牝馬)、Devil's Bag(米最優秀2歳牡馬セン馬、タイキシャトルの父)、Angelic Song(優秀な繁殖牝馬)などと全きょうだいの関係にある。父ディープインパクトはこれらの血と相性がいいのでおもしろい。芝・ダート兼用の中距離タイプ。

ニシノレディー(牝 美浦・高木登 父リーチザクラウン、母ヴィクトワール)
 新種牡馬リーチザクラウンはスペシャルウィークの代表産駒の1頭で、現役時代に重度の引っ掛かり癖がありながらマイラーズ(GII)ときさらぎ賞(GIII)を制し、日本ダービー(GI)でも2着と健闘した素質馬。これまでJRAで6頭の産駒がデビューし、ニシノアップルパイ、ニシノオウカン、エスケークラウンの3頭が勝ち上がっている。[3-1-1-2]という成績は素晴らしい。産駒数が少ないのでいずれルーラーシップあたりに抜かれるかもしれないが、さほどレベルが高いとはいえない繁殖牝馬にもかかわらず、現時点で新種牡馬の勝利数ランキング、賞金ランキングでトップに立っている。来年の種付け頭数は大幅に増加しそうだ。本馬の母の父は日本ダービー馬アドマイヤベガで、サンデーサイレンス3×3。こうした配合が走れば種牡馬としての可能性はさらに広がる。

グレートコマンダー(牝 栗東・角田晃一 父パイロ、母メイショウハイパス)
 ダート短距離でOPクラスまで出世しているメイショウオセアン(父アグネスデジタル)の半妹。父パイロはシニスターミニスターと並んで日本におけるエーピーインディ系を牽引する種牡馬で、ビービーバーレル(16年フェアリーS-GIII)、シゲルカガ(15年北海道スプリントC-JpnIII)という重賞勝ち馬を出している。仕上がりが早く2歳戦を得意とし、シニスターミニスターと違って馬によっては芝もこなす。「パイロ×ダンスインザダーク」という組み合わせからはメイショウスイヅキ(15年もみじS-OP)が出ており、ダンスインザダークと同じくNative Partnerを母方に持つ馬には前出のビービーバーレルも含まれて、配合的に期待できる。芝・ダート兼用のマイラー。

レッドアンシェル(牡 栗東・庄野康志 父マンハッタンカフェ、母スタイルリスティック)
 全兄レッドラウディーは500kgを優に超える馬格と激しい気性をもてあます形で、新馬戦2着、続く未勝利戦2着と素質を示したものの、地方競馬に去ることとなった。父マンハッタンカフェとStorm Catはニックスの関係にあり、ショウナンマイティ、トレンドハンター、マッハヴェロシティ、アンシェルブルー、エーシンミズーリなど多くの活躍馬が出ている。母スタイルリスティックは、Nathaniel(11年キングジョージ6世&クイーンエリザベスS-英G1)、Great Heavens(12年愛オークス-G1)、Playful Act(04年フィリーズマイル-英G1)などの半姉にあたる超良血。本馬とトレンドハンター(11年フラワーC-GIII、11年桜花賞-GI・3着)は、父が同じで母方にStorm Cat、Roberto、Icecapadeが共通するので、きわめてよく似た配合構成となっている。底力あふれる血で構成されたスケールの大きな好配合馬。芝の中距離で大成を期待したい。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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