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大盛況だったセレクトセール その一方で盛者必衰の寂しさも痛感/トレセン発秘話

  • 2016年07月15日(金) 18時00分


◆名物オーナーだった関口房朗氏

 2日間の落札総額が史上最高だった昨年を約17億円も上回る149億4210万円を記録した今年のセレクトセール。その活況ぶりについて「新規参入の馬主さんが多かった。海外で日本馬が活躍しているのも大きいんでしょうね。ロードカナロアとか、ジャスタウェイの産駒も高い値段で取引されていましたから」と分析したのは吉村調教師。松田調教師も「以前は森厩舎とか特定の厩舎だけが海外で活躍していましたが、今はいろんな厩舎が様々な国でいい競馬をしていますからね。それがセールのいい宣伝になっているんでしょう」と同様な見解を口にした。

 ただし、億を超えるような超高額馬を落札したのは一部の馬主だけで「買いたい馬がいたけど、高過ぎて手が出なかった」とこぼす関係者も多い。松田調教師もそれほどいい成果は得られなかったようで、「関口さんでもいればウチも、もう少し羽振りよくいけたんですけどね」。

 関口房朗氏といえば、2004年にはザサンデーフサイチを4億9000万円という当時の国内セリ史上最高額で購入するなど、初期のセレクトセールで絶大な存在感を発揮した名物オーナー。冠号フサイチの馬がいなくなってしばらくたつが、いまだに名前が挙がるのだから影響力の大きな人だった。

「いいオーナーでしたよ。何でも喜んでくれる人で、祇園で飲んだ後にフラッと厩舎にやって来て、こっちが出すものを“おいしい、おいしい”って。祇園でもっといいものを食べていただろうにね(笑い)。今は何をしているんでしょうか」(松田調教師)

 セレクトセールの変遷とともに新たに参入してくる馬主と去っていく馬主…盛者必衰の寂しさを感じる坂路野郎であった。(栗東の坂路野郎・高岡功)

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