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函館2歳Sにおける前走評価

  • 2016年07月19日(火) 12時00分


“買うべき条件”“買うべきでない条件”

 ラベンダー賞からというルートがなくなったいま、函館2歳Sは2頭のカク地馬を除けば、新馬・未勝利勝ちの馬をどう扱うかというレースになっている。そして、この新馬・未勝利組には買うべき・買うべきでないという明確な線引きがある。

 まず、新馬組と未勝利組には大きな差があり、当然のことながら前者が優位だ。札幌施行時を除く過去10回(2005年以降)という基準で見ると、新馬組[8-3-9-61]に対し未勝利組は[0-4-0-25]となっている。

 新馬組のうち、芝1000m組と芝1200m組では圧倒的に後者が優位だ。1000m組[1-0-1-8]に対し1200m[7-3-7-37]。まあ、最近は1000m組が人気になることもないので、ここはある程度織り込まれているとも言える。

 芝1200m組を仕分けるには2つの基準がある。前走の4角位置と着差だ。前走で4角既に先頭に立っていた馬と2番手以下だった馬とでは、函館2歳Sにおける勝率・複勝率には大きな差はない。ただ回収率は前者が単81%・複49%に対し、後者は単84%・複99%。いちばん良いのは前走4角3〜4番手で、[2-0-3-7]。7、10番人気で馬券に絡んだ馬がいるので回収率も高い。いずれにしても、差す競馬ができるとだいぶ有利だ。

 着差にも注目したい。芝1200mの新馬を勝ってきた馬のうち、着差0.2秒以下と0.3秒以上には明確な差がある。後者は[5-2-4-9]と半分以上が馬券に絡んでおり、回収率も単126%・複107%と高い。また、未勝利組で馬券に絡んだ4頭も前走着差はすべて0.3秒以上だった。

 登録馬のうち、「前走新馬」「前走芝1200m」「前走4角3番手以下」「前走着差0.3秒以上」をすべて満たすのはバリンジャーのみ。ただし同馬は福島からの転戦という特殊な立場にある。着差を妥協すればモンドキャンノ、通過順を妥協すればメローブリーズが浮上。このあたりがシルシ上位候補となるだろう。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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