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無理やりにでも人気薄から狙うべし!/中京記念

  • 2016年07月20日(水) 18時00分

■中京記念(G3・中京芝1600m)フルゲート16頭/登録18頭


【コース総論】中京芝1600m Bコース使用

・コースの要所!

★人気面での偏りは見当たらず。あえて言うなら人気サイドが強い。
★外枠のほうが信頼度&回収率ともに優秀。枠番値の高さも目立つ。
★差し優勢で後方からでも届くコース。つまり「外差し」が決まる。






 1〜2コーナーにある斜めの引き込み線からスタートするという、やや特殊なコース形態である中京芝1600m。しかし、人気による成績の偏りはほとんど見当たらず、人気サイドから人気薄までまんべんなく好走している印象だ。16頭立てにおける平均配当も、単勝1069円、馬連6773円、3連複2万3899円と、おおむね標準的。買い材料のある馬であれば、人気を問わず好走できるコースといえそうだ。

 それとは対照的に、大きな偏りが見受けられるのが枠番である。単純な内外の比較においても、馬番1〜8番の複勝率が16.3%であるのに対して、馬番9〜16番は同21.4%と、明らかに外枠のほうが優秀。回収率や枠番値の差はそれ以上で、ハッキリと外枠優勢である。しかも、夏の中京開催も最終週で馬場も荒れてきているとなれば、この傾向が強まることはあっても、弱まることはないと思われる。

 そして脚質面においても、4コーナーを1〜5番手で回った馬よりも、6〜10番手で回った馬のほうが複勝率が高いという逆転現象が起きている。最後の直線が長い瞬発力型のコースであるのは事実だが、連対率、複勝率、複勝回収率のいずれも差し脚質がトップなのだから、かなり差し優勢である。さすがに4コーナー11番手以下となると信頼度は落ちるが、能力や展開次第では、直線一気も十分に期待できそうだ。

【レース総論】中京記念(G3) 過去4年

・レースの要所!

★人気馬が「徹頭徹尾」弱いという特殊な重賞。4〜6番人気を重視すべき。
★馬番13〜16番がもっとも好成績で回収率も抜群。やはり外枠重視が正解。
★コースデータよりもさらに差し優勢。最速上がり馬は4戦3勝と絶好調だ。
★ハンデを背負う組のほうが好成績。前走人気の両極端さにも注目したい。









 現在の開催条件となってから今年で5年目となる中京記念。データ母数が不足している面は否めないが、それでもおおまかな傾向は見てとれる。まずはなんといっても、人気サイドの強烈なまでの弱さ。1番人気が全滅、3番人気以内も[0-0-2-10]で連対例ナシと、波乱度の高さはJRA重賞のなかでも屈指の存在である。

 ちなみにこの波乱傾向の強さは、芝2000m戦だった頃から継続しているもの。あくまで参考データでしかないが、「中京競馬場での中京記念」における過去10年の3番人気以内馬も、[0-1-3-23]で複勝率14.8%、複勝回収率29%と負けまくっている。それとは対照的に絶好調なのが4〜6番人気で、過去4年[3-1-1-7]、中京過去9回[7-2-2-16]という素晴らしい成績。最優先で狙うべきは、間違いなくこのゾーンだ。

 次に枠番だが、こちらはコースデータ以上に外枠優勢。平均人気が7.7と抜けて高いのも好成績の要因だが、成績に内外でここまで差が出るというのは、コースの特性や馬場の影響があるとしか考えられない。また、差し優勢であるのもコースデータとまったく同じ。最速上がりをマークした馬が[3-0-0-1]と好成績であるのも、その裏付けだ。中団から鋭い脚で、外からグイグイと差してこれる馬。コレが勝ち馬のイメージである。

 年齢別では、7歳以上の高齢馬が[0-1-0-12]と不振。3〜4歳馬もイマイチだが、こちらはデータ母数が少なすぎて何ともいえない。ハンデに関しては「背負っている組」のほうが間違いなく強く、勝ち馬はすべてハンデ57キロ以上馬。今年の登録馬でこの条件を唯一クリアするのが、57.5キロを背負うスマートオリオンである。近走は不振だが、昨年の勝ち馬でもあり、一気の巻き返しがあっても不思議ではない。

 あとは、前走人気というファクターにも注目したいところ。というのも、好走&激走している馬の前走人気が、いささか両極端だからである。「前走1番人気」もしくは「前走10番以下」の馬が好走しており、前走で2〜5番人気に推されていたような馬は全滅に近い惨状。「前走10番人気以下かつ今回ソコソコ人気」というのが、ここでもっとも好走が期待できるパターンなのだ。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 Bコース継続。けっこう荒れてきた印象で外差し優勢。パワーも要求される。

・天候予測
 週末にかけて天候が崩れそうだが、降雨はあっても少量。良馬場前提で。

・注目血統
 チチカステナンゴ産駒◎、キングカメハメハ産駒○、ダイワメジャー産駒▲、ディープインパクト産駒△

 さすがに最終週とあって、けっこう荒れてきた印象の中京芝コース。それなりに時計は速いのだが、外差しの決まる頻度や、馬格のある骨太なタイプの好走率の高さなど、差し優勢の馬場へのシフトを裏付ける結果が増えてきている。天候が大きく崩れるケースはなさそうで、良馬場前提で大丈夫とは思うが、ある程度のパワーを備えていないと好走は難しいといえそうだ。

 血統面で目立っているのが、チチカステナンゴ産駒の強さである。[5-3-2-13]で複勝率43.5%、複勝回収率270%という好成績が18頭の馬で出されており、特定の馬の活躍によって出されたワケではないというのがポイント。コース適性の高さは間違いなく、ピークトラムはこれだけで「買い」といっても過言ではない。あとはキングカメハメハ産駒も、文句なしの好成績である。

★出走登録馬・総論×各論

 先週の函館記念以上に「サッパリわからん」とボヤきたくなる、今週の中京記念。レースデータの蓄積が4年分しかないというのも理由のひとつだが、それ以上に困り果てたのが、過去の好走パターンに合致する馬の少なさである。「前走10番人気以下かつ今回ソコソコ人気」という条件をクリアする馬の有無や、今回どの馬が4〜6番人気に推されるのかなど、読めない部分があまりに大きすぎる。

 ……と嘆いていても仕方がないので、各論へと入ろう。枠番によって評価が大きく入れ替わるとは思うが、現時点でもっとも面白いと感じているのが、牝馬のタガノエトワールである。数少ない「前走2ケタ人気馬」であり、父キングカメハメハという血統面や適度な人気のなさなど、プロフィルの面でも強調材料を有している。ムラだが、過去には秋華賞で好走した実績もあり、能力の面でもけっして侮れない存在といえる。

 人気サイドでは、ダッシングブレイズトウショウドラフタの2頭を上位に評価した。上位人気に推されそうというだけで危なっかしい面はあるが、現在の中京芝にマッチした適性を備えており、差し脚の鋭さも十分。人気馬をいっさい買わないという極端な手もアリなレースだが、ある程度の的中率の高さも狙うなら、この2頭は押さえておいたほうがいいと思われる。

 今回の上位評価組はここまでの3頭で、以下はピークトラム、スマートオリオン、ダノンリバティという評価の序列。ここから先はもう完全にダンゴ状態で、当日の人気や枠番が判明してから考えたほうが絶対にいい。あとは、土曜日の競馬でどのような馬場バイアスが見られるかも、かなり重要な要素となるはずだ。

 とんでもない混戦模様であるのは間違いなく、例年以上の波乱決着となってもおかしくないレース。あとはオッズ次第だが、現段階ではトップ評価であるタガノエトワールから「総流し級に手広く流す馬券」を推奨しておきたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





函館11レース 函館記念(G3)
1着 06マイネルミラノ
2着 08ケイティープライド
3着 10ツクバアズマオー

馬券下手すぎんだろ俺(#^ω^)
つーか、マイネルミラノの単勝が7.4倍もついてるんだから、単勝に全部! でまったく問題なかったんだよなあ(憤怒)。「ウマい馬券」も、◎マイネルミラノでケイティープライドにも印を回していながら、3連複勝負→ヌケという不甲斐ない結果。馬券下手につける薬、どっかに売ってないっすかね……?

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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