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人気確実のダッシングブレイズは「微妙!?」中京記念の追い切り詳報!

  • 2016年07月20日(水) 18時00分


「持続ラップ」のダノンリバティは好評価

 今週は通常の調教内容を評価するコラムとは別に「特別版」として、私の競馬に対する思いというか、考えを別ページに書かせていただきました。もし興味を持っていただけるようでしたら、ご一読いただき、それに対するご意見などを頂戴できればと思います。

 さて、通常版では週末の重賞、中京記念を取り上げます。芝1600mで行われるようになってから、フラガラッハが連覇、ミッキードリームが2年連続2着ということで、いわゆるリピーターが好走するレース。そういった意味では、中間に障害練習も行っているダローネガは馬券的に面白い存在だと思いますが、netkeiba.comの単勝オッズでは下位だったので、取り上げませんでした。でも状態は良さそうですよ。

【中京記念/ダノンリバティ】

 前走に関しては外枠が敗因であることは間違いないと思いますが、それ以上に六甲Sより後ろの位置からレースしたことが惨敗の要因でしょう。また、追い切り内容に関しても、3F目から4F目に減速するよりも、六甲Sの最終追いのように加速するか、持続するラップがベスト。そういった意味で、最終追い切りに関しては全体時計よりもラスト2Fのラップの踏み方に注目していました。

 結果的には12.1秒、12.1秒の持続ラップ。2F24.2秒は六甲S2F23.9秒の自己ベストに次ぐ時計。これだけ終いのしっかりした動きができれば十分。前走後ろから競馬したことで、今回も同じような競馬になるでしょう。しかし今回はそれがプラスに作用するはずなので、重賞初制覇があって全く不思議ありません。

ダノンリバティ(7月19日撮影)

これだけ終いのしっかりした動きができれば十分なダノンリバティ(7月19日撮影)



【中京記念/ダッシングブレイズ】

 ここ3走は関東圏への輸送があってことで、最終追い切り場所が坂路でしたが、今回は4走前以来のCW追い切り。当時が勝っていることを思えば、この追い切り場所の変化はプラス材料と判断すべき。ただ、1週前追い切りがCWでボクノナオミに遅れていて、これは気になっていました。

 そして、今回の最終追い切りは単走。これは坂路で最終追いだった近3走と同じ。時計自体は気になるところはないものの、4走前のCW追いでは併せ馬だったので、この違いをどう評価するか。ここまで坂路とCWを併用して、順調に本数を消化しているだけに決して低い評価はできませんが、好走時のパターンとの比較という意味では高い評価もできません。

ダッシングブレイズ(7月19日撮影)

好走時のパターンとの比較という意味では高い評価はできないダッシングブレイズ(7月19日撮影)



【中京記念/ピークトラム】

 新潟2歳Sではハープスターの3着、ひいらぎ賞ではミッキーアイルの2着など、負けた相手は次々とG1ホースになっていて、この馬の重賞挑戦がNHKマイルC以来というのが、不思議なくらい。慎介厩舎へ転厩してからは1着、4着、1着と非常に安定した成績ですから、ここで人気するのも納得です。

 ただ、最終追い切りを見た時に困りました。というのも、あまりにも時計が遅すぎて。6F92.1秒、5F75.1秒。これ、ひょっとして間違ってる? と思ったくらい。でもこの数字であっていて、正味最後の直線で1Fだけの追い切り。ここ3走の追い切りはすべてCWなので、その点は評価したいのですが、時計がここまで遅いのは初めて。いくら夏場とはいえ、2ヶ月のレース間隔があって、この数字は冷静な評価をすべきかなと思います。

ピークトラム(7月20日撮影)

最終追い切りを見た時にあまりにも時計が遅すぎて困ってしまったピークトラム(7月20日撮影)



【中京記念/ガリバルディ】

 条件戦を3連勝した後は、オープン特別で5着が3戦続きました。素質の高い馬だと思っているだけに、ここでの足踏みは不思議でなりません。近3走とも微妙に最終追い切りのパターンが変わっており、何が好走時と違っているから負けているということも断言しにくいところもあります。

 今回もこれまでとは違うパターンで、1週前追い切りをCWで5Fから時計を出し、最終追い切りは坂路。どちらも単走ですが、動きに関してはこの馬らしい機敏な走りだったという感じ。ちなみに逢坂山特別以来の騎乗となる福永祐一騎手が跨っての追い切りだっただけに、その感触を聞くことができればよかったのですが、それができなかった点はご了承ください。

【中京記念/ケントオー】

 今年に入ってオープンに上がり、重賞などの経験も積みながら、前走米子Sでオープン勝ち。重馬場のマイルを勝っているという点では中京記念へのイメージが膨らみますが、良馬場で行われる中京記念は決して遅い時計ではなく、その点が前走との時計差になりそう。また、中京競馬場は2度出走していて、別距離とはいえ、掲示板を外していることも気になります。

 ただ、調教パターンで判断すると、1週前追い切りで速い時計を出し、最終追い切りも似たような時計でしっかりやってくるというのが、中4週以上のレース間隔があった時の好走パターン。最終追い切りでラスト1Fが最速ラップを踏むことができませんでしたが、これは前走時も同じ。やっぱり、前走勝った勢いを素直に評価すべきでしょう。

◆次走要注意

・7/17 ジュライS【モルトベーネ】(1人/9着)

 スタートから変な格好をして、4コーナーも外から被せられて終了。担当者に聞くと「前走と違って、レース前から発汗がひどかった。大人になってなかったね」ということでしたが、少なからずこれも敗因のひとつでしょう。
 当日輸送よりも前日輸送の方が結果が出るタイプであることは間違いないので、今後ひと息入れた後の前日輸送競馬で狙いたいところ。

[メモ登録用コメント] [ダート中距離]前日輸送競馬なら勝ち負け

・7/17 バーデンバーデンC【オウノミチ】(4人/1着)

 外から被せられても、ポケットに収まって脚をためることができた競馬は次走以降につながる内容。福島競馬場の舞台適性があったことは間違いありませんが、それと同時に前日輸送で競馬ができるのもよいと思います。
 追い切りパターンは1週前が速い時計、最終追いは遅い時計。これが守られているようであれば重賞でも通用します。

[メモ登録用コメント] [北九州記念]1週前追い切りが坂路4F52秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・障害オープン【エイシンフランキー】
 先週の追い切りから、非常に力が抜けて走れるようになり、その分、追い切り時計自体は遅くなりました。最終追い切りも同様なのですが、先週よりもフットワークが大きくなり、その走りを見ていると、好走するイメージしか沸いてきません。

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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