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戸崎の津軽海峡越え、ルメールの騎乗、福永への帰還、ぜんぶ信用していいか?

  • 2016年07月21日(木) 12時00分


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函館2歳Sを遠くから眺めてみる。
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■過去10年で、1人気か2人気が揃って馬券圏外に散ったのは10年前のみ。つまり9年連続で1人気か2人気が馬券圏内に走っている。

→どっちかを軸にすれば儲かるかはともかく的中には限りなく近づけることがわかる。

※ただし、できることなら1人気=2人気の組み合わせの馬券はさけたい……

■過去10年で1人気と2人気がいっしょに馬券圏内に走ったのは3回。

→この3回をどう取るかは人それぞれだろう。3回もあると思うなら、1人気=2人気の馬券をナイガシロにできないし、3回しかないと思うなら、1人気=2人気の馬券をナイガシロにしていい。自分は3回しかないなら、「来ないほうに賭けちゃおう」って自然に、天然に、いや無理やり思うタイプだ。しかし、できれば確信的にそう思ってみたい。

※だから過去10年を今一度よ〜く眺めてみた。すると、直近の4年は7月に開催されていて、その向こうは8月に開催されていたことがわかった。

■1人気と2人気がいっしょに馬券になっていたのは、8月に開催されていた「その向こう」の出来事であることがわかった。7月に開催されているこの4年では、1人気=2人気は馬券圏内で並び立っていない。

→「その向こう」では1人気か2人気のどちらかが前走「新馬戦」で、どちらかが前走「ラベンダー賞」だった。つまり、素材で人気になった馬と(少ないながらも)実績で人気になった馬がいたわけだ。素材で人気になった馬と実績で人気になった馬の激突が「その向こう」だったともいえ、どちらも「ほんまもんの人気」だったときはいっしょに馬券になっていたともいえるわけだ。

→「直近4年」は7月開催になったので、中央馬のほとんどの馬(地方馬を除く)が前走・新馬か前走・未勝利になってしまった。極端にいえば、素材の争いだけになったともいえる。実際、馬券になった12頭の前走は10頭が前走・新馬で、2頭が前走・未勝利だ。

→素材の争いだと、人気が見誤られる場合もある。だから1、2人気が馬券圏内で並び立ってないのではないか。

※直近4年の1人気・2人気の成績は以下のとおり。
12年
1人気 5着 前走・新馬
2人気 3着 前走・新馬
13年
1人気 1着 前走・新馬
2人気 4着 前走・新馬
14年
1人気 5着 前走・新馬
2人気 3着 前走・新馬
15年
1人気 1着 前走・新馬
2人気 7着 前走・未勝利

→素材の見極めが大事なことがわかるし、1人気、2人気、どちらかは見極めができてないこともわかる。両方見極めるのはたいへんってことなんだろう。

→今年も1、2人気両方の見極めはできない!とは言い切れないけれど、今年も中央馬の前走は新馬か未勝利なのだから、人気の錯覚が生じる可能性はある!とは考えられる。

■かくて、今年も1人気=2人気は馬券圏内で両立しない。

→確信的にとは言えなくても、無理やりではないと言い訳はできる。

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戸崎はここを勝つために前走も海峡を越えたと捉えて構わないか?
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今年の函館2歳の1、2人気馬は、

予想1人気 モンドキャンノ 戸崎 前走・戸崎
予想2人気 バリンジャー 浜中 前走・戸崎

1人気モンドキャンノは確定的だろう。狂うなら2人気か?
でも、一応ここではモンドキャンノ、バリンジャーで進めてみる。

モンドキャンノもバリンジャーも前走・戸崎だった。
その戸崎がモンドキャンノに騎乗する。
これだけで答えは出てるかもしれない。

モンドキャンノの馬主はユアストーリー、バリンジャーは金子HD。ユアストーリーは重賞を4勝し、阪神JFや桜花賞でも活躍したアイムユアーズの馬主で、ノーザンF生産の馬を多く持っている、所有馬そのものは少ないけれど、馬センスのありそうな馬主だ。けれど、馬主力ではどうみても金子HDの方が圧倒的に上だ。にも関わらずモンドキャンノに騎乗するのだから、「先約」の可能性があったとしても、モンドキャンノに力もあるのでは?とふつうに、ごく普通に読める。

しかも、戸崎は前走モンドキャンノに騎乗するために津軽海峡を越えた。
表向きは、函館SSのオデュッセウスに騎乗するための津軽海峡越えかもしれないけれど、モンドキャンノもオデュッセウスもユアストーリーの馬で、モンドキャンノは1着(1人気)し、オデュッセウスは7着(5人気)だったのだから、モンドキャンノにオデュッセウスがついてきたと考えられなくもない。

事実、函館2歳でモンドキャンノに戸崎は騎乗する。最初から函館2歳とセットで頼まれていたのかもしれないし、そうだとしたら函館2歳まで勝てると踏んでの騎乗ともいえる。

ところで、モンドキャンノとバリンジャーの人気は接戦ではなさそう。モンドキャンノはちゃんとした1人気になりそう。っていうか、今回は2人気が接戦の可能性もある。もしそうなら、押し出された2人気で、2人気の馬こそ危ないともいえる。だから2人気と3人気、4人気が接戦か、そこにも注意を払いたい。

予想では2人気と3人気(ドゥモワゼル)にも開きがある。押し出され感はない。でもまだわからない。とりあえず人気には注意を払いたい。仮にバリンジャーが2人気にならなかったら、ならなかったで構わない。2、3人気が接戦ならば、どの馬が2人気になろうが危ないからだ。

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函館2歳S注目馬
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2人気と差のある1人気という前提で、モンドキャンノ

としたものの、相手はけっこう絞りにくい。
レヴァンテライオンの父パイオニアオブザナイルは、アメリカ3冠馬のアメリカンファラオの父として有名だ。そのような父の馬が函館2歳Sに出てるなんて、ツタンカーメンの謎みたいでミステリアスでロマンチックだ。日本の3冠馬ディープインパクトの子どもが函館2歳Sにいるみたいだ。ん?なんか否定的な感じで書いたように思われるかもしれないけど、そういうつもりはない。なんせ去年の1着ブランボヌールがまさに父ディープインパクトだった。なんの問題もない。ただよくわからないのも事実だ。ただでさえ、人気の錯覚が起こりやすいレースでもある。

こういうときは、8、9、10人気くらいに目を向けるにかぎる。ここ3年、そこらへんの馬がずっと走ってるからだ。

ガーシュウィン 前走1000Mだから人気がないだけかもしれない。
フクノクオリア デビュー戦がモンドキャンノの3着だった。2着馬も勝ち上がっており(ドゥモワゼル)、このレースはレベルが高かったかもしれない。
メローブリーズ 前走重馬場で時計が遅いから人気がないだけかもしれない。良馬場でのポテンシャルはもっと高いかもしれない。
ネコワールド 父ノボジャック。それだけでダートに思えてしまう。でも母父サクラバクシンオーなら、まだわからない。

このあたりの馬が8〜10人気にいるようなら拾ってみたい。

本当は、モンドキャンノこそナイガシロにすべきなんだろうけど、現状ではナイガシロにしにくい。接戦で1人気だったら、ナイガシロにするか考えてみたい。

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中京記念を遠くから眺めてみる
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■中京記念がこの時期、この条件になって4年、1人気も2人気も3人気も連対してない。馬券になったのは3人気の3着2回のみ。

→今年ももちろん積極的にナイガシロでありたいけれど、過去4年1人気は常に単勝4倍以上だった。まだ単勝4倍未満の支持を受けたことがない。そこは気になる。

12年 1人気7着 単5.3 北村友
13年 1人気10着 単4.1 浜中
14年 1人気10着 単5.3 高倉
15年 1人気7着 単4.8 秋山

■今年の1人気は予想ではダッシングブレイズで、予想では単3.2倍を示している。

→鞍上ルメールを加味すると今年の1人気はナイガシロにできない可能性もある。

ダッシングブレイズは、東京新聞杯で1人気に支持され、内ラチに激突し、落馬した。

東京新聞杯 1人気 中止 浜中 最内
ダービー卿 3人気 6着 戸崎 大外 
京王杯   4人気 4着 浜中 外

東京新聞杯で、最内を突いて、激突したのだから、次走で外を回るのはわかる。
京王杯は浜中が落馬から復帰した日で、騎乗もダッシングブレイズ1頭だけだった。リハビリ騎乗だったとも言える。

で、今回のルメール。どうみても勝負に思えてしまう。

ダッシングブレイズの馬主グリーンフィールズは、外国人勝負が好きそうな馬主だ。
ダッシングブレイズでは、新馬・ブドー1着、シンザン記念・Cデムーロ4着の2回しか外国人騎手に依頼してないけれど、タールタンではいっぱい乗せている。

タールタン
ウィリアムズ 2着
Fベリー   1着
ウィリアムズ 1着
Fベリー   2着
ルメール   2着

外国人騎乗時は2-3-0-0だ。
ルメールの2着は今年の根岸Sでのもの。6人気だったから、してやったりの2着だったのではないか。

1人気が過去4年とはいえ、1頭も馬券圏内に走れてないということは、1人気が1人気のレースをしにくいレースなのかもしれない。だとしても、過去4年で4倍未満の支持を受けたこともないわけで、まだわからない。おまけに外国人騎手が1人気に支持されたこともない。

というわけで、ルメールのダッシングブレイズが単4倍未満の支持を受けて、1人気になるなら、ナイガシロにしにくいと思っている。

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中京記念・注目馬
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ダッシングブレイズ 単4倍未満で1人気になったら、警戒。

ガリバルディ

この馬は外国人騎手になって、3連勝し、そのまま外国人騎手で3連続5着している馬。

その馬に久しぶりに福永が騎乗する。なんだか気になる。理由は騎手云々ではなく、5着が多いからだ。

5着の多い馬は1着も多いのではないか?とついつい思ってしまう。スイープトウショウが1着と5着の多いイチゴちゃんホースだった。その習性を利用して、何度か馬券を取らせてもらったから、1着と5着が並ぶ馬を見ると、過剰に反応してしまうのだ。

ガリバルディは3連続5着の前が3連勝。そろそろ1着と思いたくなってしまう。

ちなみにガリバルディは過去15戦で5-3-3-4。
福永  2-3-3-0
外国人 3-0-0-3(5着3回)
浜中  0-0-0-1(12着)

外国人
Cデムーロ 1着
Mデムーロ 1着
ルメール  1着
シュタルケ 5着
デュプレシス5着
デュプレシス5着

福永が競馬を教え、デムーロ兄弟やルメールが弾かせ、オープンに昇格させ、シュタルケ、デュプレシスでオープンに慣れさせた。そして、福永の元へ帰還。1着のタイミングとしては悪くない。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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