◆身体能力が一枚抜けていて、体力の完成も早かった 2、3歳限定の芝1200m重賞は、函館2歳Sと小倉2歳Sのみ。2、3歳限定重賞の中距離重賞が乱立しているのに比べ、1200m重賞はあまりにも薄すぎます。
そんな隙間重賞ともいえる芝1200m重賞だからこそ、血統傾向は明確に出ます(メジャーすぎる重賞は傾向がメジャーすぎるので)。
芝1200mの2、3歳限定の500万条件以上のクラスは、ストームキャットをはじめとするストームバード系、フレンチデピュティのヴァイスリージェント系。そしてスペシャリストのサクラバクシンオーの血が圧倒的に強い条件。
昨年の函館2歳Sは、差し馬場も手伝い、とうとうディープ産駒が優勝しました。が、母父はサクラバクシンオー。しっかりとスペシャリストの血を持っていました。
そして、上記のスペシャリスト血統を凌ぐ勢いで、勢力を拡大しているのがキンシャサノキセキ。
同馬は南半球産。現役時代、半年遅生まれのハンデがありながらも3歳G1で3着に走った馬。
南半球産の馬がJRAの3歳限定戦でG1級のパフォーマンスを発揮するのは並大抵のことではありません。実はオセアニア血統の馬は日本にも何頭も輸入されていますが、デビュー前に故障を発生する馬も多いのです。
それは、半年遅い生まれにもかかわらず、JRAのレース体系に合わせようと調教をすると体力が追いつかないからではないでしょうか。斤量を2キロもらうぐらいでは賄えないハンデともいえます。
それだけ過酷なハンデを抱えながらも3歳G1で好走したのは、身体能力が一枚抜けていて、なおかつ体力の完成も早いからこそ。
さらにキンシャサノキセキは現役時代に芝1200mG1を2勝。種牡馬としても、1200m適性と2歳戦への適性が高いであろうことは容易に想像できます(産駒デビュー前にもコラムで指摘していました)。
モンドキャンノはキンシャサノキセキに母父バクシンオー。まさに2歳、短距離重賞では理想の血統…ですが、おそらく断然人気。しかも生産、育成はノーザンファーム。ついに、この路線も…ですか。
最近、このコラムで上げた馬は馬券圏外に消えまくるので、違う意味で期待している方もいるでしょうが、さすがに走るのではないでしょうか。
デビュー戦でモンドキャンノに敗れた直後の未勝利戦を勝ち上がったフクノクオリアもキンシャサノキセキ産駒。
母父マヤノトップガンは、函館記念で産駒が複数走っているように、函館芝の路盤が大好きな種牡馬。母もデビュー連勝後、重賞でも1人気に支持されたように2歳短距離戦向きの馬。
キンシャサ軍団にとっては、ロードカナロア産駒がデビューする前にしっかりとアピールしたいレースではないでしょうか。
昨年勝ち馬を出した母父バクシンオーはモンドキャンノの他ではネコワールドとガーシュウィン。人気薄なら母父バクシンオーという理由だけでおさえても。
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