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うらかわ馬フェスタ2016

  • 2016年08月03日(水) 18時00分
うらかわ馬フェスタ2016

永遠の愛を誓う2組の夫婦


6年ぶりに降雨のない2日間となった今年のうらかわ馬フェスタ

 馬産地・浦河の代表的な夏の馬イベントである「うらかわ馬フェスタ(第31回シンザンフェスティバル、第50回浦河競馬祭)」が去る7月30日(土)と31日(日)の両日にわたり、JRA日高育成牧場内の特設会場にて開催された。

 この週は雨が多く、イベントを2日後に控えた28日(木)には、町内中杵臼で300ミリを超えるほどの降水量を記録し、各所で水害が発生する騒ぎとなったが、その後、天候が何とか回復に向かい、30日と31日は6年ぶりに降雨のない2日間となった。

 30日午後4時半よりシンザンフェスティバルが開幕した。オープニングでは、まず今年の第30代ミスシンザンとして、鎌田美緒(みお)さん=20歳と、村下由香理さん=22歳が舞台上にて紹介され、前任者の長山みのりさんから引き継ぎを行った。鎌田さんと村下さんはこの後、来年の馬フェスタまでの1年間、町内外のイベントや行事で町の観光大使として活動することになる。

うらかわ馬フェスタ2016

第30代ミスシンザンが紹介される(左・長山みのりさん、中・鎌田美緒さん、右・村下由香理さん)



 この後、過去1年間にGI優勝馬を生産した町内の牧場に対し表彰を行った。今年の対象はスプリンターズステークスとヴィクトリアマイルを制したストレイトガールの岡本牧場、高松宮記念・ビッグアーサーのバンブー牧場、川崎記念・ホッコータルマエの市川ファーム、JBCレディスクラシック・ホワイトフーガの梅田牧場の4牧場である。場内に設置された大型ビジョンにこれら4頭のGIレースの模様が映し出され、来場者とともに感激の瞬間を振り返る一幕もあった。

 この日のメーンイベントは馬上結婚式。今年は多数の応募者の中から、JRA日高育成牧場の獣医師である山崎洋祐さん(29)未来(みく)さん(28)夫妻、そして、札幌市の警察官・宇野裕一さん(40)と貴子さん(44)夫妻の2組が選ばれ、それぞれ儀礼馬車に乗って会場入りし、場内をぐるりと一周してステージ前に到着。舞台上に並んでシンザンフェスティバル実行委員会より結婚証明書が手渡された。山崎洋祐さんは、昨年日高育成牧場に赴任し、このイベントで儀礼馬車に付き添って歩く裏方として働いたことがきっかけで、来年ぜひ応募してみようと考えたそうだ。全国にユニークな結婚式は数あまたあれども、儀礼馬車で入場できる結婚式はそうそう例がないはずで、2組とも、多くの来場者から盛んな祝福を受けていた。

うらかわ馬フェスタ2016

宇野裕一さん(40)と貴子さん(44)夫妻


うらかわ馬フェスタ2016

山崎洋祐さん(29)未来(みく)さん(28)夫妻



 この日の締めくくりは、漫才コンビ麒麟のトークショーで、翌日の札幌競馬の重賞「クイーンステークス」の予想などで多いに盛り上がった。

 2日目の31日(日)は、シンザンフェスティバルとともに、隣接する1600m馬場を使用して「第50回浦河競馬祭」(浦河町軽種馬生産振興会青年部と荻伏軽種馬生産振興会青年部の共催)が開催された。浦河競馬祭では、全9レースが午前の部と午後の部とに分けて実施され、第1レースと第5レースが、それぞれ「第8回ジョッキーベイビーズ北海道予選」として200m、350mの距離で9頭にて争われた。両レースの着順によってポイントが与えられ、最高得点者1名が来る10月9日(日)東京競馬場にて行われるジョッキーベイビーズの北海道代表として遠征することになる。

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「第8回ジョッキーベイビーズ北海道予選」が行われた



 レースはどちらも白熱した展開となったが、第1レース、第5レースともにモモ号(牝4歳)に騎乗した大池崚馬君(小5、浦河ポニー乗馬スポーツ少年団所属)が優勝し、昨年に続いて二年連続で代表の座を獲得した。

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昨年に続いて二年連続で代表の座を獲得した大池崚馬君



 ちょうど前日より会場入りしていたJRAアドバイザーの岡部幸雄氏より、東京行きの切符を手渡された大池君は「ちょっと他の馬とぶつかってしまって少しすっきりしない気持ちもあります。もっと本番ではきちんと馬を制御できるように練習したいです」とコメントしていた。大池君は昨年の同レースにて見事に優勝しており、今年は連覇を狙うことになる。

 なお岡部幸雄氏は、この後、現在JRA日高育成牧場にて乗馬になっているモンストール号(2011年新潟2歳ステークス優勝馬)に騎乗して誘導馬を務める一幕もあった。

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モンストール号に騎乗した岡部幸雄氏



 昼休みには、馬キャラ6頭による「第3回全日本馬キャラダービー」も行われ、JRAのターフィー、ホッカイドウ競馬のホクトくん、ナナセちゃん、ばんえい競馬のリッキー、地元浦河のご当地キャラのうららんとかわたんが出走した。レースはハンデを生かしてばんえい競馬のリッキーが優勝し、協賛したサッポロビールより賞品が贈られた。

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馬キャラ6頭による「第3回全日本馬キャラダービー」も行われた


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ばんえい競馬のリッキーが優勝


うらかわ馬フェスタ2016

優勝したリッキーの表彰式



 会場では、JRAのアンダルシアホースショーやポニー馬車の運行、無料乗馬、蹄鉄打ち実演、お笑いコンビのコロコロチキチキペッパーズによるライブなどが行われ、大型遊具の滑り台やクライミングウォールなども子供たちの人気を集めていた。

 当初、天候が危ぶまれていたが幸い両日とも雨は降らずに済み、2日間で5000人が集まった。31日午後、恒例の餅まき大会で全ての日程を終了した。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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