スマートフォン版へ

中心不動の相手探し!/レパードS

  • 2016年08月03日(水) 18時00分

■レパードS(G3・新潟ダ1800m)フルゲート15頭/登録15頭


【コース総論】新潟ダ1800m

・コースの要所!

★人気サイドが非常に強いコース。とくに勝ち馬はその傾向が強い。
★枠番の内外による成績差は小さいが、もっとも好成績なのは中枠。
★直線は長いが圧倒的に先行優勢。4コーナー5番手以内が勝ちポジ。






 フルゲート15頭立てにおける平均配当は、単勝1180円、馬連7464円、3連複2万9488円。これだけ見ればけっこう波乱度が高そうだが、人気別成績では1番人気を筆頭に、人気サイドが好成績を残している。とくに勝ち馬に関してこの傾向が強く、全勝ち馬の約65%が3番人気以内。ここは素直に高く評価して、高配当を狙うならばヒモをひねる──というのが、人気から見た効率のいい買い方である。

 小回りコースなのでもっと枠番による成績差が出るかと思いきや、信頼度はおおむね横並び。一応はセンター枠である馬番6〜10番が最も好成績だが、これを理由に馬券を買えるほど差があるわけではない。注意したいのが、内枠である馬番1〜5番の信頼度が「もっとも低い」という点。枠番の内外による有利・不利が小さいコースであるのは、これからも明白であり、外枠に入っても割り引く必要はないといえる。

 脚質に関しては、かなり極端なほどに先行優勢。逃げ馬の連対率は44.3%もあり、回収率の高さもかなりのものだ。対照的に、4コーナーを6〜10番手で回った馬であっても、連対率は8.0%という低さ。11番手以下で回った馬は、3着に来るのさえレアケースである。勝ち負けに持ち込めるのは、4コーナーを「5番手以内」で回った馬だけといっても過言ではないほど。前に行けるかどうかを、かなり重視したほうがいい。

【レース総論】レパードS(G3) 過去7年

・レースの要所!

★1番人気は複勝率100%と超優秀。人気サイドが圧倒的に強いレース。
★コースデータほどではないが前有利。最速上がり馬は複勝率100%。
★地方交流のJDD組が[4-1-2-10]と絶好調。前走古馬1000万組も強い。
★前走5番人気以下から巻き返せるのはJDD組くらい。前走人気を信頼。








 レースの平均配当は、単勝309円、馬連1617円、3連複1万1660円。コースデータよりも格段に低く、とくに単勝平均配当の低さは強烈である。それもそのはずで、1番人気は[5-0-2-0]で勝率71.4%、複勝率100%という鉄板級の堅さ。多少なりとも荒れるとすれば、ヒモが大きく紛れたケースだけだ。あとは、圧倒的に西高東低であるのも、このレースの大きな特徴である。

 枠番については判断が難しいところ。またしても内枠である馬番1〜5番の信頼度がもっとも低いのだが、平均人気7.9に対して平均着順7.3と、枠番値はもっとも高いのである。コースデータで「内外差が小さい」という結論が出ている以上、これはあまり気にしないほうが得策。このレースに関しては、枠番よりも重視すべきファクターが、それこそいくらでもある。

 脚質面は、やはり先行優勢。コースデータよりはナンボか差せているが、それでも4コーナーを5番手以内で回った馬が圧倒的に強いという結果である。また、最速上がりをマークした馬が猛烈に強いのは、コースデータでも見られた傾向。好位で流れに乗りつつ脚をしっかりタメて、直線に入ってから爆発させられるようなタイプが、もっとも信頼できる。あとは当然、確実に逃げられそうな馬も「買い」だ。

 前走クラス別成績では、前走で地方のレースに出走していた組が絶好調。前走でジャパンダートダービーに出走していた馬は、トータル[4-1-2-10]で連対率29.4%、複勝率41.2%と高信頼度だ。それ以外では、前走で古馬1000万下のレースに出走していた馬も好成績。今年も、この両者が主役となるのは間違いない。

 堅い決着が多いレースでもあり、前走で1番人気に推されていた馬が、複勝率41.4%、複勝回収率157%と期待値が高い。また、好走馬のほとんどが「前走4番人気以内」であったのも、覚えておきたいポイントだ。前走5番人気以下から巻き返した馬も3頭いるが、このうち2頭は前走でジャパンダートダービーに出走していた馬。この組以外で前走5番人気以下だった馬は、期待薄だと考えたほうがいい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 ダート戦なのでさほど気にする必要なし。先週の土日もいつもの新潟ダート。

・天候予測
 週末まで好天が続く見込み。パッサパサに乾いた含水率の低い馬場となりそう。

・注目血統
 シニスターミニスター産駒◎、カネヒキリ産駒○、ゴールドアリュール産駒△、ネオユニヴァース産駒△

 ダート戦でもあり、馬場はそれほど気にする必要なし。先週の土日ともに、先行勢がやたらと強い「いつもの新潟ダート」だった。逃げ切りこそなかったが、日曜日の勝ち馬はすべて先行勢で、土曜日も差しが決まったのは未勝利戦だけ。今週も夏らしい天気が週末まで続く見込みで、ダートコースはパッサパサに乾いた状態になると思われる。

 血統面で目立っているのが、シニスターミニスター産駒の強烈な強さである。インカンテーションが3勝を挙げている以外にも、モルダバイト、インストレーション、モンサンアルビレオの3頭が2勝をあげる大活躍。もうコレだけで、マイネルバサラを力一杯に買いたくなってくる。あとは、カネヒキリ産駒の強さもかなりのもので、かなりプラスに評価したい。ゴールドアリュール産駒、ネオユニヴァース産駒も好成績だ。

★出走登録馬・総論×各論

 15頭の登録があったが、有力馬の1頭だったマインシャッツが、口の裂傷で回避を発表。ジャパンダートダービーで2着に逃げ粘ったケイティブレイブに、ユニコーンSの3着馬であるグレンツェントと、同4着馬であるピットボスあたりが上位人気となりそうだ。ちなみにnetkeiba.comでの予想オッズは、ケイティブレイブが2.1倍で1番人気、グレンツェントが2.9倍で2番人気と、この2頭が抜けている。

 当データ分析のトップ評価は、ケイティブレイブである。血統面でのプラスこそないが、「ジャパンダートダービー組の関西馬で逃げ脚質、前走はダ2000m戦で3番人気2着」と、このレースでプラス評価の対象となる項目がズラリ。グレンツェントと差のない人気というのが不思議なくらいで、データ的には「一強」といっても過言ではない。新潟は初出走だが、このコース替わりもプラスとなるはずだ。

 二番手評価にグランセブルスで、前走は交流重賞の兵庫チャンピオンシップで3着に好走している。好位からのレースもできるし、中団で脚をタメればキレ味も十分という、脚質面での幅があるタイプ。前走が5番人気であるのがマイナス評価の対象も、カネヒキリ産駒の関西馬で交流重賞からのローテと、プラス評価となったファクターはかなり多い。鞍上の乗り方次第では、十分に上位を争える存在である。

 三番手評価に、人気薄となりそうなレガーロ。こちらも兵庫チャンピオンシップからのローテで、中12週での出走がどうかという面はあるが、魅力的なファクターも多く、決して侮れない存在だ。全日本2歳優駿ではサウンドスカイの2着に好走しており、気ムラで妙にズブいところはあるが、素質は一級品。騎乗予定の田辺ジョッキーが、この馬でどのような手綱さばきを見せるかにも注目したい。

 四番手評価にピットボス。好位で流れに乗れる上に決め脚もあるという、いかにもこのレースで好走しそうな資質の持ち主である。脚質という観点ではこの馬がトップ評価で、あとはコース適性や地力次第。その地力に関しても、前走のユニコーンSでは一気の相手強化にもかかわらず4着に好走しており、そうは見劣らないはずだ。

 以下は、ネクストムーブ、グレンツェント、マイネルバサラという評価の序列。上位人気に推されそうなグレンツェントだが、東京ダ1600mで差す競馬をして好成績を残しており、新潟ダ1800mへのコース替わりがいい方向に出るかどうかは微妙と思われる。人気ほどには信頼できないとみて、評価はかなり割り引いた。

 堅く決着する傾向が強いレースでもあり、馬券はケイティブレイブ軸から「グレンツェント以外に流す」馬連や馬単を推奨。オッズ次第では、ケイティブレイブを1着に固定した3連単で勝負するのも面白い。いずれにせよ、ここは中心不動の相手探し。直前の気配次第では、自信を持ってガツン!と勝負してみたい。


■総論×各論・先週の馬券回顧





新潟11レース アイビスサマーダッシュ(G3)
1着 04ベルカント
2着 13ネロ
3着 06プリンセスムーン

……枠順を意識しすぎた(#^ω^)
とはいえ、「韋駄天S組を割り引く」「中枠は不利」と述べた以上は、ベルカントとネロの組み合わせなんて買えないしなあ。悩んだ結果がこの単勝2点買いだったんだけど、正解はベルカントの単勝だったモヨウ。でもま、ここまでガチガチの順当決着だと、ハズレでもそんなに悔しくないし!(虚勢)。

※コースデータと血統データは2013年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

No.1予想にて関西全レース予想提供中!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング