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【ユーザー質問】祐言実行Q&A『ライバル馬の能力を発揮させない騎乗、とは』

  • 2016年08月09日(火) 18時01分
祐言実行

▲今週はユーザー質問「相手を勝たせない老獪な騎乗も見てみたい」との質問に福永騎手の回答は


プロの仕事は“締める”より“空けない”


Q. 福永騎手は馬の能力を信じて、その力をすべて発揮させる騎乗をされていると思います。半面、相手の馬の能力を発揮させない騎乗はあまり見たことがありません。ファンとしては、相手を勝たせない老獪な騎乗も見てみたいのですが、福永騎手はどうお考えでしょうか?

A. 老獪な騎乗というと、岡部さんを思い出す。入れそうで入れない絶妙なポジショニングを取り、相手の脚の勢いを削ぐ騎乗が本当に巧かった。もちろんそれはテクニックであり、高い次元でのインターフェア。誰もが同じようにできるプレーではない。自分も相手を動くに動けない状況に追い込むことも当然あるが、それはあくまで流れと位置取りの関係性のなかでの結果論。最初からそれを狙っていくような騎乗はしない。

 馬券を買っている人のなかに、もっと強引な競馬やギリギリのプレーを望んでいる人がいるのは理解できるし、実際、そういった騎乗を良しとしているジョッキーもいる。ただ、質問者の言う通り、自分のスタンスは騎乗馬の能力を発揮させることが最優先であり、それができた上での駆け引きだと思う。ただでさえ危険な職業なのにより危険なことをして、また周りに危険な思いをさせてまで結果を得ようとは思わないし、たとえその考えを否定されたところで、それはもう競馬観の違いというほかない。

 たとえば、勝負どころで抜け出すスペースがなかったとする。

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祐言実行 / 福永祐一
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祐言実行とは
2013年にJRA賞最多勝利騎手に輝き、日本競馬界を牽引する福永祐一。まだまだ戦の途中ではあるが、有言実行を体現してきた彼には語り継ぐべきことがある。ジョッキー目線のレース回顧『ユーイチの眼』や『今月の喜怒哀楽』『ユーザー質問』など、盛りだくさんの内容をお届け。

1976年12月9日、滋賀県生まれ。1996年に北橋修二厩舎からデビュー。初日に2連勝を飾り、JRA賞最多勝利新人騎手に輝く。1999年、プリモディーネの桜花賞でGI初勝利。2005年、シーザリオで日米オークス優勝。2013年、JRA賞最多勝利騎手、最多賞金獲得騎手、初代MVJを獲得。2014年のドバイDFをジャスタウェイで優勝。

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