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関屋記念、調子の良さそうな栗東所属馬をピックアップ!

  • 2016年08月10日(水) 18時00分


ダノンリバティは最終追い切りで速い時計を出すことがベスト

 久しぶりに「悶絶」という言葉を使いたくなったので、しょうもないレース回顧ですが、お付き合い願えますでしょうか。8月7日小倉8R、3歳上500万下のダート1700m。もちろん、ウマい馬券で予想したレースですが、本命候補は5頭。その中からトラックのダブル最速に該当したレイズオブザサンを選択した理由は、3日目までの「夏開催小倉ダート1700mに最適な追い切りパターン」に該当している馬が思うように結果を残せていなかったこと。逆にトラックのダブル最速が末脚を伸ばせる展開が多く、こちらを軸にしたわけです。

 すると、小倉ダート1700m最適追い切り該当馬が1着2着。3着と4着争いが夏開催小倉ダート1700mに良績残す松下厩舎のカシノランドと◎。これがアタマ差で◎4着となって、3連複はスルリと手元から離れていきました。

 配当は10番が3着でもほぼ同じ23万。これが的中していれば、ウマい馬券の回収率も土日通じて100%を超えていたのに…。もちろん、自分のお金は大切ですが、たくさんの方に予想を見てもらっていると思うと、本当に情けなくて。でも、あらためて冷静に考えると、こういった大きな当たりがハナやクビの差で的中させることができるかどうかが回収率の大きな分かれ目。予想の視点がズレているわけではないので、そこだけは自信を持っていきたいと思います。

 今週はエルムSと関屋記念。どちらも競馬予想TV! のサマーシリーズに出演して予想するレースです。ここでは最終追い切りを栗東で行った関屋記念の出走予定馬をピックアップ。netkeiba.comの予想オッズではヤングマンパワー、マジックタイムの美浦所属馬が1番人気で競っていますが、調子の良さそうな栗東所属馬も侮れないと思いますよ。

【関屋記念/ピークトラム】

 デビューから素質の高さが際立っていたことはご存じの方も多いでしょう。2歳冬のひいらぎ賞でミッキーアイルの2着でしたが、あそこでの着順が逆なら、もしかしたら馬生も違っていたかも知れません。ただ、今年に入って安定した成績を残して、ここ2走が1着2着。重賞制覇まであとちょっとというところまできました。

 個人的には前走時の最終追い切りは時計が遅く、好走時と違うということで評価を下げていました。それでもあわやのレースをしたということは前走に関してはあの調整で全く問題なかったということ。それと比較すれば、今回の最終追い切りは谷川岳Sを勝った時の内容に近いわけですから、評価しなくてはいけません。それでも前走時の反動はないのか、といった疑り深いところもありますが、大崩れするようなことはないと思います。

ピークトラム(8月9日撮影)

大崩れするようなことはないと思うピークトラム(8月9日撮影)



【関屋記念/ラングレー】

 過去の競走成績から、休み明けは決して得意と言えるほどの実績を残していません。ただし、前々走が休み明けで3着。休み明けになるとパフォーマンスを下げるという表現も適当ではないと思います。ちなみに1週前追い切りはCWで目一杯速い時計を出してきました。きっとこれが本追い切りのような形になって、最終追い切りは軽くなるだろうというのが、個人的な予測でした。

 10日の最終追い切りはその予測通り。4F55.7秒はこの馬にとってはかなり遅い時計で、石清水Sや洛陽Sを勝った時よりも遅い数字です。ただ、これが意図した時計で、なおかつ結果が出るだろうと思える理由は過去の休み明けの最終追い切りとの比較。速い時計を出しても負けている時はあり、今回が初めての夏場のレースということを考えると、この4F時計で終い重点のラップは悪くない感じもします。だからといって中心視はできませんが、実績あるこの距離でこの仕上げなら順当に馬券圏内には入ってきそうです。

【関屋記念/ケントオー】

 米子S1着、中京記念3着。昨秋からこの夏にかけて、メキメキと力をつけているという言葉がふさわしい結果を残しているのは、近走成績から疑いようのない事実。思えば、昨年6月に未勝利を勝って以降は中8週以上、間隔をあけたことがなく「使い詰め」という表現をしてもおかしくないと思います。

 だからというわけではないのでしょうが、最終追い切りは坂路で4F60.4秒。この中間は中2週ながら、追い切り本数が多いので、決して状態がうんぬんということではないと思います。単純に陣営とジョッキーの判断で前走時の最終追い切りよりも8秒以上遅い数字になりました。主観的に見れば、馬の状態が悪いとは思えませんから、冷静に客観的な追い切り比較をした場合、同じ中2週だった新春Sや米子Sの最終追い切りとの時計比較でも今回が図抜けて遅い時計であり、好走時の追い切り内容ではないことは間違いありません。

ケントオー(8月9日撮影)

好走時の追い切り内容ではないケントオー(8月9日撮影)



【関屋記念/ダノンリバティ】

 中京記念で◎を打っておいて、謝ることになって申し訳ないのですが、やっぱりこの馬は最終追い切りで速い時計を出すことがベスト。前走時のように、4F53.9秒では、いくら頑張っても掲示板までですよね。しかも休み明けで10キロの馬体重増。調教を見ていて、これをきっちり判断できないのですから、捜査官失格です。

 そんな反省を踏まえつつ、最終追い切りでどんな時計を出すか注目していましたが、併せ馬でしっかり時計を出して4F51.0秒。こんな数字を出しても、後半崩れることなく、2F24.5秒でまとめてくるのがこの馬の良さ。中2週は昨夏以降に2戦2勝のローテーションですし、ひと叩きした上積みの大きさは想像以上のような気がします。

ダノンリバティ(8月9日撮影)

ひと叩きした上積みの大きさは想像以上のダノンリバティ(8月9日撮影)



【関屋記念/マジェスティハーツ】

 2014年が12着、2015年が2着。これで3年連続の出走となります。今年は七夕賞からのステップになりますが、芝で2秒以上負けたのは菊花賞以来。それだけにそのダメージが心配でしたが、中間の動きを見るかぎりは気にすることもないかなといった感じ。北村友一騎手が跨った1週前追い切りはジョッキーが試したいことを試してみての蛇行。調教だからこそ確認できた内容といった感じでしょう。

 そのあたりを踏まえて、最終追い切りでも内ラチに近いところを通っての単走追い切り。直線はやっぱりモタれているようなところを見せての動き。個人的には昨年の鳴尾記念で2着した頃の弾むようなフットワークが印象に残っているだけに、その比較だとこじんまりとまとまった走りになっているような気がします。それでも時計は6F81.5〜5F65.2〜4F50.8〜3F37.0〜1F12.7秒と速いだけに、まともに走れば、やっぱり怖い存在でしょう。

マジェスティハーツ(8月10日撮影)

まともに走れば、やっぱり怖い存在のマジェスティハーツ(8月10日撮影)



◆次走要注意

・8/6 九州スポーツ杯【ミスキララ】(6人/18着)

 過去実績を考えれば、ここまで人気になった理由は軽量と内枠、そしてハナに行ける脚質でしょう。しかし、前半32.2秒はさすがに厳しく、直線手前で失速モードに入っていました。
 ベストはダートかも知れませんが、芝だとしても、ここまで前半速いペースにならなければ、十分に対応できるはず。4F54秒を切るような全体時計で、ラスト1Fが最速になるラップを踏めていれば、いずれはチャンスが回ってくるでしょう。

[メモ登録用コメント] [1200m]最終追い切りで4F54秒以下のラスト1F最速ラップに該当すれば勝ち負け

・8/7 小倉記念【テイエムイナズマ】(8人/6着)

 坂路調教馬なので、コーナー4つよりもコーナー2つでスタート直後に位置取りを整えるのが重要な馬。今回はすんなり先行はできたものの、淀みないペースに本領を発揮できませんでした。
 もし新潟記念に進むようなら、条件はベスト。とにかくコーナー2つの芝です。

[メモ登録用コメント] [コーナー2つ]最終追い切り坂路で2F25秒以下なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・2歳新馬【デザートストーム】
 入厩当初の追い切りが目立ちすぎて、2週前追い切りと1週前追い切りは若干地味な印象がしていましたが、そもそも新馬としては最上位クラスの動きでした。それが最終追い切りのゴール前でも出た感じで、前半をゆっくり走った分、後半の伸びはしっかり。
 実戦にいけば、ここまで前半をゆったり走らせることもないでしょうが、スピードが乗る芝馬場ならそのまま減速することなく、押し切ってしまうでしょう。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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