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関屋記念のポイントは新潟外回り独特のラップ

  • 2016年08月12日(金) 18時00分


◆速い上がりが計時されるコースではあるが…

 関屋記念のポイントは、新潟外回り独特のラップ。2ハロン目と7ハロン目が10秒台という形が多く、特に後者の速さが問題になる。ここで差してきた馬はゴール前で詰めを欠き、前残りなのに3頭目は遅れて差してきた馬というようなこともある。速い上がりが計時されるコースではあるが決め手だけでは勝負しづらく、前走の上がり順が1〜3位という馬は意外と苦戦している。前で受けて、それなりに上がりをまとめられる馬のほうが良さそうだ。

 個人的に期待しているのがヤングマンパワー。昨年も好走しているし、4歳人気馬はこのレースに強い。好位につけられる脚質もこのレース向き。枠は外を引いたが、このコースは内枠よりは外枠のほうが良い。

 マジックタイムは牡馬相手に重賞も勝っているし、ここでは上位の地力を持つ。問題は展開がこの馬に合うかどうか。先述したような形で、残り400〜200mで変に脚を使うようなことは避けたい。2歳時の新潟実績は、レースの質が異なるためここではアテにできない。

 ロサギガンティアも実績では上位だが、1400mに向きすぎている点がここではどうか。ラップの起伏が無いほうが良いタイプだが、仮にここでそのような展開になると、今度はスタミナの問題が生じてくる。それでも前半から流れたほうがこの馬にとっては良いはずだ。

 ピークトラムはマイル戦での成績が安定している。新潟稍重→中京と好走してきたので新潟の良馬場ではどうかという問題があるが、一方で脚質はこのレースには合う。好位のインでしぶとい競馬をしたい。

 ケントオーは前走で左回りの重賞にメドをつけたことは収穫。ただ当時はピークトラムを除くと差しが届いていたし、この馬自身上がりの速さで勝負するタイプ。溜めに溜めて、差し勢の第一弾が一杯になったあたりで伸びてくれば、馬券圏内の可能性が高まると思う。

 ラングレーは前走エプソムCがいまひとつだったが、血統のポテンシャルがある馬なのでもう少し見てみたいところ。サマーマイルシリーズができてからやや傾向が変わりつつあるが、1800mからの距離短縮は良い臨戦過程でもある。

 ダノンリバティは若さの魅力があるが、重賞だと勝ち切るところまではどうか。クラリティスカイは転厩で目先を変えたいところだが、ハマったNHKマイルC馬というのはハマリが深いものでもある。もっと人気落ちするまで待つ手もあるだろう。それよりはレッドアリオンマジェスティハーツといったリピーターの好走に期待したい。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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