行くと思える馬の残り目
今年も出走する
レッドアリオン、
マジェスティハーツの昨年は、前後半「47秒9-44秒7」=1分32秒6で決着し、前後半の差は実に「3秒2」だった。これは特殊ではなく、レッツゴーキリシマが勝った10年は「48秒2-44秒7」=1分32秒9。前後半の差は「3秒5」もあった。
最後の直線が約660mもある新潟は、1600mのレコード1分31秒5が樹立されたドナウブルーの12年でさえ、「47秒0-44秒5」のバランスなので、関屋記念ではどのくらいのペースがスローに相当するか難しいが、高速の良馬場で「前半だいたい47秒0-58秒6→」より遅いとなると、前後半バランスや、全体時計とは関係なしに、オープンの重賞だからスローの分類か。
新潟特有の前半は緩い流れが一般的になった最近の関屋記念は、4コーナーで2-3番手より前に位置した馬が、毎年必ず連対するパターンができている。
58キロなので「今年も行って欲しい」という陣営のトーンから、レッドアリオン(内田博幸)は行く公算大。転厩して田辺裕信の騎乗する
クラリティスカイも不振脱出の先行がある。牝馬の
アルマディヴァン(横山典弘)、切れない
マイネルアウラート(柴田大知)の先行もある。どのみち流れが速くなる可能性は低く、近年の傾向から、行くと思える馬の残り目は考えに入れたい。
追い込み一手型は、幅員がJRAで1番狭く25mしかない新潟の18頭立てでは、昨年の
サトノギャラントのように詰まって立ち上がったり、狭くなって追えない危険大なので、好位に有力馬がつけてしまいそうな今年は、伏兵としての魅力は乏しいかも知れない。
人気の1頭だが、牝馬
マジックタイム(父ハーツクライ)から入りたい。マイルに1分32秒台が3回あるからスピード能力は大丈夫。前回はかかり気味に速いペースを追走して、かつ早仕掛け。自身の1000m通過57秒8では伸びなくて仕方がない。父ハーツクライを自在型に変えて世界に進出したルメール騎手は、ハーツクライの成長過程まで知っている。この乗り変わりはプラスだ。
ハーツクライの母は新潟記念など新潟で3勝したアイリッシュダンス。ハーツクライの平坦適性も高く、代表産駒のジャスタウェイも最初は新潟だった。
マジックタイムの母方は、01年の関屋記念を1分32秒2で2着したクリスザブレイブが代表する平坦一族である。だから、マジックタイムは新潟の芝【2-1-0-0】。ルメール騎手なら変に下げたりしないと思えるので、ここはマジックタイムから伏兵に流す作戦に出たい。差し馬では、昨年、超スローを上がり32秒4で伸びたマジェスティハーツは評価を下げないでおきたい。