スマートフォン版へ

おつかれさま!ハクサンムーン

  • 2016年08月18日(木) 19時00分


 17日にハクサンムーンの引退が発表されました。ハクサンムーンはセントウルSからスプリンターズSを目指して8月6日に栗東に戻ってきたのですが、一向に坂路で時計を出さないので「あれ?」と思っていたところでした。

 彼はグルグルまわる旋回癖をファンの皆さんの前でも披露した個性派でしたね。馬房でもあの調子でグルグル回っていましたが、あのような仕草を見せているときのほうが調子がよかったようです。

 デビュー時からずっと担当している櫻井助手もホント大変そうでした。レース当日、普通はレースの数時間前から準備を始めますしそれまでのあいだは担当者は控室で待機しているのですが、ハクサンムーンの場合はそうもいかなかったのです。いつも競馬場についたらレースまでずっとハクサンムーンに付き添っていたのですから。

「初めの頃は馬房の前で手綱を持ちながら傍についているだけでよかったんですが、やがて馬房の中でもグルグルまわるようになりました。そのあいだ、ずっとついていたので手はかかりましたね。でも、そういうときのほうが調子もよくて結果も出ました」

 そんなハクサンムーンでしたが、今回栗東に戻ってからは大人しかったそうです。持ち前のテンションの高さがなくなってしまったハクサンムーン。残念ですが、こういうタイプのお馬さんはおとなしくなってしまうとあまりよくないですよね…。

「休みの月曜日も長い時間付き添ったこともありました。それでも重賞を3つも勝ってくれて、頼もしい存在でした。GIを勝たせてあげられなかったのが残念です。そして、これほど手のかかる馬に巡り合うことは、もうないかもしれませんね」

 本当に、これほど手がかかった、そしてこれほどかまってもらえた馬はそうそういません。ハクサンムーンは幸せだったと思います。


 実は櫻井助手は、かつてイコピコも担当していました。イコピコはレース中の事故で亡くなってしまっただけに「無事なまま引退して、種牡馬として送り出せることになってとにかくホッとしています」と胸を撫で下ろしていました。18日午前、種牡馬になるためにレックススタッドへ旅立ったハクサンムーン。子供たちにあの旋回癖は似て欲しくありませんが…、案外その癖が好調を見分ける材料になるかもしれませんね。

 ハクサンムーンの今後の活躍をお祈りしています!

 来週の小倉日経オープンに向けて金髪王子ことウインフルブルームが調子をあげてきましたよ!

「前走後も脚元は大丈夫です。この馬はね、時計以上に走りにスピード感があるんです。テンションもいいかんじですし、楽しみです」と宮本師。


 秋以降、また重賞戦線に復帰するためにも、ここでは賞金を積み増したいところですね。

「栗東は猛暑が続いていますが、元気に頑張ってくれています。食欲もありますし、気持ちも乗ってきていますよ。たてがみは耳に近いあたりが左右に割れてしまうので、また編んで癖をつけているところです。当日のパドックではきれいに向かって右側に流れてくれているといいのですが(笑)」(担当の小久保助手)

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング