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格下タイプの激走も目立つ北九州記念

  • 2016年08月19日(金) 18時00分


◆極端な波乱になる可能性も

 北九州記念は波乱の決着も多く、格下タイプの激走も目立つ。前走条件戦組、場合によっては負けてきた馬でも馬券に絡みうる。ハンデ差も原因のひとつではあるのだろうが、それだけではなく、単にタイム差がつきにくい条件=ちょっとしたコース取りや進路の差で結果がまぎれやすいのだろう。今年は13頭立てなので前半がきついペースになることはないかもしれないが、ここ数年は前が止まって差しタイプが台頭する形が増えているので、その点は念頭に置いておきたい。

 人気はベルカントだろう。重賞実績は十分だし、時計勝負も歓迎。ただ、全馬に目標にされるつらさはある。最後この馬の末が甘くなると、一気に上位が入れ代わって極端な波乱になる可能性もある。

 オウノミチは条件戦時代に小倉で1分7秒台を出しており、脚質的にもベルカントとはセットになりやすい。堅いシナリオだとこの馬も上位ということになるが、大波乱シナリオではベルカントとともに馬券の対象から外れるタイプということにもなる。

 ラヴァーズポイントも先行タイプで、こちらは時計への対応力という問題がある。こうしてみると人気上位がすべて前に行くタイプという今年のレースは、穴を狙うなら差し馬でどれが良いかという話になりそうだ。

 プリンセスムーンは重賞で3着と好走しつつ54キロのままという点はよい。ただこのところすっかり「1000直仕様」になっているので、コーナー部分をどうこなすかが課題になる。

 ジャストドゥイングはこのレースと相性が良い4歳馬。前走はオウノミチに負けているが人気はこちらだったし、道中ほぼ同じ位置にいたアットウィルには先着している。葵Sのときは道中5〜6番手から差した馬なので、同じような競馬ができればここでは武器になる。

 バクシンテイオーはバーデンバーデンCの3着で、上の2頭がともに今回もいるのはマイナス要素。好走のためにはかなり強い前崩れの展開が必要だし、そうなっても今度は時計への対応力という問題がでてくる。

 個人的に穴で狙っているのはメイショウライナーフルールシチーローズミラクルの3頭。メイショウライナーは小倉の良馬場歓迎、フルールシチーはこのレースで激走がある前走条件戦組。1000万勝ちでも通用するときは通用するが、時計が速いとちょっと苦しいかもしれない。ローズミラクルは位置取りが一番狙いやすい5〜6番手あたりになりそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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