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新潟2歳Sで「本命を打ちたくなるような動き」だったのは…!?

  • 2016年08月24日(水) 18時00分


新潟ジャンプSのアップトゥデイト情報もご参考に!

 私事ですが、競馬予想TV! のサマーシリーズでチャンピオンになることができました。あのボヤキからたった2週でこのような結果に恵まれるなんて、思いもしませんでしたが、先週も書いたように、良い時もあれば悪い時もあるのが勝負事。ただ、私のように自分が提供した予想をたくさんの方が利用するという立場にあれば、あまり浮き沈みがないことがベストでしょう。これからもそのつもりで常に競馬予想には全力を注ぎたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。

 さて、今週はキーンランドCと新潟2歳S。新潟2歳Sは調教適性について重要なポイントがあります。実はここで取り上げた馬たちはそれには該当していません。なぜなら、圧倒的に美浦所属馬の1着占有率が高いから。とはいっても、当コラムでは栗東所属馬を評価するのが定番。よって、各馬の状態を好走時と比較した客観的な見方と自分の眼で感じた主観的な見方をお伝えできればと思っています。

 あと、新潟ジャンプステークスで戦列に復帰する昨年の最優秀障害馬アップトゥデイトも取り上げていますので、障害ファンはどうぞ参考にしてみてください。

【新潟2歳S/モーヴサファイア】

 新馬戦は中京芝1600mを先行押し切り。時計も速く、強いレースぶりだっただけに、ここで人気に支持されるのも当然でしょう。前走後はノーザンファームしがらきに放牧に出されており、8月3日に栗東へ帰厩。中間の追い切り本数は5本になりますが、中7週というレース間隔を考えれば、デビュー前と同様の量と判断できます。

 前走時と同じく、CWと坂路を併用しての仕上げですが、前回との違いは1週前追い切りと最終追い切りの場所が入れ替わったこと。前回は坂路、CWでしたが、今回はCW、坂路。これは今回が前日輸送となることによる変化と思われますから、全く気にすることはないでしょう。場所こそ違いますが、併せ馬で馬なり先着は前回と全く同じ。調教内容から評価を下げる理由は何もありませんし、むしろ1週前追い切りの動きから当然のように前走から上積みのあるレース内容を期待したいところです。

【新潟2歳S/サンライズソア】

 新潟芝1600mでデビューして先行押し切り。中2週のローテーションになりますが、8月18日にCWで1週前追い切りを消化して、日曜日と最終追い切りを行えば、追い切り本数が多い調教タイプで、これは前走と同じになると思っていました。ところが、日曜日の追い切りはなく、24日の最終追い切りと2本になるのが今回。よって、前回とは追い切り本数の比率が違います。

 ただ、その分というわけではないでしょうが、最終追い切りは前回の坂路とは違って、CWでの追い切り。先行するメイショウワコンを追走しましたが、最後は相手を突き放す動き。美浦所属馬が優勢だと分かっていても、この馬に関しては新潟実績とトラックで2週続けて追い切った点が非常に魅力で、主観的には本命を打ちたくなるような動きだったことは間違いありません。

サンライズソア(8月24日撮影)

新潟実績とトラックで2週続けて追い切った点が非常に魅力のサンライズソア(内・8月24日撮影)



【新潟2歳S/アンジュシャルマン】

 6月5日の阪神芝1400mを勝った後、ノーザンファームしがらきから栗東へ帰厩したのは7月29日。少しレース間隔があいていることもあり、状態に関してさほど良く見えないというのが正直な印象でした。しかし、1週前追い切りではCWでクラシカルチュチュを追走してしっかり追いつく動き。6F81.2秒と速い時計を消化しましたが、これはデビュー前に出した時計を大幅に詰めています。どうも、このあたりから馬が良くなっている印象。

 そして、最終追い切りは同じ併せ馬の相手でしたが、最後は突き放す動き。抜け出したところに他厩舎の馬がいて、それを追い抜こうとした闘争心がすごく良く見えました。時計的には前走時の最終追い切りと同じですから、このくらい動ける馬であることは間違いありませんが、目標を見つけたら追い抜いていこうとする根性が新潟の長い直線で活きてくるような気がしてなりません。

アンジュシャルマン(8月23日撮影)

このくらいの時計で動ける馬であることは間違いないアンジュシャルマン(8月23日撮影)



【新潟2歳S/ヴゼットジョリー】

 デビュー前は7月7日に川田将雅騎手が跨って、先週勝ち上がったダノンチャンスとの併せ馬で、坂路2F24.8秒、1F12.1秒をマーク。この時点でデビュー勝ちは当然とも思える注目度でしたが、最終追い切りもCWで速い時計をマークして、結果的に新馬勝ちを収めています。

 追い切りは走るし、実戦でも走るというタイプ。この中間も当然、そうなるだろうと思っていましたが、1週前追い切りはCWで4Fから速い時計。そして、最終追い切りは坂路でラスト1F12.2秒の鋭い伸びを見せましたが、全体時計は4F55.0秒ということでかなり遅い数字。前走時の最終追い切りとは場所、時計ともに違う内容。キャリアの浅い2歳馬ですから、必ずしも前走時の追い切り内容でなければいけない理由はありませんが、今回の変化は少し疑ってかかりたいところです。

【新潟ジャンプS/アップトゥデイト】

 昨年の中山大障害を勝った、現在のジャンプ界のスターホース。阪神スプリングJの後、骨りゅうを気にするところがあって、休ませることにしましたが、これが結果的には良かったのでしょう。追い切りの動きを見ていても、前回よりもスムーズな走りが印象的。その分というか、馬の走る気持ちが充実していて、主戦の林満明騎手も抑えるのに苦労するという感じ。

 1週前追い切りは障害を飛ばした後、CWに2コーナーから入って、6Fしっかりと時計を出してきました。これが実質的な本追い切りで、24日の最終追い切りは半マイルから。担当者の佐々木貴啓調教助手が騎乗して、前半ゆっくり、終いしっかりの動き。久しぶりでもこれで負けたら仕方ないというくらいの状態に仕上がっているだけに、自分の力を発揮できるレースをしてくれれば。

アップトゥデイト(8月24日撮影)

久しぶりでもこれで負けたら仕方ないというくらいの状態に仕上がっているアップトゥデイト(8月24日撮影)



◆次走要注意

・8/20 2歳未勝利【ルックアットミー】(5人/4着)

 こういった乗り方しかないといってしまえば、それまでなのでしょうが、デビューから3戦連続してメンバー最速上がりをマークしつつもオール4着。ちょっとした工夫で、未勝利はいつでも脱出できるというのが個人的な印象です。
 乗り手が替わって、いつもとは違う戦法でのレースをしてくれれば、中山競馬場になっても十分勝ち負けできると思います。

[メモ登録用コメント] [芝1600m]坂路のダブル最速に該当すれば勝ち負け

・8/21 2歳新馬【ガンサリュート】(2人/4着)

 坂路でもCWでもいい動きを見せていたので、ウマい馬券でも◎を打ちましたが、コーナー4つが敗因の印象。追い切りでの良さには変わりがないと思うので、舞台替わりでの狙い撃ちがベスト。
 個人的には距離は敗因ではないと思うので、同じ1800mでも阪神か京都なら全く問題ありません。ただし、最終追い切りは坂路でラスト1F最速ラップが理想。

[メモ登録用コメント] [芝1800m]最終追い切り坂路でラスト1F最速なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・稲妻S【レッドラウダ】
 前走が初めての直線競馬で2着。とはいっても1000万下での話なので、ここは格上挑戦になります。ただ、前走の経験で、24日の坂路での最終追い切りは2F目から12秒台のラップを踏むことができる前向きさが出ています。1番人気など、押し出されての人気は馬券的妙味がありませんが、馬券に絡む確率はかなり高いと考えています。
レッドラウダ(8月23日撮影)

馬券に絡む確率はかなり高いと考えているレッドラウダ(8月23日撮影)



【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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