小倉滞在組が9頭いるが…今年もやっぱりトレセン/トレセン発秘話
◆「小倉滞在馬が、輸送を繰り返す栗東の馬よりバテている」という説
ちょうど10年前のアストンマーチャンを最後に、GIII小倉2歳Sでは「小倉滞在馬」が勝利を挙げていない。もっとも、滞在馬の出走自体は例年、そこまで多くないことを考えれば、致し方ない結果とも言えようか。
ところが今年に限っては先週末に移動した4頭も含めると、登録15頭のうち、実に滞在馬が半数を超える9頭という“異常事態”になっている。しかもフェニックス賞の勝ち馬クインズサリナ、先週のひまわり賞を圧勝したカシノマストといった有力馬も含まれており、10年ぶりの滞在馬Vがありそうなムードに包まれているのだが…。気になるのは、噂話が好きな某紙の先輩記者のささやきだ。
「今年は滞在馬がむしろ夏負けしとるらしい。調教師が皆そう言うとるで。栗東と比べたら小倉の方が全然暑いし、向こうの馬房ではミストもエアコンもないんやから、そりゃそうなるやろな」
簡易ミスト、扇風機などは各キュウ舎持参しているはずだが、栗東の広くて風通しのいい馬房に比べて、小倉のそれは狭く、その分、熱気がこもりやすいのは確か。例年以上の暑さに見舞われた「小倉滞在馬が、輸送を繰り返す栗東の馬よりバテている」という説は案外、無視できないのかもしれない。
だとすれば、例年通り直前輸送馬を狙う方が得策か。もちろん、今夏の小倉で新馬戦の勝ちっぷりが一番目立っていたレーヌミノルがその候補にまず挙がる。
「オンとオフがはっきりしている馬だから余計な体力を使わない。カイバもよく食べますから、暑さにバテるようなところもなく、むしろ使っていい筋肉がついてきた感じ。上積みは十分ですね。とにかく普段はノンビリしていて、馬房でよく寝ている馬なんですよ」(中井助手)
そういえば、今年の日本ダービーを勝ったマカヒキもよく寝ることで有名。「寝る子は育つ」ではないが、やはりこのレーヌミノルを、小倉2歳Sの最有力候補とみて取材を続けていく必要がありそうだ。(栗東の坂路野郎・高岡功)