スマートフォン版へ

【木幡家長男の素顔】木幡初也騎手(1)『初の仏競馬で3着“自分としては納得できたレースでした”』

  • 2016年09月07日(水) 18時00分
今月は“木幡一家”の長男、木幡初也ジョッキーの登場です!


今月は木幡初也ジョッキーの登場です! 父の初広氏、弟の巧也氏もジョッキーという騎手一家。3年目の今年は例年以上の活躍を見せて、さらに海外にも積極的に渡航するなど、アグレッシブな初也ジョッキー。そんな木幡家長男の素顔に迫ります!
(取材・文/大薮喬介)


シャンティイは中山と東京を足して2で割ったよう

――今年は、海外渡航を2回(ドバイとフランス)されましたが、元々海外の競馬には興味があったのですか?

木幡初 いずれはという気持ちはありました。ドバイに関しては、自厩舎(鹿戸厩舎)のネオブラックダイヤが、ドバイゴールドCに出走する予定で、(鹿戸)先生がクセのある馬だから、乗り慣れた僕を連れていこうとおっしゃってくださったからです。僕も実際のレースには乗れなくても勉強になると思ってついていくことにしました。

――それまでは海外に行かれたことはあったんですか?

木幡初 小さな頃に旅行は行ったことはありますが、仕事で行ったのは初めてでした。

――ドバイに行かれて、調教などに乗られたんですよね? いかがでしたか?

木幡初 環境が違うので、新鮮でしたね。ネオブラックダイヤはいつもうるさい馬なんですが、ドバイだとすごく大人しくて。土地が広いせいか、馬も放牧と勘違いしたのかもしれませんね(笑)。ただ、レースはトップレベルの馬と騎手が競い合うので、観戦してすごく勉強になりましたし、刺激になりました。

――具体的にドバイと日本の競馬に違いはどんなところにあるのでしょうか?

木幡初 調教でいえば、各国の攻め馬の内容や考え方、馬の扱い方など、あらゆる面で違いました。一番は、日常の生活と馬が近いことだと思います。日本だと、トレセンの中で馬を調教するので、馬優先の非日常の空間ですよね。でも、海外だと馬専用の土地というよりは、そこにある土地の中でトレーニングをしているんです。だから普通に車が走っていますし、車が横を通っても、馬は普通にしています。ストレスなく、すごくリラックスしているように感じましたね。

――注目していた国はありましたか?

木幡初 特定の海外の国に注目はしていませんでしたね。あえて言うなら、日本ですかね。渡航はバラバラでしたが、馬房は近いですし、みんなで一緒にご飯を食べることも多かったので、普段ライバル同士の厩舎がひとつになるというか、日本vs海外という雰囲気でしたから。自然と各厩舎の調教も気になりますし、レースでも応援していましたね。

――6月にフランスの若手騎手招待競走で騎乗されましたが渡航した経緯は? こういった場合、事前に自分から立候補したりするのですか?

木幡初 自分で立候補することはないですよ。何年目で、何勝しているかなど、いろいろ規定はあって、その規定をもとにJRAが選出するという流れです。最終的には、僕たちジョッキーが受諾の有無を決めます。

――なるほど。実際にフランスに行ってみての感想を聞かせてください。

木幡初 フランスは競馬大国ですからね。レースの1週間くらい前に、フランスの小林智厩舎の調教を手伝ったりして、色々な経験ができました。ドバイもそうですが、シャンティイの調教場はもっと広くて、厩舎から馬に乗っても10分、20分かかるんです。コースも自然の中にあって、道にラチが刺さっているだけで(笑)。坂路の長さも2、3キロで、好きなポイントから上がっていいのにも驚きましたね。日本だと一番下から上がっていきますけど、フランスでは調教に応じて、3キロからでもいいし、1000mからでも800mからでもスタートしていいんです。初めての経験ばかりで、いい刺激になりました。

――レースでは1レースに騎乗して3着でしたね。

木幡初 ドバイでは乗れなかったので、やっぱり騎乗できたのは大きかったです。僕の騎乗した馬はそれほど評価されていた馬ではなかったんですが、内枠を引けたのがよかったです。事前に下見したことが生きましたね。

――レース前に下見をしたんですか?

木幡初 はい、現地の人に付いてきてもらって、どこを通ったらいいのか、どこが仕掛けのポイントかを聞きました。シャンティイは中山と東京を足して2で割ったようなコースで、高低差もありますが直線も長いんです。だから、早く仕掛けてしまうと伸びあぐねることもあるなという印象でした。結果は3着でしたけど、スタートも良くて、内でジッとしていて、アドバイス通りにタイミングよく仕掛けることもできたので、馬の能力は引き出せたと思います。自分としては納得できたレースでした。
キシュトーーク

タイミングよく仕掛けることもできたので、自分としては納得できたレースでした


(次回へつづく)

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング