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札幌2歳Sで中央勢をなぎ倒したトラスト オーナー岡田氏の野心にほだされた中村調教師/トレセン発秘話

  • 2016年09月09日(金) 18時00分


◆自分で見つけた安い馬で良血を倒したい

 マイネル軍団の総帥・岡田繁幸氏がオーナーの公営・川崎所属トラストが先週の札幌2歳Sで中央勢をなぎ倒し、見事勝利。その場で中央の中村厩舎に移籍することが発表され、注目を集めた。

「ちょっと前からウチに来るという話を聞いていた。俺も定年までそんなに時間もないし、岡田さんも“男にしてやろう”と思ってくれているのかな」と思いを巡らせるのは当の中村調教師だ。

 岡田オーナーと中村調教師の出会いは厩舎を開業したばかりのころにさかのぼる。

「あのころ、俺が知っている関係者といえば、ヤマニンの土井(睦秋)さんだけ。で、北海道の土井さんのところに行ったら、“生産をやっている人間で、とにかく馬好きの面白いやつがいるから紹介するよ”と言われて。それが岡田さんだった」

 会った瞬間、まず背の高さに驚いたらしいが、その話す内容にもビックリしたという。

「ちょっと聞いただけだとホラだと思われてしまうような話ばかり。でもクラブ法人をやりたいんだとか、いろいろな野望を話すその目がやけに真剣で輝いていて。自分で見つけた安い馬で良血を倒したいという願望も、俺がやりたいと思っていたことと同じだった。それで“一緒に頑張ろう”と意気投合したんだ」

 当時、クラブ法人をやりたい野心はあっても、資金力がなかった岡田オーナーの生産馬を預かって、競馬で走らせ、賞金を稼いだのが中村調教師だった。

 若く、野心に満ちあふれたころに出会った2人が、年を取り、今また夢に向かってともに突き進もうとしている。トラストの今後の走りが非常に楽しみである。

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