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5歳になっての本格化、ニシケンモノノフ/テレ玉杯オーバルスプリント

  • 2016年09月14日(水) 18時00分


◆54kgで出走できるのはかなり恵まれた条件

 2歳時に兵庫ジュニアグランプリを制して期待されたニシケンモノノフだが、3歳時はやや低迷。というのも、2歳時に門別・イノセントカップを制しての中央移籍は、2014年2月限りで定年となった領家政蔵元調教師に最後に華を持たせようという馬主さんの思いから。それで芝のシンザン記念やクロッカスSを使ってクラシックを目指したのだが結果が出ず。ダートに戻ってもイマイチの成績が続いた。しかし4歳時にはポラリスS、今年はすばるSに天王山Sと、ダートのオープン特別を3勝。そして黒船賞はダノンレジェンドに1馬身差に迫る2着で、プロキオンSでも直線半ばで抜け出したノボバカラに半馬身差と迫った。今年ここまで4戦2勝2着2回と好走を続けている。オーバルスプリントはグレード別定だが、2歳時のレースはカウントされず、3歳以降は重賞を勝っていないため別定増量がない54kgで出走できるというのはかなり恵まれた条件だ。

 グレイスフルリープは、前走地方初出走となった佐賀のサマーチャンピオンで思った以上に強いレースを見せた。最初の3F通過が36秒2という息の入らない流れで、前年の勝ち馬タガノトネールにぴたりとマークされたものの、これらを振りきっての完勝。勝ちタイムの1分25秒7は、乾いた良馬場であることを考えればなかなかの好タイム。中央のダート1400メートルでも5勝を挙げているが、コーナーを4つ回る地方の1400メートル戦でこそ力を発揮するという可能性を感じた。

 ソルテは、古馬になって初めてのグレード挑戦となったJpnIのかしわ記念が2着で、続く前走さきたま杯はコーリンベリーを制して逃げると、4コーナーで迫ったベストウォーリアを振り切っての完勝。大事に使われてきていよいよ本格化という印象だ。とはいえ今回は中央馬が54-55kgのところ57kgを背負う。加えて内には、タマモホルン、グレイスフルリープ、スーサンジョイなどの先行タイプが揃い、ソルテはそれらの外の10番枠。逃げなければダメというタイプではないが、それら先行馬をみずからとらえに行かなければならず、うしろからはニシケンモノノフ、レーザーバレットらの目標になる。別定重量を含めて厳しい展開になると見て▲まで。ただこの条件でも勝てれば、今年は川崎1400mで争われるJBCスプリントでの期待も大きく広がる。

 スーサンジョイは、ダート1400mで4連勝を飾った大和Sはかなりのレベルのレースをしていて、その力が発揮できればここでも十分勝ち負けになる。ただ今回はフェブラリーS(12着)以来の復帰戦で、調教の様子からも仕上がり途上と見る。

 このレース連覇がかかるレーザーバレットだが、8歳になった今年は5戦して、馬券にからんだのはかきつばた記念の3着だけ。昨年までの勢いにはない。とはいえ展開がハマれば一発あるタイプだけに、人気がなければ馬券としてはおもしろそう。

 タマモホルンは、条件クラスからじわじわとクラスを上げてきて、前走プラチナカップは逃げ切り6馬身差の圧勝。良馬場の勝ちタイム1分26秒6は、過去のオーバルスプリントの勝ちタイムと較べても十分勝ち負けになるレベル。最内枠からすんなりハナでマイペースに持ち込めれば、粘り込む場面はあるかもしれない。

◎ニシケンモノノフ
◯グレイスフルリープ
▲ソルテ
△スーサンジョイ
△レーザーバレット
△タマモホルン

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1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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