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天候次第も基本的にはやはり二強!/ローズS

  • 2016年09月14日(水) 18時00分

■ローズS(G2・阪神芝1800m外)フルゲート18頭/登録18頭

【コース総論】阪神芝1800m外 Aコース使用

・コースの要所!

★1番人気の信頼度が低いコース。単勝平均配当も約2000円と高めの水準。
★内枠に過剰人気の気配。それもあり回収率は中〜外のほうが格段に高い。
★完全に差し優勢で、速い上がりが勝ち負けに必須。前で粘るのは困難か。




 18頭立てにおける平均配当は、単勝2080円、馬連1万1412円、3連複5万1779円と、非常に高い水準。コース全体での単勝回収率が116%もあるという、かなり波乱傾向の強いコースである。その要因となっているのが、1番人気の不振。複勝率は44.7%と50%を割り込んでおり、回収率の低さも目立っている。人気薄の「1着」を積極的に狙っていきたいコースといえそうだ。

 馬番別では、内枠である馬番1〜6番の不振が目立つ。もっとも有利であるはずの枠番ながら、勝率・連対率・複勝率のいずれも伸び悩んでおり、枠番値もマイナス0.4と低空飛行。最初のコーナーまでが長いコース形態が影響しているのか、内枠の利を生かせておらず、過剰人気の気配を感じる。信頼度に差がないならば、回収率が高い中〜外を重視したほうがベター。とくに、外枠の人気薄は要チェックである。

 意外だったのが脚質で、「超」がつくほどに差し優勢。逃げた馬はすべて4着以下に沈んでおり、先行していた組もサッパリ残せていない。決まり手のほとんどが「中団からの差し」であり、上がり3F順位が上位だった馬はかなりの好成績。さすがに4角13番手以下から追い込むのは厳しいが、それでも2〜3着にはそれなりに届いている。ここは、中団からキレのある末脚を繰り出せる馬を重視するスタンスが正解だ。

【レース総論】ローズS(G2) 阪神過去9回

・レースの要所!

★1番人気は好調も人気薄の好走例も多く、意外に波乱含みのレース。
★コースデータほどではないが差し優勢。中団から差せる馬を重視で。
★前走上がり順位が3位以内ならば買い。6位以下なら消しがセオリー。
★巻き返しがきかないレース。前走の着順が結果に直結する傾向アリ。







 秋華賞の最重要トライアルでもあり、桜花賞馬やオークス馬が前哨戦に選ぶことが圧倒的に多いレース。しかし意外にも、桜花賞馬&オークス馬のトータル成績は[3-1-1-6]で勝率27.3%、連対率36.4%と、意外なほどに取りこぼしている。しかも、勝ったのはヌーヴォレコルト、ジェンティルドンナ、ダイワスカーレットと、後には牡馬を相手に互角以上の活躍を見せた女傑ばかり。つまり「超一流」以外の過信は禁物なのだ。

 レースの平均配当は、単勝971円、馬連7510円、3連複3万3408円。さすがにコースデータよりは低いが、それでもイメージよりは高い水準にある。1番人気は[4-2-1-2]で複勝率77.8%と高信頼度なのだが、7〜9番人気など人気薄も健闘。ガッチガチで決まった2012年のような例もあるが、意外に波乱含み──というのが、人気別成績を見ての印象である。あとは、出走数が少ない関東馬の踏ん張りも目立っている。

 次に枠番別成績。少頭数で行われた年も混じっているので正確性に欠ける部分はあるが、勝率と連対率がもっとも高かったのは、内枠である馬番1〜6番だ。しかし、複勝率トップは中枠で、回収率トップは外枠と、どの枠番も一長一短といった内容。軸馬は信頼度の高い内枠から選び、人気薄のヒモは爆発力に秀でる外枠重視でチョイス──といったカンジで使い分けるのがいいか。

 脚質別成績では、コースデータとかなりの差異が見られる。時計の速い馬場の影響もあるのか、4コーナーを6番手以内で回った先行勢が健闘。ただし、もっとも信頼度が高いのは、やはり中団から差せる馬だ。面白いのが上がり3F順位別での成績で、最速上がり馬が[0-8-0-1]で同2位の馬が[6-0-1-3]という、偏りまくった結果に。速い上がりを使える馬が2頭いるならば、前に位置するほうを上に取るべきだと思われる。

 勝ち負けに決め手が必須だというのは、前走での4コーナー通過順位別成績にもハッキリと現れている。前走で4角先頭だった馬は全滅しており、先行していた組も勝率1.3%、連対率6.3%と低空飛行。前走オークス組が圧倒的に多い=オークスが差し優勢なので当然といえば当然だが、それ以外の組も、前走で先行していた馬はまったくアテにできない。

 さらにそれを裏付けるのが、前走での上がり3F順位別での成績だ。条件を問わず、前走で上がり最速〜3位だった馬は[8-7-7-39]で連対率24.6%、複勝率36.1%と高信頼度。複勝回収率も163%と非常に高い。対照的に、前走での上がり3F順位が6位以下だった馬は[0-0-1-47]と、ほぼ全滅である。前走上がり3位以内、最悪でも5位以内というのが、好走する上での必要条件といえる。

 そして、ローズSにおける最重要データといっても過言ではないのが、前走着順別成績である。ご覧の通り、好走馬のほとんどが「前走4着以内」であり、5着以下から巻き返すのはかなりのレアケース。前走G1組であれば多少の期待は持てるが、前走G1以外で5着以下に終わっていた馬は、ほぼノーチャンスなのだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 Aコース継続。先週は意外に開幕週「らしい」前有利のバイアスだった印象。

・天候予測
 週末まで延々と雨予報。道悪での競馬となる可能性が非常に高い。

・注目血統
 ダイワメジャー産駒◎、ディープインパクト産駒○、キングカメハメハ産駒▲

 エアレーションの影響がどの程度あるのか──と、つい身構えてしまう最近の開幕週。もっと差しが決まる馬場になるかと思いきや、いたってフツーに前が残る馬場だったので、ちょっと拍子抜けした。ただし気になるのが天候で、水曜日〜木曜日は晴れ間ものぞきそうだが、金曜日〜日曜日は連日の雨予報。降雨量次第では、重馬場はおろか不良馬場までありうる。今年のローズSを予想する上で最大の難関が、この天候だろう。

 血統面では、ダイワメジャー産駒をトップ評価。信頼度の高さもさることながら、単勝446%、複勝143%という回収率の高さは、本当に素晴らしい。阪神芝1800m外の適性が高いイメージはまったくなかったが、コレは追いかけてみる価値アリ。ローズSでクリノラホールが来るかどうかはともかく、血統マメ知識として覚えておいて損はない。あとはフツーに、ディープインパクト産駒とキングカメハメハ産駒も、プラス評価の対象である。

★出走登録馬・総論×各論

 牝馬クラシック路線の主役級である、オークス馬シンハライトと桜花賞馬ジュエラー。オークス2着のチェッキーノが屈腱炎で戦線離脱したことで、現3歳世代牝馬における「二強」の構図が、さらに確固たるものになった印象を受ける。この2頭が走れるデキで出走してくるなら、何の紛れもなくワンツー決着となる可能性が非常に高い。

 問題は、天候と馬場である。こればっかりは「現時点ではわかりまへん」としか言いようがないのだが、前有利の馬場バイアス継続&天候悪化で道悪となると、かなりの紛れが出てきそうだ。稍重で耐えてくれればいいが、重〜不良となる可能性のほうが高いはずで、そうなると難易度は格段にアップする。

 ……と前置きした上で、各論へと入ろう。当データ分析がトップ評価するのは、オークス馬のシンハライトだ。桜花賞こそジュエラーの決め手にハナ差で屈したが、それ以外のレースはすべて1着という素晴らしい成績。オークスで見せた決め脚の鋭さは特筆に値するもので、血統などプロフィル面での後押しもあるという、非常に信頼度の高い1頭である。ジュエラーより前のポジションを取りそうなのも、大きなプラスだ。

 二番手評価にジュエラー。チューリップ賞、桜花賞と連続して最速上がりをマークと、その決め脚の鋭さは3歳牝馬ナンバーワンである。割り引いたのは、骨折による休養明けである点と、シンハライトよりもさらに後方に位置するであろうという脚質面。レースの傾向を踏まえて考えると、取りこぼす可能性が高いのはこちらだと思われる。

 三番手評価には、人気薄となりそうなテラノヴァを推したい。春はクラシックと無縁の存在だったが、前走は牡馬混合の1000万下特別で2着に好走と、侮れないポテンシャルを秘めた1頭。ローテやプロフィル面などプラス評価となった項目が非常に多く、格下とはいえ決して侮れない。登録はするも出否未定で、翌週の自己条件に向かう可能性が高いとの話だが、ぜひ出てきていただきたい。

 四番手評価も、人気薄のフォールインラブ。札幌での自己条件からここに挑むという、先のテラノヴァと同じような出走パターンだ。こちらも末脚のキレは上々で、前走はなかなか骨っぽいメンツを相手に、最速上がりで勝ち馬から0秒2差の5着に健闘。ゲートに不安を残す現状だが、うまくハマれば一発があっておかしくない存在である。

 以上の4頭が上位評価組で、以下はレッドアヴァンセ、デンコウアンジュ、ラベンダーヴァレイ、カイザーバルという評価順。上位人気に推されそうなアットザシーサイドとアドマイヤリードは、大きな割引材料を抱えているため、ここは「消し」ジャッジとした。あとは、当日の天候がどうなるか次第。不良馬場にでもなった場合には、前に行けそうな人気薄からブンブン振り回す手もアリな気がする。


■総論×各論・先週の馬券回顧


阪神11レース セントウルS(G2)
1着 01ビッグアーサー
2着 10ネロ
3着 11ラヴァーズポイント

馬連490円的中!

まさかネロが差す展開になるとは(;^ω^)
クソほど堅い結果とはいえ、上位評価組の2頭でキッチリ決まったのは喜ばしい限り。ネロが逃げられなかった時点で「あ、終わった」くらいに思っていたので、直線で差してきたのを見て猛烈に驚いた(歓喜)。あの競馬で押し切れるんだから、ビッグアーサーは強い。さすがはサクラバクシンオー産駒!

※コースデータと血統データは2013年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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