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世代最強馬である可能性/セントライト記念

  • 2016年09月17日(土) 18時00分


価値のあるダービー小差3着

 皐月賞を快走のあと、日本ダービーはマカヒキ、サトノダイヤモンドの3着にとどまった。マカヒキ、サトノダイヤモンドの力量と素晴らしいレースを受け入れると同時に、春のディーマジェスティは爪や体質の弱さがあって、万全に近い状態とはいえない物足りなさがあった。3ヶ月ぶりで共同通信杯、また2ヶ月空いて皐月賞、そして日本ダービー。間を空けた慎重な3戦限定の春は、予定通りというより、よく大事な3戦にそれなりの状態で挑戦できたといった方がいいかもしれない。とくに皐月賞を激走後の日本ダービーは、熱発などもあり物足りないデキだった。あの小差3着は価値がある。

 ぶっつけで挑戦した皐月賞は、外からまくって伸び切り1分57秒9。エアレーションなど芝コンディションの整備が変わったここ3年ほど、古馬でも中山2000mに1分58秒台の記録はあまりないから、事実上のコースレコードに相当する大変な記録である。この世代、明らかにレベルが高い。優劣はのちのちまで判明しないだろうが、世代の最強馬は「皐月賞馬であることが多い」。そんなパターンが、ディーマジェスティには当てはまる可能性さえある。

 夏の調整で悩まされた爪の弱さが完全に解消したわけではないが、春に比べればはるかに順調。身体つきも整ってきた印象がある。その身体つきは母の父ブライアンズタイム寄りなので、スリムでシャープなディープインパクトとはだいぶ異なるが、パワーもスタミナもある。今年の凱旋門賞はマカヒキにまかせたが、来年は凱旋門賞挑戦が実現するくらいの充実を示したい。ファミリーは、トレヴ、トリプティク、トリリオン、1番人気になったジェネラスなどが代表馬に並ぶ凱旋門賞一族である。二ノ宮調教師、蛯名騎手とのコンビでこのセントライト記念を制し、やがて凱旋門賞挑戦を実現させた09年のナカヤマフェスタに続きたい。

 共同通信杯の内容が光るメートルダール、力強さが出てきたプロディガルサンが相手本線。穴馬はステイゴールド産駒のステイパーシストか。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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