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ホワイトフーガ1強!?今年も本番に直結か?/レディスプレリュード

  • 2016年09月18日(日) 18時00分


 今年は9月19日に大井競馬場で行われる『第13回レディスプレリュード』。シルバーウィークの祝日に行われるため、当日は昼開催です!この日と『東京盃』が行われる22日(祝・木)はナイター競馬ではありませんのでお気をつけください。

 レディスプレリュードはかつて地方全国交流の『TCKディスタフ』という名称で行われていましたが、2011年に『JBCレディスクラシック』が新設され、その前哨戦としてJRA勢も含めた全国交流となり、名称もリニューアル。Road to JBCに組み込まれました。

 今回はまず、レース名も新たになった2011年と2012年を連覇したミラクルレジェンドの思い出を振り返りたいと思います。

前哨戦も本番も連覇したミラクルレジェンド


 ミラクルレジェンドは2009年8月にデビュー。2歳時は芝を3戦使って未勝利。年が明けて2010年4月、初めて挑戦したダート戦で快勝するとそのまま3連勝し、重賞初挑戦のジャパンダートダービーで4着。続く8月のレパードSで牡馬に混じって重賞初制覇を達成、12月のクイーン賞も古馬相手に制覇。重賞2連勝を飾り、「牝馬ダート戦線にミラクルレジェンドあり!」と存在感を見せつけました。

重賞初制覇は牡馬相手のレパードSだった(撮影:下野雄規)


 翌2011年2月のTCK女王盃で2着、3月のエンプレス杯は3着。どちらも行く手に立ちはだかっていたのはひとつ年上のライバル・ラヴェリータでした。

 その後は再び牡馬との戦いに挑戦。7月のマーキュリーCこそ5着でしたが、8月には中央競馬で関越S(OP)を快勝し、迎えた9月のレディスプレリュード。1番人気ラヴェリータ、2番人気ミラクルレジェンド。再び2頭の対戦の時が訪れました。

 ラヴェリータは前走・スパーキングレディーCを圧勝し、牝馬限定のダートグレード競走ではここまで連対を外していないということもあって単勝1.7倍の断然人気。ミラクルレジェンドは3.3倍で2番人気。さらにこの年の南関東クラシック2冠(羽田盃、東京ダービー)を制したクラーベセクレタが3番人気4.2倍でここに加わり、3頭に注目が集まる戦いとなりました。

 レースは好スタートを決めたエーシンクールディが先頭に立ち、クラーベセクレタが2番手。ミラクルレジェンドとラヴェリータは先頭からあまり離れていない好位を進みます。早めに動いたのはラヴェリータで、3コーナー手前で先団に並びかけますが、直線に入っても内でしぶとく粘るエーシンクールディ。外から追いかけるラヴェリータ。ゴール前でさらに外からミラクルレジェンドが脚を伸ばし、一気に突き抜けてゴール!ラヴェリータ2着、エーシンクールディ3着。ミラクルレジェンドは、ついに強敵ラヴェリータに勝利することができました。

 続いて迎えた第1回JBCレディスクラシック。初代ダート女王決定戦でも人気を二分したのはラヴェリータとミラクルレジェンド。ハイペースのレコード決着となったレースを制したのはミラクルレジェンドで、2着ラヴェリータ。前哨戦のレディスプレリュードが本番に直結する高レベルな戦いであったことを証明しました。

2011年、本番のJBCレディスクラシックでもラヴェリータ(左)を破り優勝(撮影:高橋正和)


 翌2012年のレディスプレリュードを連覇し、その年のJBCレディスクラシックも連覇したミラクルレジェンド。2013年、年明け2戦目のエンプレス杯1着を最後に引退・繁殖入りしましたが、牝馬限定のダートグレード競走では10戦7勝、2着1回、3着2回とすべて馬券圏内の活躍。文字通りダート女王として君臨し、後に続く馬たちにその道筋を作った馬だったと言っていいでしょう。

 ミラクルレジェンド以降も、ここで上位争いした馬が必ず本番で活躍するレース、レディスプレリュード。それでは今年の注目馬をご紹介しましょう。

1強ムードのレースとなりそう


 中心となるのはホワイトフーガ。昨年のレディスプレリュードではサンビスタの3着に敗れましたが、続くJBCレディスクラシックを3歳で制し、今年に入って1月のTCK女王盃で優勝。2月のフェブラリーSは10着、6月のさきたま杯では5着と敗れましたが、牝馬同士の対決に戻った7月のスパーキングレディーCでは貫禄勝ち。昨年のJBCレディスクラシック以来、牝馬限定のダートグレード競走では負け知らず。今回は1頭だけ57kgですが、前走・スパーキングレディーCを58kgで快勝しており、ここは1強ムードのレースとなりそうです。

昨年のJBCレディスクラシックの覇者・ホワイトフーガ(撮影:高橋正和)


 ホッカイドウ競馬出身で、昨年のNARグランプリ・2歳最優秀牝馬となったタイニーダンサー。3歳になって中央に移籍後の3戦目、関東オークスを勝利。スパーキングレディーCではホワイトフーガ、ブルーチッパーから離された3着。古馬の壁は厚いですが、さらなる成長に期待します。

 その他の中央勢では、ダート1800mで【4-3-1-3】と距離実績の高いフォローハート。昨年12月のクイーン賞5着以来2度目のダートグレード競走となります。タマノブリュネットは今年1月、今回と同条件となる大井・ダート1800mのTCK女王盃でホワイトフーガの3着と健闘しました。サンソヴールは昨年園田で3連勝し、再転入後の中央では芝のレースを使い続けていましたが、絶好調の戸崎圭太騎手を背に久しぶりのダート戦での走りに注目です。

 対する地方勢の筆頭はブルーチッパー。7月のスパーキングレディーCではホワイトフーガに交わされたあともしぶとく残って2着。前走・スパーキングサマーCは牡馬相手に逃げ切り快勝。「もうダメか!?」と思ったところからもうひと伸びする根性のある馬で、今回も前に行ってどこまで粘れるか、応援に力が入りそうです。

前走のスパーキングサマーCで牡馬を相手に逃げ切り勝ち(撮影:高橋正和)


 ララベルはローレル賞、東京2歳優駿牝馬、浦和桜花賞、ロジータ記念、しらさぎ賞と、南関東で重賞5勝を挙げている4歳馬。今回満を持してダートグレード競走に初挑戦。昨年12月の東京シンデレラマイルでブルーチッパーと演じた一騎打ちのレースぶりからも上位を狙える1頭です。

ララベルは南関東重賞を5勝しており、ダートグレード競走は今回が初挑戦(写真は2015年の浦和桜花賞、撮影:武田明彦)


 Road to JBC。JBCレディスクラシックへ向けて熱い女の戦いが予想される一戦。女王ホワイトフーガの戦いぶりと、大井・荒山勝徳厩舎の2頭、ブルーチッパーとララベルがJRA勢にどこまで食い込めるか、ご注目ください。

 さらにこのレースは地方所属馬にとって、GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)2016 古馬シーズンの最終戦としても注目される一戦。ここまでのポイント上位馬ジュエルクイーン(28ポイント)、トーコーヴィーナス(26ポイント)、ディアマルコ(20ポイント)、ブルーチッパー(15ポイント)は、今回の着順次第で優勝を狙える位置にいるという大混戦です。こちらの戦いの行方もお見逃しなくご覧いただきたいと思います。

※次回の更新は9月21日(水)の18時。大井競馬場で行われる「東京盃」のコラムをお届けします!



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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