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どこまでいっても堅い決着!/神戸新聞杯

  • 2016年09月22日(木) 18時00分

■神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m外)フルゲート18頭/登録17頭


【コース総論】阪神芝2400m外 Aコース使用

・コースの要所!

★人気馬の信頼度は「並」程度。中穴である4〜6番人気の好成績が目立つ。
★枠番評価は「中>内>外」の順。枠番値が低い外枠は少し割引が必要か。
★速い上がりが使える馬を重視。ただし、後方からでは届かないコースだ。





 施行レース数が少なく、しかも少頭数で行われることも多い阪神の芝2400m外。2012年以降に14頭立て以上で行われた35レースを対象としたが、データ母数の不足は否めない。信頼度が低めのデータなので、あくまで「参考」程度にとどめ、レースデータを重視するスタンスがいいと思われる。

 まずは平均配当だが、単勝1277円、馬連8218円、3連複2万7323円と、イメージよりは高め。その立役者となっているのが、中穴である4〜6番人気の活躍だ。1〜3番人気が16勝に対して4〜6番人気が13勝と互角に張り合っており、当然ながら単勝回収率は180%という高さ。ここを1着で狙う馬券が、断然オイシイ。対照的にイマイチなのがふたケタ人気で、トータル複勝率2.9%では、ちょっと手が出せないか。

 枠番別成績では、それほど大きな差は見られなかった。ただし、外枠である馬番13〜18番の枠番値がマイナス0.6と低く、連対率や複勝率も低いことを考えると、「外枠よりは内〜中のほうがベター」といえる。もっとも期待値が高いのはセンター枠番で、なぜか馬番8番だけが絶不調も、それ以外はおしなべて好成績。評価の序列は「中>内>外」の順番となる。

 最後の直線が長い外回りコースながら、強いのは中団待機組ではなく先行勢。連対率で7%、複勝率でも6%以上の差が出ており、後方待機組が壊滅状態であるのも、先行有利を裏付けている。ただし、速い上がりが使える馬は猛烈に強く、上がり3F順位が2位以内の馬は、なんと複勝率70%以上をマーク。先行勢を信頼するか、それとも上がり上位馬を狙うか悩ましいが、このあたりは出走メンバーや展開によっても変わってきそうだ。

【レース総論】神戸新聞杯(G2) 阪神過去9回

・レースの要所!

★1番人気を筆頭に人気サイドが高信頼度。10番人気以下はなんと全滅。
★飛び抜けて枠番値が高い内枠が要注目。脚質はやはり先行勢が優勢。
★上がり最速〜2位馬の信頼度が猛烈に高いレース。これだけで買える。
★継続騎乗の前走G1組が非常に強い。実績馬が順当に結果を残す傾向。







 レースの平均配当は、単勝536円、馬連1986円、3連複6360円という強烈なまでの低さ。それもそのはずで、3番人気以内馬が[8-5-5-9]で連対率48.1%、複勝率66.7%という好成績を残している一方、ふたケタ人気馬はトータル[0-0-0-53]と全滅している。数ある重賞のなかでも、有数の「堅いレース」といえるだろう。

 それを端的に示すのが、「前走ダービー5着以内馬」の成績。トータル[7-5-0-3]で勝率46.7%、複勝率80.0%という信頼度の高さで、2010年以降に出走した8頭は、すべて連対。そして、今年の登録馬でこの条件を満たすのは、サトノダイヤモンドとエアスピネルの2頭だけだ。もう、この時点で波乱はないといっても過言ではない。

 枠番別で目立つのは、内枠である馬番1〜6番の好成績だ。飛び抜けて優秀なのがプラス1.1という枠番値で、勝率や複勝率もトップ。逆に、コースデータで好成績だった中枠が、連対率9.4%、枠番値マイナス0.8と不振な結果に終わっている。少頭数で行われたケースも含んでいるので何ともいえない部分はあるが、「外枠がイマイチ」であるのは共通項。多頭数で外枠に入った馬は、少し割り引いて考えたい。

 脚質面は、コースデータで見られた傾向とおおむね同じ。最後の直線が長いコースながら、4コーナーを6番手以内で回った先行勢が[7-4-4-47]で複勝率24.2%と、もっとも信頼度が高い。また、上がり上位馬が非常に強いという点でもコースデータと一致しており、最速上がり馬は連対率80.0%、複勝率100%というスーパー好成績。さすがに後方に置かれると厳しいが、中団からいい脚を使えるような馬は、必ず押さえておくべきだ。

 前走ダービー組の強さは前述した通りで、当然ながら前走G1組がもっとも好成績。それ以外では、ラジオNIKKEI賞組も[1-1-1-7]となかなかの強さを見せている。夏に使われてきた上がり馬は、前走1000万下で勝ち負けしてきたような馬でも、ここでは3着が精一杯。昨年のリアファルのように、前走で超抜級のパフォーマンスを見せた馬でもないかぎり、前走で重賞以外を使われていた組は手を出しづらい。

 こういった性質のレースでもあり、騎手の乗り替わりはやはりマイナス。前走G1組であれば一考の価値アリだが、それ以外で鞍上が乗り替わった場合は連対率3.7%、複勝率5.6%と、きわめて信頼度が低い。鞍上が継続騎乗する春の実績馬を素直に信頼するのが、ここは得策。徹頭徹尾、荒れないという前提で考えたほうがいい。

【馬場&血統総論】



・現在の馬場
 A→Bコース替わり。先行有利の傾向が、さらに加速する可能性アリ。

・天候予測
 スッキリしない天候が続くも、週末は曇り〜晴れ予報。良馬場前提で。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ダイワメジャー産駒○、ハービンジャー産駒▲、キングカメハメハ産駒△

 先週のローズSではシンハライトが一気の脚で差し切ったが、アレは飛び抜けた能力があってこその「離れ業」。馬場のバイアス自体は前有利であり、今週からBコース替わりとなることを考えると、この傾向が加速する可能性のほうが高い。週末は現在のところ曇り〜晴れの予報だが、ぐずついた天候が続いているだけに、道悪が多少は残るケースもあるはず。そうなると、なおさら前有利となるはずだ。

 血統面で注目すべきは、ディープインパクト産駒のイマイチぶりだ。複勝率は26.1%とそれなりに高いのだが、[2-9-7-51]で勝率わずか2.9%と、2〜3着に取りこぼすケースが非常に多い。これはハーツクライ産駒にもいえることで、末脚キレッキレ型の馬が前を捉まえそこねているのである。コースデータ&レースデータでも「前有利」という傾向が出ているだけに、過信は禁物か。

★出走登録馬・総論×各論

 ダービー馬のマカヒキが凱旋門賞の前哨戦を快勝し、皐月賞馬ディーマジェスティがセントライト記念を制覇。そして、ダービー2着のサトノダイヤモンドと同4着のエアスピネルがここに出走と、春のトップクラスが秋になっても快進撃を続けている。夏が過ぎても勢力図に何の変化もない──という、超ハイレベル世代らしい結果である。

 となると、ここも順当決着の可能性が大。しかも、神戸新聞杯は前述した通り、数ある重賞のなかでも有数の「堅いレース」だ。「鞍上が乗り替わらない前走ダービー5着以内馬」である、サトノダイヤモンドとエアスピネルの信頼度は、通常の重賞における人気より一枚も二枚も上。何の面白味もない結論になるが、この2頭が上位であるというのは、データ面から見ても明らかである。

 この2頭の序列も、トップ評価がサトノダイヤモンドで、二番手評価がエアスピネルと、人気に即したカタチとなった。サトノダイヤモンドはディープインパクト産駒という血統面にやや不安を残すが、末脚一辺倒というタイプではなく、中団で流れに乗って速い上がりを繰り出せるのが持ち味。操縦性の高さも素晴らしく、中間の調整を見るかぎり仕上がりも上々のはず。素直に信頼したい。

 逆転の可能性がある唯一の存在が、エアスピネル。しかし、ダービーでの0秒4という着差は意外に大きく、その馬体が長距離型には見えないというのも、気がかりな要素といえる。ダービーが「能力の高さで距離適性を克服しての4着」だとすると、ここでの逆転はなおさら難しいはず。非常に高いレベルで完成している1頭だが、それゆえに爆発力に欠ける側面があるのではないか。

 上位評価組はこの2頭だけで、以下はアグネスフォルテ、ジョルジュサンク、ミッキーロケット、カフジプリンス、ロードヴァンドールという評価の序列。もっとも、上位2頭を逆転するのはきわめて難しく、あくまで3着争い候補としての評価となる。ここはホームランなど狙わず、シュアなバッティングでのシングルヒットを目指したい。


■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース ローズS(G2)
1着 07シンハライト
2着 01クロコスミア
3着 03カイザーバル

軸の人気薄が9着ではドモナラズ(#^ω^)
自分の買った馬券のダメさはともかく、あの展開と馬場で突き抜けた、シンハライトの強さにビビった。メイチの仕上げではないのに、あれだけのパフォーマンスを出せるというのは、けっこうすごい。古馬や男馬との対戦が、今から楽しみデスヨ。

※コースデータと血統データは2012年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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