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“スポーツの秋”になって

  • 2016年09月24日(土) 12時00分


メンタルが強くなった日本のトップアスリート

 セントライト記念のディーマジェスティ、ローズSのシンハライト、ともにいいレースを見せてくれました。今週は神戸新聞杯にサトノダイヤモンド、オールカマーにゴールドアクターが出走し、“看板役者”たちが相次いで舞台に登場。この先のG1戦線に向けて、徐々に期待が高まってきます。

 今年は際立って雨が多くジメジメした9月になっているものの、やっぱりこの時期はスポーツの秋。競馬だけでなく、さまざまなスポーツがわれわれを楽しませてくれています。

 今週私は、バドミントン・ヨネックスオープンジャパンの中継に臨みました。大会は明日(25日)までなのでまだ終わったわけではありませんが、リオデジャネイロオリンピックで金メダルを獲得した高橋礼華・松友美佐紀ペアや、銅メダルを手にした奥原希望選手、同選手と史上に残る激闘を繰り広げた山口茜選手らの凱旋試合もあって、ここ(23日)まででもかなりの見応えがありました。

 とくに、オリンピックに続いてまたまた準々決勝で対戦した奥原VS山口の試合はおもしろかったですね。国内、国外の大会を通じてまだ1度も奥原に勝っていなかった山口が、ついに勝ち星をもぎ取ったんです。これでますます、今後の2人の対決がヒートアップしていきそうです。

 一方、金メダリストのタカマツペアは、2回戦(初戦)と準々決勝を快勝し、きょう(24日)の準決勝に駒を進めました。このうち2回戦の解説は小椋久美子さん。小椋さんはリオの決勝も解説されていたので、2人はどこが強くなったのかを改めて聞いてみると、一番に挙げてくれたのがメンタルの強さでした。確かに、リオでの2人は大舞台に緊張することなく、平常心で戦っているように見えました。

 ほかの競技でも、近ごろの日本のトップアスリートたちはメンタルが強くなったなぁ、と思うことがよくあります。精神力を鍛えるためのトレーニングが功を奏しているからこそ、なのでしょう。それともう1つ、ひょっとしたらインターネットやSNSが若い世代のメンタルを強くしているかもしれないとも思うようになってきました。インターネットでさまざまな情報を手に入れて相手をよく研究したり、SNSで応援してくれる人たちと瞬時に繋がって励ましてもらったりできますからね。

 逆にインターネットには、自分をアゲてくれるものだけではなく、奈落の底に突き落とされるような書き込みもあるはず。でも、インターネット世代のアスリートたちは、そういうものを跳ね返すたくましさを持ち合わせているような気もするんです。

 競馬のジョッキーも、勝つのは1人であとは全員負け。人気馬に乗って負けたら、何を言われるかわかりません。それにめげず、「次は勝つぞ」と歯を食いしばって頑張れる人の中から、強く上手な人が出てくるんでしょうね。

 私も、トップアスリートみたいにたくましくなりたいと思ってるんですが(汗)。

テレビ東京「ウイニング競馬」の実況を担当するフリーアナウンサー。中央だけでなく、地方、ばんえい、さらに海外にも精通する競馬通。著書には「矢野吉彦の世界競馬案内」など。

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