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ベルカントの半弟・アットザトップが姉のGI出走と同日にデビュー!

  • 2016年09月26日(月) 18時00分


【栗東】
◆サトノアーサー(牡、父ディープインパクト、母キングスローズ、栗東・池江泰寿厩舎)


 母は現役時代にニュージーランド、オーストラリアで活躍し、G1はNZ1000ギニーを制している。本馬は2015年セレクトセール1歳にて、1億9500万円(税抜)で落札されている。

 札幌競馬場に入厩した後、栗東へ移動し、9月22日にはレースでも騎乗予定の川田将雅騎手が跨ってCWでの併せ馬。フォイヤーヴェルクを追走して、追い出されてからしっかり伸びて先着。ラスト1Fは11.7秒と素晴らしい伸びを見せている。調教を見ている印象では、かなり気性の激しいところがありそうだが、それが瞬発力の源なのかも知れない。10月1日(土)阪神芝2000mでのデビュー戦が楽しみ。

◆アットザトップ(牡、父デュランダル、母セレブラール、栗東・角田晃一厩舎)


 半姉は今週のスプリンターズSにも出走予定のベルカント(父サクラバクシンオー)。姉は重賞5勝の名牝で、2歳時からファンタジーSを勝つなど息の長い活躍を見せている。それだけにどうしても姉との比較になるが「デュランダル産駒ということもあってか、体はコンパクトでひと回りくらい小さいですね。でも幅があって、ピッチ走法なので、短距離タイプであることは間違いなさそう」と角田晃一調教師。

 夏場に栗東へ入厩していたが、状態面も考慮して一旦放牧。9月に再入厩しているが、それからの動きは上々。9月14日のDPでは3頭併せを最後方から追走して同入しているし、9月21日の坂路ではレースで騎乗予定の松若風馬騎手が跨って、2歳未勝利に大差先着。時計は4F53.2秒とベルカントのデビュー前のベスト時計と変わらない。デビュー戦は姉のG1出走と同じ10月2日(日)、番組は阪神芝1200mが予定されている。

◆ゼルビーノ(牡、父ゴールドアリュール、母マチカネホレルナヨ、栗東・西園正都厩舎)


 半兄オレニホレルナヨ(父サクラバクシンオー)は芝短距離で4勝を挙げたが、本馬は10月1日(土)京都ダート1800mでデビュー予定。「父がゴールドアリュールで、その遺伝が強いのでしょう。いかにもダートの中距離タイプといった感じ」と西園正都調教師。

 調教も西園厩舎にしては珍しく、2週続けてのCW追い切り。9月22日はウニオミュスティカとの併せ馬だったが、追われてからしっかり伸びて先着。時計は6F82.2秒、1F12.1秒と速く、新馬としては水準以上の動き。1週前の時点で出走態勢が整ったという感じだろう。鞍上はM.デムーロ騎手が予定されている。

◆エイシンプロング(牝、父エイシンアポロン、母エイシンチーター、栗東・野中賢二厩舎)


 おじに2006年NZTを勝ったマイネルスケルツィや芝で4勝を挙げたティアップゴールドがいる血統。クロフネ産駒の半姉エイシンチャーターは京都ダート1400mの未勝利を勝ち上がっている。

 本馬は9月8日のゲート試験に合格。9月22日はレースでも騎乗予定の藤岡佑介騎手が跨って、芝コースでの追い切り。エイシンリーダーを追走して最後はきっちり追いついている。「余裕のある動きで、ジョッキーも好感触を掴んだようです。ゲートセンスがある馬なので、初戦向きでしょうね」と野中賢二調教師。10月2日(日)阪神芝1200mでのデビュー戦が予定されている。

【美浦】
◆ハートリッチ(牡、父ハービンジャー、母デアリングハート、美浦・加藤征弘厩舎)

 2015年のセレクトセールに上場され、宇田豊氏が6000万円(税抜)で落札した。サンデーサイレンス産駒の母は重賞3勝(クイーンS、府中牝馬S=2回)、NHKマイルC2着などの活躍馬。伯父に重賞3勝(武蔵野S、アンタレスS、マーキュリーC)のピットファイターがいる。ゲート試験に合格後は山元トレセンで乗り込み、9月に再入厩。中山の最終週に照準を定め、ウッドチップコースで追い切りの本数を重ねてきた。

「再入厩後も順調だし、ひと追い毎に良くなっている。ハービンジャーの子にしては緩さがないし、いい雰囲気。タイプ的に中山の馬場は合いそう」と加藤征弘調教師。10月2日(日)、中山の芝1800mを武豊騎手で予定している。

◆プンメリン(牝、父スズカマンボ、母メジロシーゴー、美浦・鹿戸雄一厩舎)

 2015年のセレクトセールに上場され、ビッグレッドファームが2100万円(税抜)で落札した。一族からは中京記念を連覇したフラガラッハが出ている。

「素直で前向きさがあるし、稽古では自分からハミを取っていく。本場馬(芝)でも水準級に動けているし、あとは実戦に行ってどうかでしょう。1600mや1800mも考えたけど、まずは1200mを使ってみることにした」と鹿戸雄一調教師。10月1日(土)、中山の芝1200mを予定している。

◆マイネルアムニス(牡、父Mizzen Mast、母Patineuse、美浦・畠山吉宏厩舎)

 異父兄のProtectionistは豪GIメルボルンCを勝ち、昨年の豪最優秀長距離馬に輝いた。この夏には独GIベルリン大賞を勝っている。22日には柴田大知騎手を背に坂路で4F52.4-37.9-24.4-11.8の好タイムをマーク。古馬のマイネルホウオウを相手に時計的にも目立つ動きを見せた。

「春に入厩したときは体質的にも弱いところがあったけど、牧場に戻して成長を促した。いい動きをしているし、ジョッキーの感触も上々。兄は長い距離で走っているけど、ガッシリとした体つきや調教の動きを見ると短い距離のほうが良さそう。芝から使うかダートにするかは様子を見て考えます」と畠山吉宏調教師。10月1日(土)と2日(日)に組まれている中山の芝1200mかダート1200mを予定している。

◆ウィーヴァー(牝、父ストリートセンス、母モケット、美浦・黒岩陽一厩舎)

 祖母は愛GIIIメイトロンSを勝っている他、英GIコロネーションS2着、米GIクイーンエリザベス2世C2着などの戦歴。3代母の異父兄にはMiswakiがいる。それほど目立つ時計こそ出していないが、仕上がり自体は順調なようだ。

「小柄な牝馬で仕上がり早。初戦向きのタイプだと思います」と黒岩陽一調教師。10月1日(土)、中山の芝1200mを田辺裕信騎手で予定している。

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栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

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