▲ダービー馬マカヒキが世界の頂を狙う(撮影:下野雄規)
前哨戦のニエル賞をきっちり制し、今週末、いよいよ凱旋門賞に挑戦するマカヒキ。直前になって有力馬の回避も発表され、日本競馬の悲願達成がすぐそこまで迫っているムードがあります。大きな舞台で結果を出すには、運を味方にすることもさることながら、地道な下準備こそが大切。ダービー後からトレセンに帰厩するまでの大事な調整を担ったのが、福島県にあるノーザンF天栄です。場長の木実谷雄太さんに、海外挑戦の舞台裏をお聞きします。(取材:編集部)
激戦を制したダービーの後は
――ニエル賞の勝利おめでとうございます。状態やレースぶりなど、様々なことに注目しながらの観戦だったのではないですか?
木実谷 そうですね。管理させていただいている馬が他にもいますので、現地に行くのはなかなか難しくて、こちらで映像を見ながら応援していました。画面を通してですが、馬場入場からすごく落ち着いていたのが印象的で、向こうに行って初めての環境にもうまく順応してくれたのが分かりましたね。それに加えてレースはかなり遅いペースになったと思うんですけど、折り合いもしっかりしていましたし、そういった部分でも改めてセンスの高さを感じました。
着差としてはわずかではありましたが、本番に向けての仕上がり状態と海外でのパフォーマンスを見極める上で、意味のあるいいレースになったんじゃないかなと思います。レース自体も、力を使ったのは最後の2ハロンくらいですし、疲れもさほどないのではないかと思いますね。
――ノーザンF天栄でマカヒキを管理したのは、今回で何度目になるのですか?
木実谷 デビュー戦(2015年10月)の後とダービーの後なので、今回で2回目になります。初めて入場した時から大人びた印象を持っていて、良い意味で完成されているなと感じていました。ダービーの後に久しぶりに馬を見させていただいたのですが、若干背が高くなったことと、以前にもまして無駄なことをしなくなっていました。気性面の成長は重要ですし、心身共に順調に成長していることを感じました。
▲2着のサトノダイヤモンドとの着差はわずか8cm。激戦のダービーの影響は?(撮影:下野雄規)
――ダービーは、2着のサトノダイヤモンドとの着差がわずか8cm。激戦の影響は見受けられましたか?
木実谷 ダービーはかなり激しい競馬だったと思うのですが、それでも順調な回復ぶりを見せてくれました。普通はクラシックを戦った馬というのは、回復にかなり手間取るものなのですが、マカヒキに関しては