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カミナリ嫌い!レッツゴードンキ

  • 2016年09月29日(木) 19時00分


 9月は雨がずいぶん多いですよね。栗東も例に漏れず、特に今週は毎日のように雨が降っています。特にびっくりしたのが28日水曜日の午後。ちょうど午後の手入れをしている時間帯のことでした。スプリンターズSに出走予定のドンちゃんことレッツゴードンキの可愛い顔を見に行こう!と思い、梅田厩舎に寄ったのです。ドンちゃんはいつもカメラを向けるとこっちを向いて、スッと可愛い顔をしてくれるので、それを期待していたのです。ところが…、ドンちゃんは全然こちらを向こうとしない。機嫌のいいときも、疲れているときも、いつもカメラだけは見てくれるのに…今日は明らかにへんです。

 そう、どうやらドンちゃんはカミナリが嫌いみたい。明らかにソワソワしながら馬房の外の雨空をジッと見ています。たまーにこっちを向いても、なんか上の空。干し草をちょっとつまんでは、また外を見ているという。その繰り返しでした。



 まぁ、ほかの馬やほかの厩舎の馬たちはどうかというと、ドンちゃんと同じようにどこかそわそわした感じは否めません。中には旋回癖のある馬はいつも以上に馬房の中をひたすらグルグル回っているのでありました。そして、カミナリなんですけど、どんどん光と音の間隔が狭まってきて。どんどん栗東に近づいていることを知らせていました。

 そして、なんだかずいぶん近づいてきたなぁ…と思っていたら……。

ドーン!!!

 その瞬間、テレビも、厩舎の灯りも、熱さを和らげるための扇風機も、すべて電源が切れてしまいました。……停電です。

 扇風機の音も、にぎやかなラジオの声もすべてピシャリと止んだ瞬間。恐怖におびえる馬の鳴き声がけたたましく厩舎に響きます。数分…いや、1分くらいかな?長い沈黙のあとに停電が解消されて、元通りにはなったのですが。馬たちはどこか不安気でしたね…。ドンちゃんはその日、全くカメラのほうを向いてくれることはありませんでした。ほんと、怖かったんだと思います。競馬ではあんなに凛としているのにね。知らなかった一面をみた気がしました。

 さて、肝心の状態ですが、「最終追い切りは頭で描いていたとおり。全体の時計は気にしないでラスト1ハロンを伸ばすという指示どおりで無事済ませることができました。カミナリはともかく(苦笑)、追い切り後の上がり運動もとてもリラックスしていたし、とても順調ですよ」と梅田師はかなりの手ごたえを感じているようです。

 かなり色気を持っているようで「3歳時はクラシックを意識したから距離を延ばしていたが、本来は母と同じく短距離のほうがいいと思う。1200の競馬も整ってきたし、桜花賞を勝ったときのように鮮やかに走ってほしいね」と笑顔で答えてくれました。

 週末のお天気もあまり期待できそうにありませんが、ドンちゃんほか、出走各馬のメンタルがいいかんじで保てるように、カミナリだけはやめてね!

 そして、今週末。海の向こうでは凱旋門賞が行われるじゃありませんか!あの、子犬のようなマカヒキが世界の一線級と戦うんですね!!


 気持ちの切り替えが上手なマカヒキのこと、今は間違いなく子犬モードではなくキリッと臨戦態勢に入っていることでしょう。無事、力を出し切って悔いのない競馬を見せてほしいです。がんばってくださーい!!!

デジタルレシピ研究家。パソコン教師→競馬評論家に転身→IT業界にも復帰。競馬予想は卒業したが、現在も栗東トレセンでニュースやコラム中心の取材を続けている。“ねぇさん”と呼ばれる世話焼きが高じ、AFPを取得しお金の相談も受ける毎日。公式ブログ「ねぇブロ」(http://ameblo.jp/takako-hanaoka/)

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