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能力全開なら、重賞を楽に勝てるレベル/シリウスS

  • 2016年09月30日(金) 18時00分


秋山騎手とのコンビで好成績

 この時期の阪神ダート2000mになったのは、2007年。ちょうどダート競馬の評価が一段と高くなった時期と一致するため、9年間で若手の3〜4歳馬が「5頭」も勝っているところが隠れたポイント。

 かつて、ダートの中〜長距離戦はベテランの古馬が主役の時代が長く続いたことがあったが、それは途中からダート戦に方向転換した馬の多い時代であり、最近のダートのトップホースは、早い時期からダート競馬にマトを絞っている。

 ここにも好成績を続けている3〜4歳の人気馬が3頭含まれるが、狙いは5歳馬のわりにキャリアが浅いマスクゾロ(父ローマンルーラー)。

 脚部に不安を抱える時期があったため、5歳の秋ながらダート戦の通算成績は【6-1-0-4】にとどまる。勝つか、負けるかはっきりしているのは、脚元に不安が出て順調さを欠き、長期休養明けになったケースが含まれるからであり、ムラな気性などが原因ではない。

 5歳の今年も間をあけて2戦しただけだが、4月の1600万特別・桃山S(京都ダート1900m)は、4ヶ月半ぶりながら1分55秒9の好タイムで3馬身半差の圧勝。速いペースに前半は中団追走となったが、上がり36秒4-12秒6でまだ余力があった。同開催のアスカノロマンが5馬身差で完勝した「平安S」が1分56秒2だから、レースレベルは推測できる。マスクゾロの時計は2000mなら、推定「2分02秒台前半」の快時計でもある。

 それからまた4ヶ月間を空けた格上がりのオープンの「ジュライS」1800mも1分51秒0(上がり36秒0)で6馬身差の独走。まともな状態で能力を全開するなら、GII〜IIIの重賞を楽に勝てるレベルに成長した。

 コンビを組むことになった秋山騎手とは、目下の2連勝を含め【2-1-0-0】。

 弱気になったときの秋山騎手は大事に、慎重に乗るので物足りない結果になるケースがあるが、騎乗馬の能力に自信があるときはダートなら正攻法で先行する。

 行きたい馬は少ない。2ヶ月半ぶりの出走は、この馬とすれば順調に近い。

 父は、フサイチペガサス直仔のGI馬。牝系の近親馬にはパワフルなスピード型種牡馬マーケトリー(ハリウッドGCなどGIを3勝)がいる典型的なアメリカ血統であり(GBからアルゼンチン経由)、いよいよ重賞に手が届くだろう。

 ダートに転じて一変のピオネロ、急上昇の4歳ミツバ、同じく上昇著しい3歳キョウエイギアが相手の本線。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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