強引なレースはしないはず
また、内枠を引いた
ビッグアーサー(父サクラバクシンオー)。今回は先手を主張する馬がいるなら、好位抜け出しを考えていたと思われるが、最内だけに他が好ダッシュを決めないと、また、自分でレースを作ることになるかもしれない。
理想をいえば、前回のような前傾ラップ「33秒1-34秒5」=1分07秒6は踏みたくない。中山で同じように自分でレースを作りにでると、前半が下り坂に近いから、なだめて楽に行っているつもりでも、ビッグアーサー級になると、前半32秒台になりかねない。高速の芝コンディションではないから、かりに「1分07秒8」を推定勝ちタイムとすると、自身は「32秒8-35秒0」ぐらいのバランスになりかねない。
スプリントG1の中心馬の本当の相手は、時計であるケースも珍しくない。推定勝ちタイム通り1分07秒8で決着するなら、このレースをその時計で乗り切れない馬は勝ち負けに関係することはない。
だが、全体バランスが崩れると、前傾バランスになり過ぎても、後傾バランスになり過ぎても、それは計算通りではなく、自身のレースの中身が怪しくなると同時に、ライバルの隠されていた可能性が引き出される危険が生じる。
中京の坂はこなしたが、初コースになる中山には、ゴール直前に急坂がある。猛追がある。ただ、予想外に雨の影響を受けない限り、本格化し、レースの幅が増し、道中の位置取りに注文のつかなくなったビッグアーサー断然優位は揺るがないと思える。未知の新星はなく、ほとんどが勝負付けの済んだ馬か、ランキングの大きく異なる馬。
仮に、他馬のダッシュが鈍く、再び自身でレースを作ることになっても、もともとが行きたがる馬ではないから、前半33秒台を切るような強引なレースはしないはずである。サクラバクシンオーのタフな父系の成長力を考えれば、もう一段パワーアップもある。
ビッグアーサーの相手をひねりたい。8歳馬ながら、今回は絶好調時に近いのではないか、と思わせる動きを見せた
スノードラゴンは侮れない。少しかかったとはいえ、前回の前半33秒4は自己最高のダッシュ。まだ、陰りはない。今度は、芝・ダートを合わせまず凡走なしの得意の中山コースになる。外を引いたのは痛いが、昨年0秒2差で5着の
ウリウリ、前回、外に出て追い込んできた
ネロも、あれはフロックではない。