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久しぶりに気持ち良い!9月で一番“快感”だったレース

  • 2016年10月04日(火) 18時01分
小牧太

今回は「一番気持ちが良かったレース」と「一番うれしかったレース」について


先週に引き続き、9月のレース回顧を。「一番気持ちが良かったレース」と「一番うれしかったレース」について、その理由とともにじっくりと語ってくれました。また、今週末は、毎日王冠に出走するクラレントとともに東京へ。クラレントはもちろん、昇級初戦となるビップライブリーの走りにも注目です!
(取材・文/不破由妃子)


52キロでの唯一の勝利、あれは嬉しかったわ

──9月は先週振り返っていただいたレース以外にも、見応えのあるレースがありました。なかでも印象的なレースというと?

小牧 一番気持ち良かったのが、阪神の最終レース(9月10日・3歳上500万下)を勝ったビップライブリーやね。あれは久しぶりに気持ちが良かった。

──その前のレース(6月18日・阪神12R・3歳上500万下)では、直線で行き場をなくして悔しい思いをされた馬ですよね。

小牧 そうそう、行くところがなくて詰まってしまって。今回も前と同じ内枠やったけど、今回は出遅れて正解やったね。まぁ結果論やけど。

──あそこまで手応えがいいと、進路を探す余裕がありますものね。

小牧 そうそう。もう持ったままやった。なんせ500万にいるような馬ではないからね。ちょっと気が難しいところがあって、ゲートにも課題があるけど、これからが楽しみな馬なのは間違いない。

──ビップライブリーといえば、新馬が強烈でした。あのときは後方待機からの大外一気で。

小牧 そうやったね。でも、この馬、道中の位置取りは関係ないよ。好位から行った前々走も、本来なら勝ってるレースやし。ただ、少し引っ掛かるんでね。ゲートからヘタに出して行くと、それはそれでどうなるか。

──この前のように、逆にワンテンポ遅れるくらいがちょうどいいとか?

小牧 確かにそのほうが楽ではあるけど、クラスが上がったらそういうわけにはいかんしね。

──次は東京ですね(10月9日・東京9R・六社特別)。

小牧 うん、東京はいいかもしれない。そこでどんな競馬ができるか…。勝ってくれたら、今後につながるね。あと、最近うれしかったのはワンダーピルエット(9月3日・小倉8R・3歳上500万下)。あれは嬉しかったわ。なんせこの夏、52キロで唯一勝ったレースやから。

──そういえばそうでしたね。

小牧 今年は52キロに乗るって決めたのは僕だけど、決めた途端、毎週のように52キロが入ってきて(苦笑)。こんなに続けて52キロに乗ったのは本当に久々やったわ。減量もそうやけど、勝ったあとがなんとまぁしんどいことか(苦笑)。減量していたのと、目一杯に追ったこともあって、久しぶりにしんどいなと思ったわ。まぁそれ以上に嬉しかったけどね。

──確かに、この夏はいつにも増して減量モードに入っていましたよね。

小牧 うん、小倉開催中はろくに食わんかったもん。それこそ金曜、土曜と、おにぎり1個とか。まぁ、競馬が終わったらすぐに食べるから、体調を崩すことはなかったけど。僕はホンマに丈夫やわ(笑)。

──そんななかでの52キロでの勝利。一番うれしかったというのも納得です。

小牧 なんせ52キロではワンダーピルエットでしか勝てへんかったからね。ある意味、思い出の1勝や。この夏は2、3着が多かったけど、斤量に関係なく、ジョッキーにとって勝つことが最上の薬。最近、改めて思ったわ。あとはやっぱり、どこかで重賞を勝ちたいね。
小牧太

最近、改めて思ったわ。あとはやっぱり、どこかで重賞を勝ちたいね


──そうですね! 毎日王冠にはクラレントがスタンバイしています。

小牧 年齢的に大きな変化はないけど、東京は走るからね。ビップライブリーともども頑張ってきますわ。

──期待しております! では、ユーザーからの質問をひとつ。「ジョッキーによって使用するムチの種類が違いますが、具体的な違いを教えてください。また、小牧騎手ならではの馬具へのこだわりがあれば教えてください」という質問がきていますが、そういえば、浦和(オーバルスプリント当日)でムチをなくされましたよね? 出てきましたか?

小牧 いや、出てこうへん。全部調べてもらったんやけど…。こんなの初めてや。

──あのときは急きょ、戸崎さんに借りられていましたが、やはり自分のムチじゃないと違和感があるのでは?

小牧 握った瞬間は、「あっ、やっぱり違うな」と感じるけど、レースに行ってしまえば気にならない程度やね。馬具へのこだわりといえば、まさにムチかな。前にも話したことがあるかもしれんけど、既製品が多いなか、僕のムチは手作りやから。1本なくなったから、ちょうど発注したところやわ。

──各ジョッキーによる具体的な違いは?

小牧 グリップの太さもいろいろやし、長さも違うし、あとは“しなり具合”も違う。それはもう、人それぞれの好みやね。馬具は最近、軽い素材のものがどんどん出てきたから、僕もこの夏は52キロ用に軽いブーツを作ってね。

──それまでの履いていたブーツとは、だいぶ重さが違うんですか?

小牧 うん、200グラムは違うと思う。減量をしていると、この200グラムが本当に大きい。軽いぶんペラペラやけど、素材はすごくしっかりしてるし、この夏はずいぶんこのブーツに助けられたわ。
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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