スケールあふれるレースだった前走
昨15年から、旧「いちょうS」に変わって新設されたマイル重賞。ちょっと時期は異なるが、かつてエアグルーヴ(種牡馬ルーラーシップの母)や、メジロドーベル、最近ではイスラボニータなどが勝った出世レースである。と同時に、不良馬場の11年には人気の中心アーデントが抜け出して勝ったが、最近10年、1番人気に支持されて勝ったのはその1頭だけという、不思議なレースでもある。
東京コースだから、もちろん素質重視、スケールに注目だが、1分34秒2で決着した昨年、勝ったのはインを衝いて上がり33秒4で伸びた4番人気のブレイブスマッシュ。高いマイル適性を持ち、器用なレース運びができる鋭い馬こそが狙い、という典型的な2歳戦でもある。
スケールあふれるレースを展開しながら、中京芝1600mの新馬を、上がり33秒9でまとめ、余力十分だった
クライムメジャー(父ダイワメジャー)に注目。
ダイワメジャー(今年も現在のところ2歳種牡馬ランキング1位)の産駒らしいレースセンスを生かして快勝したのはたしかだが、「道中はずっと遊んでいたくらい(デムーロ騎手)」。今週の最終追い切りでも鋭いバネを感じさせた。
母の父トニービン。1回使って一変の特質を伝える。3代母はオールドスタッフ(父アイリッシュリヴァー。母アンティックヴァリュー)。オールドスタッフは、名牝ベガ(父トニービン)の半姉にあたり、同じように日本に来た自分の娘にトニービンを配されて生まれたのがクライムメジャーの母クライウィズジョイなので、血統構成はベガのファミリーと良く似た馬が多い。早い時期から活躍するダイワメジャー産駒の中では、豊かな成長力があるはずである。
案外、将来性、スケール勝負にならないのが最近のパターンなので、東京の新馬1400mを上がり32秒9で追い込んだ
ブレスジャーニーと、インに突っ込んできそうな
バリンジャーを相手本線にしたい。週中まで「雨予報」だったが、土曜日はなんとか持ちそうな予報に変化した。