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シンハライト不在の影響

  • 2016年10月11日(火) 12時00分


ローズSの2着以下馬or別路線組

 今年の秋華賞は絶対的な存在と見られていたシンハライトの戦線離脱で、一気に混沌としてきた。

 オークス馬ということはもちろん、ローズS1番人気1着馬が居なくなるということの影響は果てしなく大きい。ここで問題となるのが、同馬がいなくなることによって、ローズSの2着以下馬にチャンスが生ずるのか、それとも別路線組が得をするのかということである。

 紫苑Sの位置付けが変わっているいま、過去のデータが参考になるかは分からないが、過去の事例を振り返ってみよう。

 ローズS1着馬が秋華賞本番に不在というのは、過去に1回あるのみ。01年で、ダイヤモンドビコーが回避した。

 ローズS2着のローズバドが本番も2着したが、勝ったのはオークスからぶっつけのテイエムオーシャン。ローズS組は3〜8着馬がすべて揃っていたが、ローズバド以外ではサクセスストレインの4着が最高。3着はオークス→紫苑Sのレディパステルだった。

 ローズS1番人気馬の秋華賞不在は97年、04年と2回起きている。97年はシーキングザパール、04年はダイワエルシエーロが不在だった。

 97年はローズS2番人気1着のキョウエイマーチが2着したが、勝ったのはオークス→オールカマーのメジロドーベル。3着はクイーンSから来たエイシンカチータで、ローズS組の繰り上がりはなかった。

 04年はローズS2番人気3着のスイープトウショウが勝ったが、他に5頭いたローズS組は全滅。2着はクイーンS経由のヤマニンシュクル、3着もクイーンS経由のウイングレットだった。

 あまりに少ない参考材料だが、こうしてみるとローズS組が簡単に繰り上がるようなことは期待しづらそうだ。特にジュエラーの復活を期待するという前提だと、買っていいローズS組はあと1頭、場合によってはゼロとなる。

 ただ悩みは、今年は前走クイーンS組に該当馬がなく、これまでの成績が悪い紫苑Sが重賞に格上げされて該当馬がたんまり居るということ。この状況下では紫苑S組を買わざるをえないが、ここまでの同組の成績を見るとちょっと腰がひけてしまう。

 あとの選択肢は前走1000万条件組の2頭と、ラジオNIKKEI賞以来となるダイワドレッサー。このあたりの馬が今年の馬券においてポイントとなりそうだ。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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