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池江泰寿厩舎の新馬戦・調教プロファイル(辻三蔵)

  • 2016年10月11日(火) 18時00分


◆2歳馬に賭ける意気込みが伝わってくる

 今年の2歳新馬戦の調教師別成績を調べると、池江泰寿厩舎が最多の6勝を挙げている(データは2016年6月1日-10月11日現在)。出走回数19回は鈴木孝志、牧光二厩舎と並び最多タイ。昨年同時期の出走回数が8回(新馬戦2勝)と少なかっただけに、今年の2歳馬に賭ける意気込みが伝わってくる。

 8月以降に新馬勝ちしたミスエルテ、ペルシアンナイト、ミラアイトーンの共通点は5-6月に入厩して、ゲート試験に合格していること。その上で一旦放牧に出し、心身の成長を促していた。栗東の環境に早めに慣れさせることで、帰厩後の調整がスムーズに進むように工夫している。

 新馬戦に向かうまでの調整方法もシステム化している。デビュー日から逆算して3週前に入厩。中間の調整では栗東CWコースで「6F追い」を2本行う。

 全体時計は6F82-83秒台が好走の目安。4F目から上がり重点の調整を行い、ラスト1Fを12秒前半でまとめるのが理想だ。週末の日曜追いは坂路で行い、乗り込み本数は6-7本が基準になる。

 直前追い切りは通常、栗東CWコースを使用する。降雨の影響で馬場状態が悪い場合は、ミスエルテのようにポリトラックコースで追い切る。

 栗東CWコースの最終調整は「4F追い」。実戦を想定して瞬発力を引き出すのが目的。終いの伸びが重要なのでラスト1F12秒前半は必須だ。

 併せ馬で闘争心を促し、「ゴール前同入」が基本。能力に応じて調教相手を決めるので格上相手に先着したときは高評価。ミラアイトーンは直前追い切りでサトノラーゼン(古馬オープン)と併せ馬を行い、先着している。池江厩舎が新馬戦を使う場合は調教時計を見れば勝負気配がわかる。

 栗東CWコースの好走時計は[4F53-54秒台、3F38-39秒台、1F12秒前半]。

 今年の池江泰寿厩舎の2歳新馬戦の調教パターンを調教コース:栗東CW、4F53秒6以内、3F38秒8以内、1F12秒1以内、併せ調教:先着・同入に設定した場合、[4-1-0-1](勝率67%、複勝率83%)と好成績を収めている。

 池江厩舎は昨年春から栗東CWコースでの「4F追い」を導入しているが、今年の春シーズンは従来の「6F追い」に戻していた。しかし、重賞出走馬に関しては今年9月から「4F追い」を再導入している。サトノノブレス(オールカマー2着)、サトノダイヤモンド(神戸新聞杯1着)、ラブリーデイ(京都大賞典3着)は栗東CWコースで「4F追い」を行い、堅実な成績を収めている。調教での負担を減らし、フレッシュな状態で使うことで秋のGIレースを乗り切る体力を温存している。

 同じ意図は2歳新馬にも感じる。調教の段階で目一杯に仕上げず、おつりを残した状態で使うことでレース後の消耗を最小限に抑えている。実戦で経験する負荷を利用して成長を促進し、潜在能力を高めている。栗東CWコースでの「4F追い」は新馬戦だけではなく、長期間活躍するためには最適な調教方法だ。

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