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フロンテア サムソン産駒の頑強さで立ち向かう/トレセン発秘話

  • 2016年10月13日(木) 18時00分


◆夢を諦めない国枝師

 先週水曜(5日)、突如として舞い込んだ「シンハライト秋華賞回避」の報は、遠い美浦トレセンにも大きな衝撃を与えた。

「本当か!? おそらく屈腱炎だろうが、3冠路線を無事に行くのは簡単そうで難しいんだよ。う〜ん、(5冠馬の)アパパネなんか、健康なのが最大の強みだったからな」

 こう漏らしたのは、今年フロンテアクイーンを送り出す国枝栄調教師。自身も同じ症状でカミノタサハラのダービー(13年)をフイにしているだけに、陣営の無念もよく分かるのだろう。いずれにせよ、チェッキーノに続く有力馬のリタイアで、牝馬第3冠はオークス1、2着馬が不在になった。

「もっとも、これでウチの着順は上がるかな」と続けた国枝師に「(オークス6着の)フロンテア4着が見えましたね」と当方が返すと「夢のないことを言うなよ」と渋い顔。「まあ実際、紫苑S(3着)は3角過ぎにロスがあったとはいえ、2着ヴィブロスはもっと大きな不利を受けたわけだから大きなことは言えないかもしれない。それでも舞台は内回りの京都二千。立ち回り次第であの差は詰まるし、(蛯名)マサヨシも腕の見せどころだろう。メイショウサムソン産駒の頑強さで立ち向かいたいね」と指揮官は夢を諦めない姿勢を強調した。

 実際、秋華賞は立ち回り次第で好走できるレースでもある。07年、好位からしぶとく脚を使い、1着ダイワスカーレット、3着ウオッカの“2強”の一角に食い込んだ2着レインダンス(7番人気)。翌08年、16番人気ながら果敢な逃げで3着に粘ったプロヴィナージュ。波乱演出が可能な馬を探すのが牝馬第3冠の予想の醍醐味かもしれない。

「前走(紫苑S8着)は行くところ前がふさがって、今年の中では自分が一番下手に乗ったレース。それでも盛り返して1秒4差だし、能力はある。もう同じことはできない」

“穴男”松岡正海がこう語るウインファビラスも本来は立ち回りのうまさを武器とするタイプ。「春は減った体を戻すことに手一杯だったが、落ち着きが出て秋はいい雰囲気。叩いて状態はさらに上がっているし、能力的にそこまで差はない」と腕をぶす。リタイア続出で波乱含みの戦況なら、今年は思い切った穴狙いも許されそうな気がしているが…。(美浦の宴会野郎・山村隆司)

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