魅力的な母父エルコンドルパサー
遠い時代とは競走馬の年齢に対する考え方も、競走馬としての寿命そのものも異なるが、「牝馬東京タイムズ杯」などの当時を含め、1953年以降ここまで63回、「6歳以上」の牝馬は計62頭出走しているが、まだ1度も勝ったことがない。これは偶然ではないだろう。2010年に6歳セラフィックロンプ(14番人気)が2着に粘り込み、1997年に7歳グロリーシャルマン(5番人気)が2着に突っ込んだのが、数少ない連対の2例であり、6歳以上馬の全成績は【0-2-2-58】となる。
今週の「秋華賞」では、中山の紫苑Sがトライアルとして創設されて過去16年間、紫苑Sを経由した「関東馬」は、ただの1度も秋華賞で連対したことがない、という怖い記録があったりする。ビッシュなどが該当する。
府中牝馬Sでは、2年連続2着の
スマートレイアー(6歳)のような力量馬が出ていなかっただけのこと。また、秋華賞でも、クラシック連対級の力量馬は紫苑Sになどめったに出走していないだけのこと。という理由があるが、こういう数字にこだわりたいファンは、今週は考えどころである。特に秋華賞。16年間というなら、それはそれなりのデータに相当するが、単に16回というならデータではないから難儀である。
府中牝馬Sは、2走前のヴィクトリアマイルでは距離1600mが短く、また、直線で行くところが塞がり9着に凡走しているが、5歳
シュンドルボン(父ハーツクライ)から入りたい。今度は、最近は流れの緩みがちな1800mである。芝1800mは通算【4-3-0-0】。3走前の中山牝馬S・1800mでは、先週の毎日王冠・1800mを快勝したルージュバックを封じている。
父ハーツクライの成長力に加え、母の父エルコンドルパサーも大きな魅力。毎日王冠小差2着のアンビシャス、エリザベス女王杯で対決することになりそうなマリアライトなどの活躍で、エルコンドルパサーのブルードメアサイアーランキングは近年になって急上昇である。伝えるパワーとスタミナが、長続きする力強い末脚にストレートにつながっている。
4歳
クイーンズリング、
シャルールあたりを本線に強気にいきたい。6歳スマートレイアー、
カフェブリリアントも2着になら抑えられる。