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新馬戦で良い馬に乗っているのは誰?(須田鷹雄)

  • 2016年10月18日(火) 18時00分


◆当たり馬を逃していないルメール

 この時期、自分の指名馬がデビューするのはなによりの楽しみだが、乗ってくる騎手によって「期待されてるのでは!」「されていないのか!?」と一喜一憂する方も多いことだろう。

 今回はふと思い立って、「デビュー時点で一番良い馬に乗っているのは誰なのか」ということを調べてみた。対象は、10月11日時点でのJRAリーディング騎手10人。デムーロ騎手やルメール騎手は短期免許時代がほとんどで、戸崎騎手は地方時代を含むことになる。そのぶん正確な資料というわけではなく、あくまで余興と思っていただきたい。対象は現3-7歳世代だが、その5年の間、そしていまも騎手の勢力図は変わりつつあるわけで、そのような部分は集計に反映されない。くどいようだが余興である。

 調査は、まず騎手ごとに2歳新馬戦(3歳新馬戦は含まない)で騎乗した馬を集める。その馬たちが、2戦目以降・3歳6月までに走ったレースの成績を集計し(POG前提なのでそれより後の成績は考慮しない)、1頭あたり賞金、1走あたり賞金をまず求める。この期間に馬が走れるレースの数はさほど変わらないので、ランキングは両者ともほぼ同じになる。

 さらに、1走あたり賞金については「新馬戦で乗っていた騎手自身が乗った場合限定」という数値も添えた。普通の1走あたり賞金と比べてこの数字が大きい場合は素質馬をきっちりキープして走らない馬はリリースしている(騎手が騎乗馬をすべて選べるわけではないが、お手馬がかち合った場合の選択などはある)ということを示し、逆は良い馬が他の騎手に流れていってしまっていることを示すと言えるだろう。

 1頭あたり賞金順に記すと、結果は以下の通り。

デビュー時騎手 1頭あたり賞金 1走あたり賞金 自身騎乗時1走あたり賞金

M・デムーロ 1425万円 301万円 206万円
ルメール 1254万円 287万円 705万円
川田将雅 1159万円 233万円 377万円
福永祐一 1096万円 228万円 365万円
岩田康誠 892万円 174万円 271万円
武豊 824万円 164万円 248万円
戸崎圭太 797万円 169万円 278万円
蛯名正義 767万円 159万円 302万円
内田博幸 600万円 124万円 155万円
田辺裕信 456万円 95万円 176万円

 デビュー時点で良い馬に乗っている度合いはデムーロ騎手が1位だが、自身騎乗時の数字がやけに悪い。総合の1走あたりより自身騎乗時のほうが低いのはデムーロだけだ。理由はジェンティルドンナ、スマートオーディン、マカヒキの3頭で、これは誰が悪いというより運も悪かった。今後は新馬から重賞まで通しで活躍する馬も出てくるだろう。

 2位以下ではルメールの強さが目立ち、特に当たり馬をその後も逃していない。3位以下はやはり西高東低の影響で、関西騎手が有利、関東騎手が不利となっている。個人的には田辺騎手にはもっと良い馬が回ってもよいのに、と思ったりしている。

 「だから何?」と言われても文句が言えない情報だが、今後の新馬戦を楽しむ一助にしていただければ幸いである。

 これだけでは申し訳ないので、前回触れたカレンの2頭について続報を。カレンカカは今週ゲートを受ける予定。まだ太いとのことで、5回京都の終わりか5回阪神を予定。安田師によるとストライドが大きいとのこと。姉(カレンチャン)よりは距離をこなすかもしれない。姉も当初はマイルくらいの馬かと思われていた。カレンラヴニールは帰厩時期未定で、平田師によると大事な馬なので納得のいく状態になってから、とのことだった。

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