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エリザベス女王杯

  • 2004年11月15日(月) 12時38分
 2200mのこのG1は年ごとによって流れ(ペース)が著しく異なる。今年、逃げ=先行はメイショウバトラー、オースミハルカで、たぶん最後方近くにいるのはスイープトウショウ。この形は推測できた。先行型の競る形はありえないが、前半60秒前後−後半60秒前後の平均ペースの公算大と考えられたが、メイショウバトラーの前半は61.0秒。それにしてはタテ長になりすぎ、中間地点でまったく無理なく中団の前にいたのがアドマイヤグルーヴ。自信の正攻法の位置どりで、この時点でアドマイヤグルーヴの好勝負は必然、持てる能力通りだった。中1週でも落ち着き払って気配をキープし、体調面の不安はなし。母エアグルーヴはもっときついローテーションを克服したほどで、精神的にもタフな一族といえる。

 オースミハルカは2番手でうまく折り合い能力は出し切っている。先行馬向きの流れに自然に乗れたのだから、一連の成績通りこの好走は納得だろう。負けはしたが持ち味は十分に出し切っている。

 3着エルノヴァは直線中ほどで外のスイープトウショウにかわされかけたが、寸前でまた伸びて3着。まだ脚があった印象もある(ジャパンCに登録した)。ペリエ騎手はアドマイヤグルーヴをマークすると思えたが、やや離されすぎた。置かれるようなペースではなかっただけに悔いが残り、だからジャパンCへの登録なのだろう。

 スイープトウショウは本馬場入場の時点で立ち止まるなど、ゲート入りだけでなく、全体のリズムが崩れていた。スローペース向きの追い込み一手型。上がり33.2秒で5着は上々だろう。ゴール寸前は止まっている。

 復活の期待されたスティルインラブは、アドマイヤと同じ位置にいて伸びなかった。今回は体調文句なしとみえたが、一度スランプに陥った古馬牝馬の復調は、そう期待通りのサイクルでは回転しないということだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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