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アンビシャスを頂へ導く 横山典「匠の技」/トレセン発秘話

  • 2016年10月26日(水) 18時00分


◆昆調教師「関西だったらもっとたくさん騎乗依頼するんだけどね」

 今年もライアン・ムーアが短期免許でやってくる。天皇賞・秋で騎乗予定のモーリスを筆頭に、“ムーア旋風”がまたまた吹き荒れる予感十分なファンは多いと思うが、一方でこんな意見があることを紹介しておきたい。

「確かにうまいんだろうけど、(外国人騎手に関しては)ちょっと持ち上げ過ぎの気もするな。夏の北海道シリーズのモレイラの活躍にしても、いい馬ばかり乗っていたからな。あれだけの馬に、日本のトップジョッキーを乗せたら、もっと勝つと思うよ」(昆調教師)

 その真偽はともかく、ネコもしゃくしもムーアだ、モレイラだと、外国人騎手が手放しで称賛される中、日本人ジョッキーサイドに立って、その技術の高さをしっかりアナウンスする調教師がいることにホッとする坂路野郎であった。

 そんな昆調教師が「仮に関西のジョッキーだったら、もっとたくさん騎乗依頼するんだけどね」と、その技術を高く評価するのが東のベテラン・横山典弘だ。

「短い手綱でうまく御しているし、馬の気持ちをくみ取って競馬をするのが抜群にうまい」とその騎乗ぶりを絶賛している。先週日曜の東京メーン・ブラジルCでミツバを初の逃げ切り勝ちに導いた騎乗はその典型例と言えようか。

 昆調教師の言葉に追従するわけではないが、天皇賞・秋で坂路野郎が本命候補として注目しているのも横山典が騎乗するアンビシャスだ。

 初騎乗だった今年4月の大阪杯で、かかりやすいアンビシャスを2番手で我慢させて勝利に導いた際には、2着キタサンブラックの武豊を「まさかアンビシャスがあの位置にいるとは…」と脱帽させた。天才ジョッキーをも幻惑させた騎乗ぶりはまさに“匠の技”だ。

「前走(毎日王冠2着)は(長距離)輸送した割にプラス体重で出走できたので、今度はより調教がしやすいですね。休み明けからいい状態だったので、ガラッと変わった感じはないですけど、だんだん馬はしっかりしてきました」とは担当の蛭田助手。「この馬は相手どうのより自分との闘い。このメンバーでも折り合えればヒケは取りません」とポテンシャルの高さには自信を持っている。

 決して乗りやすいタイプではないアンビシャスを今度は名手がどう導くのか? ムーアにも負けない日本の“技術力”をぜひとも満天下に知らしめてほしい。 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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