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2歳戦線今週の注目は ミスエルテの勝ちっぷりと…/吉田竜作マル秘週報

  • 2016年11月02日(水) 18時00分


◆カデナに注目の百日草特別

 2歳牝馬戦線の大本命ミスエルテ(池江)がGIIIファンタジーS(5日=京都芝外1400メートル)に出走する。オープン勝ちこそ、アイビーSを制したソウルスターリング(藤沢和)に先を越されたが、ここを勝てばフランケル産駒としては日本で初めての重賞タイトル奪取。12・11阪神JFが今から待ち遠しくなるようなレースを見せてほしいものだ。

 このミスエルテはノーザンファーム生産で、サンデーレーシング所属。牧場、馬主絡みでの、いわゆる“使い分け”が少なからずあったのではないか。例えばミスエルテと同じ牧場、同じ馬主のききょうSの勝ち馬ジューヌエコール(安田)が次週のGIIデイリー杯2歳S(12日=京都芝外1600メートル)へと向かうことになったのは、いかにも“使い分け”に見えるのだが…。この馬の場合は明確に他の意図があったのだという。

「別に牧場やオーナーサイドから何か言われたわけじゃないんですよ。1400メートルはクリアしてくれたので、先のことを見据えて1600メートルを試してみたかったんです」と安田調教師。

 もともと、ジューヌエコールの血統(父クロフネ、母ルミナスポイント)はスプリント色が強く出る傾向にある。デビュー前に安田師は「1200メートルから使えば、その距離の馬になってしまいますから。そうならないように調教の段階からやってきました」と語っていた。新馬戦→ききょうSと続けて距離1400メートルをクリアしたことで、さらなる高みを目指してチャレンジすることを選択した、というわけだ。

「これまではゲートがもうひとつでしたが、縛って練習してからはゲートの中でもおとなしくなった。1600メートルでも上手に競馬をしてくれると先が楽しみになりますね」

 骨っぽい相手が揃うデイリー杯2歳Sを乗り越えられれば、2歳女王の座もハッキリと視界に入ってくる。

 土曜(5日)はファンタジーSの他に、東京でGII京王杯2歳S(芝1400メートル)も行われる。ファンの目はどうしてもこの2重賞にいくのだろうが、日曜(6日)東京の500万下・百日草特別(芝2000メートル)にもぜひ注目してほしい馬がエントリーしている。ディープインパクト産駒のカデナ(中竹)だ。

 初戦(阪神芝外1600メートル)は直線で物見をしたのか、斜めに走ってしまいクビ差2着に敗れたが、続く未勝利戦(阪神芝外1800メートル)ではまったく危なげないレース運び。「(鞍上の武)豊も“ディープインパクトに似ていますね”と言ってくれたんだ」と中竹調教師もご満悦だった。ちなみに「ぜひ東スポ杯に」とお願いしたのだが、「オーナー(前田幸治氏)が“まずは自己条件で手堅く”と言うので」と丁寧に却下された。

「キズナと同じようなローテーションを意識してるんじゃないかな。あくまで目標は来春のクラシック。暮れもGI(朝日杯FS)ではなく、GII(ホープフルS)になるんじゃないか。そうすれば、今回の東京、次の中山と“下見”ができることになるし。距離はこなせそうだし、馬もさらに良くなっている。とにかく目の前のGIじゃなくて、先を見たい馬なんだよ」

 ホープフルS(12月25日=中山芝内2000メートル)には関東のクラシック候補生が多数エントリーしてくるはず。この高い壁を乗り越えれば、関西の牡馬トップランカーに名を連ねることができそうだが…。まずは百日草特別で思惑通り、2勝目を挙げることが先決となる。

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