地方競馬に吠える!/斎藤修

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地方交流重賞の盛り上がり

2016年11月04日(金)18時00分

注目数:21人


◆絶好のタイミングだった西日本ダービー創設

 今週行われたJBCについては、『交流重賞回顧』をご覧いただくとして、ここでは地方の広域交流重賞として11月2日に行われたロジータ記念(川崎)、西日本ダービー(園田)について取り上げる。

 3歳牝馬による地方全国交流の重賞、ロジータ記念(川崎)は、4コーナーで内を突いた2番人気のミスミランダーが直線抜け出して勝利。2歳時のラブミーチャン記念(笠松)、牡馬相手に逃げ切った黒潮盃(大井)に続いて重賞3勝目。今回のロジータ記念も含めて、勝った重賞はいずれも地方全国交流で、JpnIIの関東オークスでも2着に好走していた。

 ロジータ記念は、かつては南関東限定の重賞として行われていたが、2011年から地方全国交流となった。他地区所属馬の出走枠は2頭で、佐賀のドンプリムローズが5着と健闘、笠松のキタノアドラーブルは9着だった。

 それにしても他地区枠が2頭というのはいかにも少ない。全国交流としてはやや盛り上がりに欠ける印象で、地方競馬の中でも賞金が突出して高い南関東は可能な限り開放しておくべきと思う。なんらかの基準を設定した上で実績不足の馬は選定外とし、他地区枠を無理に埋める必要もない。そうすれば地元南関東の所属馬が理不尽に除外されることもないだろう。

 そしてもうひとつ、園田競馬場で行われたのが、今年新設された西日本ダービー。西日本地区の各競馬場でデビューし、他地区に転出した経験のない馬のみが出走できる(ただし金沢所属馬については、冬季休催期間の西日本地区内の転出は認められる)。

 たしかに、西日本地区でもある程度賞金が高い兵庫は別として、それ以外の地区の3歳重賞戦線では、北海道や南関東からの移籍馬が上位を占めるということもめずらしくなく、それが盛り上がりを欠く要因となっていることは否定できない。

 そういう意味で、各競馬場の生え抜きの馬限定という条件のレースを、西日本の馬主協会が主導する形で創設したということは、うなずける。

 勝ったのは、1番人気に支持された地元兵庫のマイタイザンで、鮮やかな逃げ切りだった。2歳時にはデビューから4連勝するなど活躍したマイタイザンだが、1番人気に支持された兵庫ダービーではハイペースに巻き込まれ7着に敗れるなど、ここまで3歳になっての重賞タイトルはなかった。それゆえ、「第1回だけに絶対に勝ちたかった」という主戦の杉浦健太騎手の喜びもひとしおだったことだろう。

 2着には高知の二冠馬ディアマルコ。園田でも重賞2勝という経験があり、今年のグランダム・ジャパン3歳シーズン、および古馬シーズンで、それぞれ総合2位、3位という活躍。高知では売上げが落ち込んだ時期にしばらく2歳馬の入厩がほとんどないという状況が続いていたが、2歳新馬の入厩促進のため、昨年高知としては高額賞金の2歳新馬戦を設定。その勝ち馬の1頭がディアマルコだった。そうした状況で、“生え抜き馬限定”の西日本ダービーの創設は、絶好のタイミングだったといえるだろう。

 西日本ダービーは、第2回以降、佐賀、金沢、高知、笠松、名古屋の順で持ち回り開催が予定されている。

 ホッカイドウ競馬でデビューした馬や南関東からの移籍馬が全国の地方競馬で活躍するというのは、日本の競馬のしくみからして必然ではあるのだが、こうした特殊な条件設定のレースで地方競馬全体を盛り上げるのもひとつの方法だろう。
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コラムニストプロフィール

斎藤修
斎藤修
1964年生まれ。グリーンチャンネル『地・中・海ケイバモード』解説。NAR公式サイト『ウェブハロン』、『優駿』、『週刊競馬ブック』等で記事を執筆。ドバイ、ブリーダーズC、シンガポール、香港などの国際レースにも毎年足を運ぶ。

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