前走のレベルは非常に高い
ふつう来期のクラシックに直結する2歳重賞ではないが、近年では10年のグランプリボス(のちに朝日杯FS、NHKマイルCなど)、リアルインパクト(安田記念など)、09年エイシンアポロン(マイルCSなど)を輩出するスピード重賞。
今年は、函館2歳Sの
レヴァンテライオン、2着
モンドキャンノ、小倉2歳Sの
レーヌミノルの対決になった。
だいたいはこの先も追いかけるタイプではないことも多いが、注目の1頭レヴァンテライオンは距離延びての成長力がある可能性が高い。
父パイオニアオブザナイル(その父エンパイアメーカーは5年間の供用のあとUSAに熱望されて帰国)は、昨15年、37年ぶりに誕生したUSAの3冠馬アメリカンファラオの父として評価急上昇となった。母の父はゴーストザッパー(父オーサムアゲン)。レヴァンテライオンはふつうに考えればダート向きの可能性が高いが、函館2歳Sは、レースレコードの1分09秒2。開催最終日ながら、クリスマスの2歳コースレコードをも更新している。同日の古馬1000万特別が1分08秒8なので2戦目の2歳馬とすると非常にレベルは高い。
アンブライドルド産駒のエンパイアメーカーはまったく短距離型ではなく、フェデラリスト(中山記念、中山金杯)のように芝をこなす産駒もいた。また、ケンタッキーダービー2着のパイオニアオブザナイルは下級条件の芝8.5ハロンを1分41秒5で勝った星もある。母の父ゴーストザッパーは、2004年、たまたま今週行われるBCクラシック(ダート10F)を、1分59秒02の快レコードで輸入種牡馬ロージズインメイを3馬身も離して勝っている。
レヴァンテライオンは平坦コースの短距離だから芝をこなした可能性もあるが、坂のある東京で、小倉2歳Sをレースレコードと0秒1差の快時計で独走したレーヌミノル以下を倒すようだと、どうみてもスプリンターではないだろうから、展望は大きく広がる。距離延びてもっと強くなるだろうと…。
中心は、例によって2歳種牡馬ランキングの首位を走るダイワメジャー産駒の快速系レーヌミノルとした。母の父タイキシャトル。祖母プリンセススキーは現在のホープフルSのもともとの前身にあたる12月の「距離1600mのラジオたんぱ杯3歳牝馬S」を10番人気で差し切ったマイラータイプだった。だいたいこの2歳重賞は近年、決まってスローで展開する。あのモーリスがムーア騎手で出遅れて勝負にならなかった2013年も、超スローだった。行く馬有利である。
距離1400mなら前回、1000m通過56秒1で行って、最後11秒9の直線で2着を6馬身も離したレーヌミノルのスピード能力がフルに生きると考えるが、人気に差があるようなら大物の可能性があるレヴァンテライオンから入る手もありそうである。