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須貝尚介厩舎と大久保龍志厩舎の注目馬情報(小島友実)

  • 2016年11月08日(火) 18時00分


◆牡馬相手でも期待できるリナーテ

 11月に入り、暮れの2歳GIが近づいてきましたね。それに向けての前哨戦的なレースも始まっているこの季節。今回は私が赤本で取材を担当している須貝厩舎と大久保厩舎の情報からお伝えします。

 まずは須貝厩舎から。10月10日の新馬戦をきっちり勝ち上がったリナーテ。須貝調教師にデビュー戦の印象を伺うと、「緩い流れでしたけど、川田騎手が上手くなだめてくれて強い内容でしたね」との事。この馬がデビューする前から須貝師は一貫して、「ステイゴールド産駒の牝馬で気性がポイント」と話していたので、一度使った後が心配でしたが、「デビュー戦のパドックも大丈夫だったし、レース後も落ち着いているよ」と須貝師。次走は11月12日のデイリー杯2歳ステークスの予定となっており、今後の見通しと可能性を伺いました。

「1週前追い切り(11月2日)の動きがすこぶる良かったので、(デイリー杯も)期待しています。気性が勝ってきてしまうと短い距離向きの馬になってしまうので、今後も気性を激しくさせないように調整していきたい。菊花賞を勝った半兄のサトノダイヤモンドと比べるのはまだかわいそうだけど、リナーテも良いものを持っていますからね」

 リナーテが牡馬相手のデイリー杯でどんなレースをするのか期待したいですね。

 それから、前回の当コラム(9月13日配信号)でもお伝えした放牧中のフュージョンロック。須貝調教師に伺うと、「なかなかソエが良くなってこない。まだ時間がかかるかなあ。でもいずれ走ってくる馬ですから、焦らないでやっていきます」とのお話でした。デビュー戦3着の内容は素質を感じさせるものがありましたからね。じっくり待ちましょう。

 お次は当コラム初登場の大久保龍志厩舎。タートルボウル産駒のラバピエスが9月25日の阪神ダート1400mで勝ち上がり、10月15日のプラタナス賞ではその後、北海道2歳優駿を勝ったエピカリス相手の2着と、力がある所を見せています。まずはここまでの印象について、大久保調教師に伺いました。

「前駆が勝っていてトモがパンとなりきってなく、全体のバランスが整っていない中、2戦目で勝ち上がってくれて、能力がある馬だと感じました。3戦目のプラタナス賞は4コーナーで勝ち馬とぶつかったけど、その後に体勢を整え直してよく追い込んできましたね。前走後は放牧に出て、10月29日にトレセンへ帰厩。帰厩後も飼葉を食べて、調教も動いています。状態は良いですよ」

 次走は11月26日のカトレア賞の予定のラバピエス。今年から、ケンタッキーダービーを主催するチャーチルダウンズ競馬場とJRAが提携し、日本馬を対象とした“ジャパン・ロード・トゥ・ザ・ケンタッキー・ダービー”が創設。11月26日のカトレア賞と来年1回東京開催に予定されているヒヤシンスSの二つの対象レースの合計ポイントが一番高い馬はケンタッキーダービーの出走が可能となる制度が出来ました。

「せっかく今年からこのような制度が出来たのですから、ダートで結果を出していてチャンスがある馬ならその権利を狙っていきたいですよね。これから他に強い馬も出てくると思いますが、ラバピエスも今後トモが更に成長して、馬体全体のバランスがとれたら、もっと良い理想の走りが出来ると思います。馬体を見る感じでは、まだトモも成長してきそうですよ」

 完成途上の状態で現在のパフォーマンスを見せてくれているのですから、まだまだこの馬には奥があるのでは?と個人的には凄く期待してしまいます。ヴェルステルキングやチカリータなど、兄弟馬も堅実に走っている血統ですからね。今後も注目していきたいです。

須田鷹雄+取材班が赤本紹介馬の近況や有力馬の最新情報、取材こぼれ話などを披露します!

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