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フルゲート割れで紛れは少なくなるエリザベス女王杯

  • 2016年11月11日(金) 18時00分


◆どれを押さえに回すかという問題は残る

 今年のエリザベス女王杯は登録の時点で16頭とフルゲート割れが決定。そのぶん紛れは少なくなり、有力馬にとってはやりやすい競馬になりそう。ただ上位陣の中でどれを1着候補にまで取り、どれを押さえに回すかという問題は残る。

 マリアライトはオールカマーが案外の内容だったが、もともと休み明けは得意でないし、使って本番メイチ勝負という意図は見えていた。コース替わりもプラスに働きそうだし、単純にリピート好走する可能性はある。気になる点があるとしたら5歳馬の成績が悪いことだが、このレベルの馬が5歳時まで現役に残っていることが少ないせいもあろう。

 ミッキークイーンは実績という点ではマリアライト以上かもしれない。速い上がりを使えるのが強みで、京都外回りも向く。問題があるとしたら牡馬相手の好走歴が無いこと。牝馬限定戦なのだから問題ないと思われるかもしれないが、このレースは牡馬相手の好走歴を持つ馬が強い傾向にある。

 その点タッチングスピーチは京都記念2着があるし、昨年の3着馬でもあってコースへの安心感がある。問題は極端な脚質と時計への対応力。全体時計もそうだが、33秒台の上がりを出したことが1回しかない馬なので、極端な瞬発力勝負も困る。雨が降れば軸にしてもよかったのだが、天気予報を見る限りその可能性は低そうだ。

 クイーンズリングも上位人気の一角に推されそう。府中牝馬S組というのはグループとしての成績が良くないのだが、この馬は今回の有力馬で唯一位置を取れるタイプだし、離された2着とはいえ米子Sで牡馬相手に好走してきたのも小さなプラス要素だ。ただ距離が微妙なのと、レベルも実は微妙なのではという疑念は残る。

 それよりはパールコードのほうが買いやすい。血統的に見ても京都内回りよりは外回りのほうが競馬はしやすいだろう。ただ、上がりが速くなるとミッキークイーンあたりには勝てない。前半がある程度流れたほうがよいが、自分で競馬を作れるわけではない点は弱みだ。

 これ以外でヒモ穴を探すなら、今年牡馬相手の好走歴がある馬か、先行タイプを狙うのが良いだろう。

 牡馬相手にオープン好走歴があるという点ではヒルノマテーラ。あくまでオープン特別での好走だが、相手はまずまず揃っていた。

 先行タイプということではシャルールシングウィズジョイプリメラアスールあたりを連想する。先の2頭はGIレベルでは苦しそうという結果が見えてしまっているので、いっそ上がり馬のプリメラアスールのほうが良いかもしれない。

 もっとも、先行タイプはかつては良い馬券になっていたのだが、ここ6年ほどは差し馬主体の結果が続いている。その流れを考慮すると、あくまで△にするかどうかというレベルの判断になる。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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